一口エッセイ:撲殺天使のドクロちゃん
深夜になると睡眠薬などでラリった方や、不眠で精神が昂っている方から、勢いのある長文が送られてきたりもします。
色んなパターンがありますが、だいたいは文末は「応援してます!」「にゃるらさん好きです!」的なファンレターで終わっており、返信を求めない形でえらいなと思いながら、ハートだけつけたりつけなかったりします。流石に知らない方に毎回返信もできませんし、無関係の人間に一瞬だけ理解を示すフリをするのは、優しさではないと思うので。これくらいの距離感でいきましょう。
そんな中、久々にDMを開いてみると、すでに消えたアカウントから長文が届いていた。やはり睡眠薬の勢いで送ったと書いてあり、社会への恨みつらみが並べられていて、大変だなあと読み進めていると、とつぜん脈絡なく「初恋の人 撲殺天使のドクロちゃん」と書かれてある。
これは良いな。すごく良い。ラリってるからでてきた支離滅裂だからこそ美しい一文。残念ながら知らない人の不幸話に同情するほどピュアではないが、初恋のキャラを書き記したくだりは、僕の心をつよく掴んだ。曖昧な脳みそで加速していく思考の中でも、ドクロちゃんへの恋心だけは絶対に伝えたかった。素敵だ。もうアカウントが消えているので返信もできないし、やはり知らない人に優しくもできないが、こうして貴方の残した一文の素晴らしさは読者に伝えます。それを貴方がどう感じようとも。でもそれって僕の愛なの。
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