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一口エッセイ:うる星やつらと押井守


 「うる星やつら」の新作アニメが発表されました。原作の人気エピソードを元にしているとのことで、恐らく原作寄りの作風になるのでしょう。
 うる星やつらは原作とアニメ版で印象が全然違う。原作は当然高橋留美子の作品なのですが、アニメ版は留美子先生よりも「押井守作品」としてのノリの方が強く感じる。急に登場人物が立ち食いそばについて熱くなったり、軍事ネタを語ったり、サブカル的なパロディネタがたくさん挿入されたりする。全体的にオタクっぽいのだ。

 この「押井監督らしさ」が爆発し過ぎたのが劇場版2作目「ビューティフル・ドリーマー」で、もう完全に高橋留美子でなく押井守のうる星やつらとなっております。良くも悪くも。個人的には好きで好きで堪らない映画ですが、まぁ原作とは違う。
 あまりに押井色が強すぎる上に、原作よりも進んだ関係を見せているので、「原作者が激怒した」と噂が流れるほど。これに関して、最近のインタビューで留美子先生は「監督との不仲説は噂です。ちょっとしか顔合わせてないし、不仲にした方がみんな面白がるのでしょう」といった回答をしています。
 が、先日、押井守監督の方のインタビューでは、「高橋留美子先生から忌み嫌われた」と発言しています。勝手な推測ですが、留美子先生は少なくとも現在は(当時は思うところあったかもですが)気にしてないものの、押井監督は自分が嫌われていると思い込んでいることになる。信者目線ですが、この思い込みのオタクっぽさが正に監督らしくて大好きなんですね。さすが最近のルパンでも、世界観の根底を揺るがすような脚本書くだけある人だ。


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