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エッセイ:ネットで苛ついたら一度ネットから離れてゆっくりしてみると良い

 精神科の先生に悩みを相談しているうちに、自分の悩みのタネの殆どがインターネットであることに気づいて以来、意識してネットを見る時間を減らしております。
 そもそも、ネットのニュースやタイムラインの喧騒など、基本的には自分とまったく関係がない。それなのに、怒りたくなったり、言及したりしたくなるのは、家にこもりっぱなしでネットを見る時間が増えた分、依存度が増したからなんだと思う。手軽に正義側に立ったり、冷笑できたりするから、その場はすっきりするでしょうし。
 関係ないことは、関係ないのだ。ニュースやタイムラインに苛ついてしまった時、一度ネットから離れてみるといいかもしれません。なにもネットをやめて現実を生きろ、仕事をしろと言いたいわけでなく、アニメや本でも嗜んで、いっぱい寝てからインターネットを見ると、ちょっと距離を離した分、冷静に見られるはずです。本当の意味でネットに強かったり、精神が強いと言われる人たちは、このあたりの距離感が適切で、依存しすぎていないからではと考えております。

 そもそも、情報で溢れかえっているインターネットを見ること自体がストレスだと、精神科医から教えられたこともあります。不眠に対して相談した際、「休んでいる時はなにしている?」と訊かれて、「スマホでネット見てます」と答えたら、「ネットを見ているだけでも疲れるから、スマホも置きなさい」と言われました。偏った情報に触れて脳を興奮させることは、決して息抜きではないのですね。
 スマホ依存の現在を切り取った名著「スマホ脳」では、スマホがそばにあるだけで、例え開いていなくとも集中力が下がるという結果が載せられていました。みなさんも他人からの連絡が気になって、読書中や就寝前などにスマホへ気が散る経験もあると思います。スマホ、遠くに置きましょう。特に寝る前。スマホの登場から、現代人の平均睡眠時間は減少したそうですよ。僕は、いっぱい眠れることは間違いなく幸福なことだと考えております。

 暇な時間、というより僕は殆どの時間をアニメや本に費やしておりますが、それも一旦落ち着いた時に、スキマ時間でネットを見ないように、FireTVを購入しました。ブラウザを開かずにYoutubeや動画コンテンツに繋げられるので、余計な情報に触れてふらふらネットサーフィンする時間を減らせたのですね。
 Youtubeでは、主にゆっくり解説を観ています。人間でもない、妖怪でもない生首二人に「ゆっくりしていってね!」と暖かく出迎えられ、ゆっくり魔理沙による雑学や歴史の解説を、嬉しそうに聞いているゆっくり霊夢を眺める。知識の吸収をしながら、ゆっくりとした時を過ごせる、現代の動画コンテンツの中でもとても素晴らしい文化だと感じております。
 なので、たまにゆっくりたちがネットの俗な話題や極端な政治思想のスピーカーになっているのを見ると、とても悲しい。視聴者を「ゆっくりさせる」という大前提はあってこそだなと、自分の中にゆっくり哲学が芽生えてしまいました。

 それはともかくとして、「ゆっくりしていってね!」の精神はとても大事で、ネットで感情を揺さぶられた際、もしかしたら自分がネット依存だから大袈裟に感じているだけで、よくよく考えるとどうでもいいことなんじゃないかと落ち着くのは大事です。
 陰湿だったり、過激だったりするのもインターネットの一つですが、そればかりになると、アニメや漫画で盛り上がりたい時に窮屈に感じてしまう。たまには、ほんとうの意味で休みなさい。それから気持ちがちょっとネットから離せたら、その時はゆっくりしていってね。


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