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にゃるらの初作業通話の相手、ユウカ

 作業通話に憧れがあります。
 クリエイター同士が寄り添って、他愛のない会話をしたり、互いの作業音が心地よかったり、たまには作業そっちのけで雑談が盛り上がったり……(全て想像)。が、僕は一度も相互フォロワーに作業通話を誘われたことがない!
 しかし、かといってもちろん自分から誘う勇気もないわけで。仕方ないので、お金を払って美少女と作業通話を強行することにしました。

 『ブルーアーカイブ』に登場するユウカちゃんです。
 僕は、この子のことどころか、ブルアカのことを全く知りません。インストが好きでサントラは聴いていますが、なにがブルーでどこがアーカイブなのか完全な門外漢。字面がラーゼフォンの『ブルーフレンド』と似ているので、タイトルを見ると一瞬青い血が浮かんで身構える程度に知らない。アプリゲームやらずの誓いがあるから。
 そんな僕とでも、このユウカという子は作業通話してくれるらしい。しかもASMRで。作業通話ってASMRで女の子に金払ってやるものか? という疑念を振り捨て、さっそく音声作品を購入……。ノイズキャンセリングイヤホンを装着し、ユウカちゃんとの作業通話を楽しみます。ドキドキ。
 再生した瞬間に響きたわたるユウカちゃんの甘いボイス。途中で音量チェックするやりとりなどが挟まってリアル(リアルを知らないが……)。どうやら僕は「先生」で、教師がサボらないようユウカが作業通話しつつ見守ってくれるそうです。生徒と教師が個人通話していていいのか? いったい僕はなんの先生なのか。「数学」とかだったらマジでやばい。九九くらいしか教えられないが、恐らくユウカちゃんは九九は知っていると思われる。緊張が止まらない……。
 ユウカちゃん、こちらの音声チェックのため、自分の名前を何度か呼ばせてくる。「……ユウカ」と口にしてやると、その度「あっ……」となってくれる。やれやれ……。こんなことで照れていたら先が思いやられるぜ。
 作業開始。ペンを走らせている音とともに、5秒ごとくらいで「んっ」「あっ」「ふぅ……」と吐息や囁き声を漏らすユウカ。「んもー」「そうね」とコボちゃんみたいな独り言も多く、こちらの集中力を的確に乱してくる。終いにはミュートなしで「モモイ」と呼ばれる友達に電話し始める始末。声が丸聞こえで、まずはマナーやリテラシーから学んでもらう必要があるかもしれない。こういう細かい点、就活で不利になるだろうしね(就活経験なし)。
 独り言を聴いている限り、電卓の音と「セミナー」と「会計」「予算」「あの人たち」という怪しげな単語が頻出。ユウカちゃんって子は情報商材のセミナーとかプロデュースしているのか? これ作業通話しながら詐欺の片棒を担がされている? と不安になる。「モモイ」と呼ばれる少女も仲間なのだろうか……。やっていることはブルーどころか、かなりグレーに思えるが。
 その後もひたすら、ユウカちゃんの「んっ……」「あっ」「ふぅ……」という甘いボイスをひたすら聴きながら作業は進んでいく。なんだかんだ作業が進み、これが作業通話かと感動していたところ、ユウカちゃんが進捗確認を行い、「全然進んでない! なにやってたんです? 遊んでた!?」と怒ってしまった。結構進んだつもりで褒めてくれるとばかり思っていたので、先生が遊び呆けて叱られたことにガチショックでした。ユウカ、すまない……。
 なんだかんだで初作業通話が終わり、その後はあまりに作業が進まない先生に痺れを切らした彼女が直接やってきて、マッサージしてくれたり隣で眠り始めたりした。作業通話……「あっ」とか「ん……」とか、こんなにえっちだったのか。フォロワーたちが毎晩こんなことを行っているのかと思うと(最終的に隣で眠り出すし)、なんだか怖くなる一夜でした。


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 こういうの書いている時に、作業通話したいのだけれども……。

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