クロージング映像 Vaporwaveの源流を探して
以前、Vaporwaveの派生に、レトロなショッピングモールの中に居るような音楽をテーマにした『モールソフト』なるものがあると日記に書きましたね。そこからガチャガチャ音を弄って生まれた『モールマッドネス』なる物騒なジャンルまでできたよ、と。
他にも、僕が好きなvaporwaveにはローカルな天気予報の空気感をそのまま音楽としたものがある。
そもそも沖縄(ローカルな地域)に住んでいたのだから、子供の頃はギリギリブラウン管で深夜に流れるこのような映像とゆったりした音楽を聴き、一日が終わる瞬間になんだかわくわくしていた。「あの感じ」は全世界共通のようで、Vaporwaveの中でも定番である。
こうしたノスタルジックを色々漁っていた後、だんだんと源流があるのだから、それを聴けばよくないかと、「あの感じ」を直で流すようになってきました。
「クロージング映像」、テレビ局が深夜に放送を終了する際に流れるものですね。沖縄の91年。僕はまだ生まれて居ないものの、概念としてこのような映像(+深夜の天気予報)を眺めていた記憶が心を落ち着かせる。
クロージング映像自体にも結構なマニアが居る。この独特な寂しさ、深夜に感じる「もうテレビも終わっちゃうような時間なんだ」と世界に置いていかれる感じに囚われた人々は少なくない。クロージング映像によっては妙に静かで恐怖を掻き立てるものや、都市伝説的なものまで多種多様なノスタルジーを内包。
時折入るアナウンサーの音声やピーガーしたノイズ含めて本物の音楽がここにある。
中でもマニアから評価が高い(!?)クロージング映像がサンテレビ92年ごろの映像。5分もあって長い。どうやらサンテレビは妙にクロージング映像に凝ってくれていたらしく、当時を生きた人々の記憶に残り続けています。
初期のPCゲーのようなグラフィックで映し出される神戸の観光名所たち。たしかに、これは凄い。こんな優しい映像と音楽(画面から想像通りの穏やかなメロディが流れているよ)とともに一日を終えられたなら、なんと幸せなことでしょうか。紛うことなきクロージング映像界の傑作ですね。僕も、よく深夜に流してぼけっと眺めて擬似クロージング感を嗜んでいる。
大人になると、誰も「一日が終わったよ」と早く眠ることを促してくれないんだ。特に僕らは独り身ですから。
そもそも源流を「作品」や「音楽」として楽しめばいい、は自分の中でブームがきている。あれだけクラフトワークやYMOを聴いてきたのだから、もはやレトロなゲーム画面を垂れ流していればランダムな電子音が聴けて飽きないだろうと分かってきた。
たとえば、ディスクシステム書き換え時に流れるテクノなBGMと任天堂らしい効果音を、そのまま「音楽」と捉えて聴いている。ピコピコして癒される。どうやら僕は音楽に自身の体験を混在させたいようだ。厄介な趣味である。
夜も更けてまいりました。皆様、お休みの前に火の元をたしかめてお眠りください。また明日もにゃるらの日記でお会いしましょう。 終
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