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海外文化とイースター(復活祭)

 海外の配信者を観る醍醐味として、やはり文化や環境の違いは外せない。
 例えば日本でのクリスマスは、アイドルたちが家族(恋人)と過ごすか、ちゃんとイベントを用意して推しと過ごすかが試される。もちろん、書くまでもなく殆どの人間はキリストの生誕を祝うつもりなど毛頭ない。
 しかし海外のキリスト圏ではクリスマスの重みが違い、聖なる夜を大切な人たち(家族など)と過ごし、ともにキリストの生誕を祝うのは重要なことです。なので、海外だと配信者がクリスマスに休みを取って家族を選ぶことは当たり前。そのあたりの温度感は日本とだいぶ違います。

 別の例でいえば、先月は中国で春節(新年を祝うような時期)があり、ぜひ中国のファンに向けて挨拶してくれと頼まれ動画を撮影した。この夜は自著300冊にサインした直後であったため非常にくたびれている。


 向こうでは春節の間、めちゃくちゃめでたいムードが流れ、そこへ他国の人間もともに祝福してくれることをとても喜んでくれる。日本での新年の挨拶はそこまで重要でない。この「挨拶」の重みの差もまた面白いですね。
 他にもインドネシアの配信者を追ってみると、配信中に礼拝の時間が来たりする。唐突に美少女キャラクターの信仰心が観られる瞬間にビックリ! このような常識の違いもまた面白い。
 さて、キリストの誕生日は日本でも大人気イベントですが、実は3月末になるとキリスト教ではイースター(復活祭)のムードとなる。イエス・キリストの復活が日曜日であることから、今年は31日(日)が正確なイースターの日となりますが、ざっくり3月末〜4月頭をイースターと捉えていいらしい。
 そもそも誕生日も特にキリスト教と無関係に盛り上がっているわけなので、日本でイースターの雰囲気を味わうことは稀。いったいイースターは何をするのかと軽く調べてみるも、誕生のメタファーとしてエッグやウサギが代表されるとのことくらいしかわからない。「イースター・エッグ」という要素はここからきている。
 卵はともかくウサギがなぜ誕生か。それはウサギが性欲が強くて繁殖力が高いかららしい。なんだか恥ずかしい。それでこれらのモチーフを用いて何をするんだとぼんやり考えていたところ、ホロライブEN所属のシオリ・ノヴェラさんによるEaster Special配信が始まる。
 いったいどのような雰囲気になるのか覗くと

卵が散らばる草むらを背にウサ耳をつけてニンジン片手にして愉快に踊っていました。
 なるほど。これはたしかに卵とウサギ。あとはとにかく楽しげでめでたい感じなら全然いいのか。第一、彼女のダンスはかわいらしいし。

 イースター(復活祭)の時期があって、卵とウサギをモチーフに楽しく明るくお祝いムードで盛り上がればいい。文章での解説だとピンと来なかったものの、動画を通せばわかりやすい。なんと素敵な時代なのでしょうか。


 ちなみに、彼女が石板から昆虫発掘を行う際、手のひらの形をした小さな箒を扱った際、「ハイタッチもできるし、あなたの罪も掃いてくれる」と小粋なキリストジョークが挟まる。
 そもそも誰もが「原罪」を背負っている前提のジョークなので、日本人ではなかなか出てこない小粋な言い回し。その小さなお手々でぜひとも僕らオタクの罪を掃き捨ててもらいたい。

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