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高校生オタクのとても共感できる思春期らしい悩みがきたので嬉しくなりました


悩み、なのですが。
自分は高校生なのですが、高校で会う自称オタクの人たちが(言葉を選ばずにいうと)超「にわか」くさくて全くと言って良いほど反りが合いません。
刃牙シリーズ、その中でも特に花山薫の大ファンだと自称する人が話してみると何故か3作目の範馬刃牙しか読んでいなかったり、ジョジョ大好き!大ファン!と自称する人が原作を一巻も読んで居なかったり、ここまではまだ可愛いものなのですが…
BLEACH好きを自称していて作中のセリフや斬魄刀の名前を妙に覚えている人が掘り下げてみたらゲームでしかBLEACHを知らないなんてこともありました。
もちろん、自分もこの世にごまんといらっしゃる他のオタク達と比べたらさまざまな範囲でとんだにわか野郎であることは間違いありません。上には上がいますし、変にマウントを取ることの醜さも分かってはいるつもりです。
(実際問題で自分も見たことない有名なアニメや漫画、小説は腐るほどありますし、人様に偉そうに「おいこれ見てねぇのかよ!分かってねえなぁ!」みたいな事言えた立場ではないのです)
決して自分は「にわか」的人たちを排除したいという大仰な思想の持ち主では全くありません。彼らに悪意がないのも分かるので、彼らを激しく嫌う気持ちも全くありません。
なのですが単純な話、致命的に話が合わない…!その子達を個人的には嫌いでないだけに、自分としては「自分から会話を合わせてやれよ…そうすれば幸せに事が運ぶのに…」と自分を責めてより心苦しさが増します。
いわやる自らの身から出るオタク的な醜さから会話をその子たちのレベルに合わせることはかなり苦痛に感じるのですが、醜い自意識から教室で1人でいるのもなんだかなぁ…と思ってしまいます。
この思春期的なくだらない悩み、にゃるらさんはどう思われますか?
(長文失礼致しました…)


 この相談DMがきた瞬間、喜びで全身が震え上がりました。素晴らしい。自意識と俯瞰の繰り返しで苦悩し続けつつも、学校という箱庭の社会から逃げ切れない無力感。まさしく思春期で羨ましい。
 大人の言う「自分も若い頃はこうだった」とか「自分の若い頃にそっくりだ」なんてセリフは鬱陶しいものでしかないとは分かっていても、「中高生の頃の自分と同じだ……」と共感せざるを得ない名文。なんと愛おしいのでしょう。

 前にも書いた覚えがありますが、中学生の頃にクラスのオタクの一人がインターネットの影響でジョジョに大ハマリした結果、男子中にところかまわず「ワンピースやドラゴンボールみたいな浅い漫画よりジョジョ読みなよ」と布教し続ける光景を目の当たりにしたのがとてもトラウマだったりします。
 その時に僕が持った感情とこの高校生の方が日々感じている複雑な想いは、同じではないでしょうか。思春期特有の周りが馬鹿に見えてしまうのオタク版「周りが大したオタクでない上に痛々しく見える」。

 恐らく、相談者さんはタイトルに挙げた、バキ、ジョジョ、BLEACHは当然として、ベルセルクやHUNTER×HUNTER、カイジあたりも読破しているのではないでしょうか。このあたりのネタが通じないとインターネットの面白さ半減ですからね。教科書よりも繰り返し読んだことでしょう。シグルイやクロマティ高校も好きそうだな。ネットの大人たちが楽しそうに話す漫画はすべておさえたくなるし、それについていけない同年代に物足りなくなる気持ち、お察しします。

 僕はそうそうに狭い学校生活での濃いオタク友達は諦めて、18になった瞬間にインターネットで活動を始め、そこで趣味嗜好の近い友人を集めました。一緒に好きなアニメを観たり漫画を読んだりできる生活が楽しくて、ルームシェアだってしました。
 今は学業や実家から離れられずに窮屈かも知れませんが、その知識欲やそれでも周囲と合わせられる社会性があるならば、広い舞台に飛び出た際に必ず報われるでしょう。もうしばらくの辛抱です。
 僕も「自分がいちばん美少女ゲームを語れるんだ!」という情熱を話す相手のいない遣る瀬無さをブログにぶつけて偉そうに解説し始めたのが、インターネット活動と文章の出発点です。気づけば今や文章とオタク話でお金もらうようになりました。その熱意を消さないまま大人に成長できるなら、貴方だってなれます。僕が約束します。

 ということを簡潔に返信したら、大量の感謝の言葉の締めに「ありがとう……それしか言う言葉がみつかりません!」とジョジョネタで返してきれくれました。いつかスティール・ボール・ランのネタが一瞬で通じる友人ができるといいですね。心から応援しております。いっぱい漫画読んでいっぱいアニメ観ましょうね。一番の近道は遠回りです。遠回りこそが最短の道なんです。

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