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一口エッセイ:打ち合わせの成功判定

 秋葉原で打ち合わせをしてきたのですが、相手がとても優しい人で、世代が下な27のガキである僕がヘラヘラ登場しても、リスペクトを持って接してくれている感触を覚えたので、嬉しかったのですね。
 「打ち合わせ」って、8割が雑談じゃないですか。むしろ事務的な会話が主な場合は失敗だと認識していて、互いが相手に興味と尊敬があるからこそ、わけわからん話に逸れ続け、いつか雑談で話した点と点が繋がって、大きな仕事や作品になります。「こいつダメだな」と舐めれたら、さっさと要件だけ話して帰っていくわけで。
 僕が初めて角川での担当から連絡が来た時、まだ21程度でした。ブログの内容を見てDMしたそうですが、記事の内容だけで30代後半のオタクだと誤解していたらしく、いざ現れたのは借金まみれで成人したてのクソガキ。向こうは驚きましたが、敏腕だけあってすぐにスイッチを切り替え、「この子を育てていく方向」にシフトしたんです。とにかく、一緒に何か企画やってみよう! って感じに。あと、定期的に食事を奢ってくれた! その度に、いろんな業界の雑談を話してくれて、この人には死ぬまでついてこうと決めたんです。今でも商業エッセイなどを出してもらっているのは、この担当から今でも面倒見て頂いた上で、ゆっくりでも僕の成長を認めてくれているからでしょう。ありがたい……。
 これからは、どんどん僕の方が若手と話すことになる。その際は、どんどん関係ない話に脱線していくし、若者からすれば大人のつまらない無駄話に過ぎないかもしれませんが、それは僕があなたの才能に惚れて、あなたの人格に興味がある証拠なのだ。

 
 

 毎日のエッセイをまとめた同人誌をboothにて販売中。すべてが無駄話で構成されております。

 これが、その編集さんと去年の年末に作った商業エッセイ集です。締め切りが早くて鬼かと思ったよ。

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