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一口エッセイ:自責と他責

 今日も今日とて頭が靄がかかったように働かなくて不快だ。
 経験則として、何らかのきっかけでぽんと治っていくことは理解しているけれど、そのきっかけがなかなか掴めず、意識が宙に浮いているようで苦しい。
 人間は弱いので、追い込まれると別の対象へ責任を転嫁する。自分一人で背負い込むと脳味噌がパンクするので無意識に「アイツのせいだ」と思考が変遷し、やがて周囲の大人・上司、そこが無理筋に感じたら社会や世界を恨みだす。他責思考です。結局は自分が悪いことを認めると器が壊れて崩壊するのですね。
 とはいえ、他責は避けたい。油断すると「本当は自分は悪くないのでは」なんて考えそうになるので、自虐でなく本当に自分が悪かった点を並べてどうにかバランスを取る。この作業がまたキツい。やっぱり自分が悪いんだなと理解したところで、そこから真に反省や建て直しを実行するのは困難。よくよく考えると自分があんなこと言ったからだな……あの場に混じったからだよな……と「全部」が襲いかかって筆が折れる。
 いま僕はただただ今後も続く苦しみから解放されたく、パンクしそうなので一旦、一旦でいいから休ませてリセットさせてもらえないかと望んでいる。が、それが現実的でない絶望に苛まれてもう一週間近く眠り続け、結果的に期待したような休息期間を得た形にはなった……ものの、これは病で伏せていたが正しく、休みという気持ちにはどうしてもなれない。「バカだから休みたい休みたいと狼狽えるうちに一週間無駄にした」のである。その間に覚悟決めて休んでいれば良かったものの。まあ打ち合わせもちょくちょくあったので現実的じゃなかったけれど。これも自分の優柔不断さというか、変なことで悩んだことが原因で、他者はいっさい悪くない。すべて自分の調整不足が招いた自業自得。
 そんなことは分かっているが、自認したところで胸が苦しくなるだけだ。月曜にも提出しなければならない原稿がある。土日はそれに苦しむことになるが、それも今週寝転んで時間を消費しなければ解決した問題です。じゃあ自分が悪い。いろんな理屈をつければ周りの大人へ責任の一端をなすりつけられなくもないが、そんなことに本質的な意味はない。あらゆることを「他人のせい」に無理やり繋げられるし、逆に「自分のせい」に丸め込むこともできる。角度の問題だ。誰かがやらかしたとして、その危険に気づけなかった監督のせいにもできるし、相手が自身の実力や限界を間違えて勝手に潰れただけで本人が悪いとも解釈できる。何とでも言えるのだ。
 大人たちは慣れている。「はいはい、俺たちが無理させたね。謝るから頑張ろうね」とは言ってくれるでしょう。仕事を与える立場の人間たちは、そうして恨まれたり責任転嫁され、そのたびにメンタルをケアすることも仕事だ。「仕事」として割り切っているので、そのようにヘイトの受け皿になる。自分がもしいま愚痴や不満を他責の形でつらつら並べた場合、そうした「大人の対応」を取ることは容易に想像ができる。
 えらい。それはとてもえらいことに思う。ただ、そのロジックを意識してしまうと途端に悲しくなる。僕の今の悲しみや苦しみもすべて「大人が責任を取って応対し、ふたたび働くよう立ち直させる仕事の一部」に回収される。僕の感情も相手の感情もひっくるめて仕事の一環になるのです。カウンセラーへ悩みを告白したらマニュアル通りの返答がきたような、互いに「そうするしかない」事実だけを噛み締めることとなる。相手は「スッキリしたか?これからまた頑張ろうな!」と言う。僕も雰囲気に合わせて「ありがとうございます。ご心配おかけしました!」と答える。それ以上に負担をかけると「仕事」の範疇から外れるので暗黙の了解を越える。その形式を想像するだけで吐き気に見舞われる。
 なので、ここは最終的に他者は他者であり、そもそも自分を救うのは自分であらねばならないと強く刻まねばならない。言語化すると気持ちは強くなる。最近、日記にこの結論を2.3回繰り返しているのも、自分へ言い聞かせる意味も兼ねています。とにかく眠るしかない。どこかのタイミングで調子が少し上を向いたら、勢いで日常に戻れる可能性もまだある。いま心が折れて他責に走ると取り返しがつかなくなる。……と言いつつ、ここまで書いてもうめちゃくちゃ不安です。こんなこと書いて意味があるのか? 好きに思ったことを書けるからこそ日記とはいえ、こんな鬱々しい文章をネチネチ連日書くことですでに読み手を不快にさせているのに。ここに来てなお、他者に慰められる、心配されるのを期待しているように思われるのもアレだ。とはいえ、優しい人は心配してれるだろう。強がりでなく本当に気にしないで欲しい。誰かに愚痴を吐くと一気に壊れてしまう予感がある。あくまで日記上でうじうじするだけに収まるので、何もなかったかのように接し、スルーしてもらえると嬉しい。他人の優しさに期待すると他責思考も同時に生まれるので、振り出しに戻るのだ。
 さて、土日は原稿漬けで時間がない。昼にジム・夕方に友人と会う予定があり、そこで気持ちを切り替えたらあとは無心で筆を走らせよう。案外それでどうにかなるかもしれない。中国行きを自ら台無しにしたことを思い返し再び潰れるかもしれない。まあ、なんにせよやるだけやってみますし、本気でヤバかったら流石に黙ってどうにかするので、みなさんはこんな僕でも見捨てずに居てくれるなら、見なかったことにしてください。明日からは適度に日記の話題を修正していきます。気分的に暗いことしか書かないとはいえ、精神は自身の言葉に引っ張られますからね。
 寝ます。ウルトラマンブレーザーをリアタイしたかったが諦めよう。おやすみなさい。さ

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