選り抜き一口エッセイ:デスノートで一番好きなシーン
友人からデスノートで一番好きなシーンを訊かれたので、死神の殺し方を知ったミサが「素敵な殺し方」と返すところが好きだと話しました。
ご存知の通り、デスノート序盤の魅力と言えば、月とLによる頭脳戦です。Lが仕掛けた高度な心理戦に対し、月がそれを巧みに躱したり、ときには熱くなって挑発に乗ってしまうのを、ハラハラしながら見守り続けていく。そんな時に、ミサミサという第二のキラ……両者にとっても完全なイレギュラーが登場する。
彼女はすべてがめちゃくちゃであり、二人が論理によって築き上げた推理を、感情によってハチャメチャにしてしまう。月とLの高知能を、ある意味では愛情の力で上回る。子供ながら、おバカな女が恋愛なんかで何もかもを破壊していく様子に、恐怖と快感を覚えました。
そんなミサに対して、レムは死神の殺し方を授けてくれます。それは、「人間に恋をさせること」でした。今まで、神秘的かつ人間の上位種的な描かれた死神の存在に、唯一の弱点が明かされる。この時点で衝撃であるのですが、それを聞いたミサの「素敵な殺し方」と真顔で感想を述べるのが凄く印象に残ったのです。
この子は、月とLと真逆で「感性」で生きており、なおかつ展開として死神を愛情で殺すことが起きるのであろう。それは月が利用するのかもしれない。これまでの展開ではあり得なかった死神への反逆。なおかつ、それがミサからすればロマンチックな「素敵な殺し方」であること。このシーン、いいよね……。
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