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エッセイ:周りが大人になって健康とかドラマとかの話をする

 周囲の人間がアニメよりも半沢直樹の話をするようになりました。なんと大変な変化でしょう。
 別に自分は半沢直樹やドラマのアンチではありませんが、同じ無職や学生としてのびのびアニメの話をしていた彼らは、気づけば大人になり、社会人になり、現実離れしたアニメーションよりも、会議や社会を楽しみにするようになったことには驚きました。これは間違いなく恐怖体験です。

 僕らがSNSでヘラヘラしていると、当時の大人たちは「健康のこととかどうするんだ。腰を痛めたら終わりだぞ」とか「病気になった時に後悔するぞ」と注意してくるようになり、若かった自分は一々健康の話だらけでうるさいなぁと感じておりました。周囲もそうだったはず。
 アニメや漫画にインターネットに大忙しで、将来とか未来とかそういう想像は一切なかった。だからこそ遅れてきた青春を歪なりに過ごせたのだと理解していました。

 しかし、今ではそんな彼らが、目の上のたんこぶの大人たちを鬱陶しく感じていた彼らが、今では残業がどうこう健康がどうこう、休日はアニメよりサウナやスポーツ観戦。毎日スーツなんて大人の服を着て、僕らをおいてけぼりにしたまま社会に融け込んでいく。おいていかないで……。

 以前、ODした岡島くんの感情がバグってバッド気味になったことがありまして、彼はほぼ無職のような生活で悲しいことなんて殆どないと豪語するストレスフリーな人生だったのですが、ケミカル成分の作用でもたらされた寂寥感によって「みんながアニメ観なくなったの本当に悲しい」と本音が吐露されました。
 その瞬間、僕は彼と友人で居られたことに、とても誇らしい気持ちになったんですね。別にアニメをいっぱい観ると偉いわけではないが、アニメや漫画を楽しみに生きる気持ちを大切にする誠実さが、子供のまま身体だけ成長していった自分の罪を背負い続ける覚悟が、ベルセルクのセリフを引用するなら「その時その男は 美しく気高く絶対的なものとしてオレの目に映った」んです。
 まぁ僕もラリっていたので妙に感化されただけで、客観的に見ると、いい歳した男性二人が戯言を並べて何故かそれに感動しているだけなんですけど。早く人間になりたい。

 これから僕らはどんな未来を歩んでいくんでしょう……。


 なんて暗いこと考えていません。
 なぜなら今夜から「ご注文はうさぎですか? BLOOM」の放送だから。
 ごちうさが放送される喜びに比べたら将来も周囲の人間関係もすべてどうでもいい!!!!

 3期分のごちうさ原作部分って本当に凄いんですよ。ギャグと感動とキャラクターの個性が僅か8ページに毎回凝縮されている。もはやフルハウスですよ。文句なしに国民的作品です。こんなに美しい作品他とありません。
 ごちうさは本当に最高。今すぐみんな録画予約してください。そして原作を買ってください。

 アニメーションでも美しいですが、やはり原作には原液だからこその素晴らしさがあります。Koi先生の漫画力・構成力が凄まじい勢いで進化していく様を体感してください。
 ごちうさは最高!


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