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【私立中高一貫校の世界#15】進学してから見える中学受験の世界

1.先生たちにとっても大変なコロナ禍の受験

2022年度の受験が終了しました。感染力の強いオミクロンが流行し、学級閉鎖が続出する中での受験は、昨年とは比べものにならないほどの負担だったのではないでしょうか。

長男の学校は受験が始まる数日前から、リモート授業が行われました。先生たちが感染したり濃厚接触者になったりして、受験に影響を及ぼすことのないようにという配慮からで、多くの私立中学では同じような状況だったようです。

長男が受験生だったころは、とにかく何とか入試の日を迎えられるようにということしか考えていませんでしたし、汚い字を書けば、たとえ答えは合っていたとしてもバツにする先生がいるのではないか、重箱の隅をつつくような採点をする先生がいるのではないかと半ば本気で思っていました。

しかし、以前、渋谷渋谷中学の説明会に参加したときに、当時副校長の女の先生が「私たちは、バツにしようと思って採点していません。マルをつけたいと思って採点しているんです。漢字のトメハネでも、これは何とかマルにしてあげたいと思って見ているんです。子どもたちがどれだけ努力をして今日という日を迎えているか分かっていますから、私たち教員も真剣に採点します」という主旨のことをお話しされていましたが、今はよく分かるのです。

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