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児玉龍彦教授の提言、第二弾 自粛で東京は救えるか ウイルスは変異した!PCR検査と抗体検査


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2020/04/13/YouTube公開 デモクラシータイムス 「新型コロナと闘う その先の世界へ 緊急版 自粛で東京は救えるか 膨大検査は医療崩壊を防ぐ」東京大学アイソトープ総合センターセンター長、兼、東大先端研 がん・代謝プロジェクトリーダー児玉龍彦先生が変異したウイルスについてや、PCRと抗体検査、医療崩壊を防ぐ為の提言をお話されました。

その動画の文字起こしです。なお、聞き間違いや、文章の構成など不甲斐ない所もありますが、ご了承ください。

https://youtu.be/7EtDPtKd4L0 @YouTubeさんから

升味さん ”今日の課題は自粛で東京が救えるのか?です。

皆さん身近な所の病院で、身に染みてお感じになってるかと思いますが、拠点病院、中核病院の外来が非常に難しくなってきている状況もあり、また、救急医の学会が二つありますが、こちらからもう、救急医療が崩壊の瀬戸際に来ていると、一部の病院では防護服も足りなくなりそうになっているという、声明が出されています。

この状況下でいったい何をしたら良いのかという事を児玉先生に伺いたいと思います。”



今、日本は感染拡大がどうなっているのか


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児玉先生 ”日本全体で感染者が拡大している状況で、日本の中核病院、地域の市民病院、済生会、医療センター、大手の民間病院で次々と院内感染が起こってしまっています。

オリンピックが現実的ではなかったというのがわかってきている。

今、特に注目される医療崩壊の心配というのは、どういう事が起こっているかというと。”

今、日本が直面する医療崩壊の危機

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下記の記事にも永寿総合記念病院、慶應大学病院の院内感染に関する事が載っています。宜しければご覧ください。

https://note.com/nyagonyagonyaon/n/nb0abae820c55

永寿記念病院は4/12の段階で、20人の方がお亡くなりになられ、160人の感染が報告されています。


児玉先生 ”永寿記念病院の困ってしまう所は、一日100人以上の外来患者を診ておりましたから、2月の屋形船から感染が広がり、本当なら3000人以上の方を追跡調査しないといけない。

永寿記念病院は400床あり、救急車が毎晩10台来るような病院で、そこから次々に地域の病院にかなりの人数、転院されている方がいる。

永寿記念病院から慶應病院に転院されて、そこから感染が広がり、研修医の方が18名感染してしまった。

中核病院から地域の病院に感染が拡大してしまっている状態だ。

そうすると来院している患者をもう一度チェックしなおさなければならない。

永寿記念病院から外来に患者が通院に来ると、すぐコロナの検査をしたり、その患者を別の部屋に移動させたりしないといけない。

そういう方が沢山いらっしゃる。”

医療崩壊を防ぐには

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児玉先生 ”上記の写真を見て頂くと、殆ど患者さんがいない状態、お医者さんは一生懸命FAXで処方箋を送ったり「今日は外来が非常に難しいから来ないでくださいと」切り替える電話をしなくちゃいけない。

感染した患者を引き受けたり、重症の患者の対応を準備する為に病床を空けるなど、社会的責任を持ってきます。”

升味さん ”誰もいないような状態になっているが、これは患者を受け付けていないという事ですか?”

児玉先生 ”ですから非常に難しいです。

院内にも入ってるかもしれないという事になりますと、院内感染を防ぐには、全部検査しないと無理です。


はっきり言って、手術も急ぎちょっと停止であるとか、急激に医療が委縮していくといいますか。

外から見ると医療放棄に見えるのですが、実はそうではなくて防護体制を作りなおさなくてはいけないという風に今、なっています。”

金子先生 ”そうすると、お医者さん側としては、弱った患者さんが病院に来て、医療関係者の方達が感染しているかどうかもわからない状況で診察や手術や検査をすると、そこでまた感染が広まってしまうかもしれないという心配もあるから、この形になってるという事でしょうか?”

児玉先生 ”はい。それでですね、武漢で起こった事をここで紹介します。”

東京は助けられるか? 中国のリーダー鍾南山氏は劣悪だった国の方針を1日で変えた

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児玉先生 ”武漢ではSARSの火消しと言われる、83歳の鍾南山医師が実際に武漢に入りました。

非常に素晴らしいリーダーでして、いつもこういう感染が起こると火消し役として出てくる経験をお持ちの方です。

鍾南山医師が武漢に入るまでの状況は今現在の日本にそっくりである。

只、そこからが全く違うのが鍾南山医師は一日で状況を変えた。

武漢のロックダウンと1000人の病床、二つを作るのを提案しました。

1000床の隔離病棟が、わずか10日間で作られ、5万4000人の医療従事者が投入された。

これは、ロイターの封鎖の一幕という事で書かれている事実です。

そうすると、日本はここで転換しないと、どうしようもないという所まできている。

ここで一番大事なのが、WHOが中国と共同調査を行っております。

それで、日本の感染研の先生も参加されています。

膨大なPCR検査と追跡をやって、感染集積地に医療資源を投入する。

それで、非感染集積地は個別の追跡に切り替えて感染集積地を救済する方に向かう。

精密医療に切り替えるわけです。

それをWHOの報告が言っているのに、世界が報告の意味をよく、受け止められなかった。

このWHO報告に従っていた、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシアなどの東アジアの国は一定の抑え込みを示して、既に中国と韓国はピークアウトを示しつつある。”

”日本は現状すごく大変になってるが、政府の方針は自粛、人との接触を避けるこれだけで東京が助けられるかといえば全然そうじゃないと皆、何となく分かっていると思うんですよ。方針転換をしないといけない。”


東京は助けられるか? 日本の4つの課題(1)

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”膨大検査をするという事に間しては段々と異論がなくなってきている。

しかし、只、検査をやるという事ではなく、PCR膨大検査の意味を知らないといけない。

病院を守れ!

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膨大検査を何のためにやるかというと、膨大検査で守って欲しいのは、先ずは基幹病院。

地域の中心になる様な病院で色んな一般医療の中心でもある。

そこの入院患者、外来患者、医療従事者は全員検査をしなくちゃいけない。

沢山検査をやってサンプリングをする。

こういう病院のそれぞれの地域の何人、外来に来て、何人陽性であったか、というのがわかると、実はその地域にどの程度深刻な問題があるかという事がすぐわかる。

検査は何のために増やすのか(1)

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この検査をやる事によって、病院の中のお医者さん達が疑心暗鬼になったり救急を止めるという事をやらなくて済むようになる。

ですから、病院前にテントを張って、普通の外来の方は一日前に病院に来て、検査をやって、翌日診察を受ける。そういう恰好にせざるを得ないと思います。”

”大学や研究所に沢山PCRの機械があるのに、何故、進まないのか?”
”これは萩生田大臣の文科省の政策である。文科省は今、大学などに指示を出して全部閉鎖して「オンラインにしなさい」という事を指導している。



オンラインで大学が機能出来るかというと、教育などは、ある程度オンラインでも大体出来ますが、しかし、出来ないのはコロナウィルスに対する科学技術者を結集する。

要するに遺伝子工学、新しい機械の開発であるとか情報をくしきしてやるという事がオンラインでは出来ません。

例えば色んな情報機関を集めてサーバーを動かしてやって行くだとか、キットを供給したり、鼻のスワブを最近アメリカなどでは、実採取というのが出ているが、こういうのが安全に行えるかどうかなど、そういう作業を大学で基礎の部門でやらなくてはいけない。”

厚労省だけではなく、文科省もかなり、大きく関わっている


金子先生 ”聞いていると、厚労省だけではなく、文科省もかなり、大きく関わっているという事ですか?
一斉休校をやった時もすごく曖昧な指示だったし、検査の問題の時も大学がしっかり、研究体制を全くしていないのですか?”

児玉先生 ”はい。ですから、一番の問題は、こういう何か厚労省が叩かれている時は、文科省の役員というのは不作為に徹します。

何にもしないで責任をとらない。

感染症に対して一番向き合わなくてはならないのは、基礎医学の人達や、機械開発の人たちでして、検査での陽性や陰性などを細かくわける、オフラインでの作業をしなくてはいけない。


このオフラインのウィルスの検査や治療、そういう作業が今、次々とシャットダウンしてます。

そして、今はレベル3というものになっていて、基本的にそういうのをみんなやめなさいとなっている。

それで、レベル4になるとコロナの研究もやめなさいというのが、今の萩生田文科省から出ている指示です。”

”それは、どうしてなんですか?”

児玉先生 ”あの、基本的には今の、ようするに日本のお役所、加藤さんの厚労省や萩生田さんの文科省もそうなんですが、今までと違う事をやって非難されるよりは、なにもやらないで行った方が、安全。

何もやらないで引きこもってしまえば一番安全というのが今の対策です。”


升味さん ”緊急事態宣言を出すというのは、普通の時のやり方ではとても対応出来ないから、宣言するのですよね。

で、日常であれば縦割り行政になっている所を、とにかく誰か緊急に対応するリーダーを決めてあれだけの国家の資源をどれだけ有効に使うかっていう事を誰かが決めてもうごちゃごちゃいうなと、みんなの命を守る為にはこういうシステムにしなきゃいけないんだから、みんな協力しあおうよ。

という風になるのが、本来緊急事態を宣言する意味だと思うんですけどそうはなっていないという事ですか?”


児玉先生 ”それは専門家委員会の中に結局、失敗した人たちばかりがいて、責任をとらない。

それで、遺伝子工学や情報科学を知ってる人がいない。


一つの例を示すと、次に検査を何の為に増やすかと言う事で、私共、ドライブスルー検査という事を言っております。

今、ドライブスルー検査が陽性で軽症な人がいっぱい出て来たら、どうするかという事の提案は国の方ではなくて民間から出てきています。

検査は何のために増やすのか(2)民間の日本財団が検査の為の病床作りに動き出した「船の科学館」

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日本財団が検査の為の病床作りに動き出しています。

この上記の「船の科学館」の様な動きは非常に大事です。

ドライブスルー検査をするなら「船の科学館」の周りは駐車場がいっぱいですし、ここでやったり、色んな所でやっても良いのですが、もしも、軽くて自覚症状のない方は、まずはこちらに来て頂き、そこで多少スクーリニング的に見てどんどん、移して行き、無症状の方はこちらで二週間過ごして頂く、そういう話が民間から出てきているが、専門家会議や厚生労働省から出ていない。

そして、自衛隊医官、ボランティア、移動式のX線写真機や、その他、CTの検査施設なども、非常に急いで集めないといけない。


こういう所にアビガン治験なども集中する。

抗インフル薬でアビガンなども有効かもしれないというのがでだしてまして、それを治験する為に日本政府が世界で輸出を始めていますが、なぜ、そしたら日本で治験を希望する人をやれるようにしないのか。

アビガンが一番効くのは軽症者の方の治療法ですから、ここにそういう事も集中するという様な専門的なリーダーが必須である。”


升味さん ”この日本財団の試みというのは、どなたかがリーダーシップをとって、医療体制を構築してらっしゃるのですか?”

児玉先生 ”いや、まだ日本財団がこういう物を作ろうと提案を始めて色んなお金を出します、募金を集めますというのが進んでいる段階なので、国をあげてこういうのを支えるというリーダーがいないと様々な要請を統合していくのが一番難しいのです”

結局、政府は検査を抑えて状況が分からなくなってる。PCR検査の精密追跡を求む


升味さん ”NHKの特集などでWHOの専門家から見ても日本はやっぱりPCR検査が少なすぎるという事を言っていて、社会的にPCR検査拡大の方向には進んでいるが、政府が動いてる気配は先生から見てもないのでしょうか?”

児玉先生 ”はい。イニシアチブをとって問題を解くのに、今までは結局、検査を抑えて状況が分からなくなってる。

なんかやっても二週間先にはわかるから、ひたすら、クラスター理論でやるという事で、みんなのデータサイエンスをもう一度、実証的な元へ戻って、で、それから今のデータサイエンスで必要なのは旧式のビックデータというやり方ではなしに、今は精密追跡が大事なのです。

今、日本で政府が出てくると、GPSを使ってやるといってもNTTドコモや楽天などを使ってまとまったデータを見るという、だけど感染してない人の動きを見てもしょうがないわけですよ。

世界でやってるのは、感染した人の追跡です。

日本は今回のコロナウィルスの性質を取り違えている。

今回のコロナウィルスは最初に武漢の食品市場から始まり、屋形船や、ダイヤモンドプリンセス号も食事係、いわゆる接触感染のルート、要するに一番多いのは消化管から入るものだが、吐物や便に沢山出てくる。

冬の北海道で見られたように、インフルエンザ型の飛沫などの空気の感染、ですから喚起の悪い寒冷地の狭い部屋で起こるという両方の感染を持っています。

所がこの旧来のインフルエンザ型の感染経路の防止だけで、やってしまったという。

それで今、中国で行われているのはどういうものかというと、コロナGPS追跡というもの。

マレーシアのコロナGPS追跡

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上記の様に匿名化なのでマイナンバーとは紐づけない。”

金子先生 ”色んな情報がリンクしないように匿名化を厳格化するという事ですよね?”

児玉先生 ”その為には安心して管理できる信頼できる責任リーダーが必要なのです。”

社会インフラ支える人の全面支援

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抗体検査を徹底して、普及させよ!

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児玉先生 ”恐らく、この状況が三か月以上続く事になる。

社会インフラを支える人の全面支援と同時に抗体検査を徹底して、普及させていく必要がある。”

升味さん ”この抗体検査というのは新聞で見ますと、ヨーロッパやドイツ、イギリスで目標にしようと進めていて、PCRの検査とはどう違うのですか?”


児玉先生 ”抗体の検査は血液で出来ます。

それで、血液にウィルスが殆ど検出されていないので、比較的、どこの検査室でも出来ます。

それで、実は武漢、ヨーロッパで使われている抗体検査機器は日本製のJSRである。

日本の技術をベースに作られていて、それが、世界中のスタンダードになっています。

抗体を自動化して検査する。
ようするにJSRの化学ビーズを使って、中国のメーカーがこれを機械化してる。

上記のレジュメ内にある、IgMというのは早期ですから、PCRと合わせて検査に使う。

IgGというのが増えて来るとかなり、感染を抑える力が出てくる。

只、まだこれは証明されていませんから、研究が必要です。

所が、今、大学がこういう研究を閉じてしまっているのが問題で、出来なくしてしまっている。

日本発の技術が世界で使われているのに、文科省では全く応援されていない。

閉鎖されて妨害されているのが深刻な事態です。”


升味さん ”日本でも抗体検査に取り組んで早期に解決しようという動きはあるわけですか?”

児玉先生 ”はい。4つの課題をまとめますと。”

東京は助けられるか? 4つの課題(2)

無ff題

ウィルスは変異した!

児玉先生 ”最後にもう一つ重要な問題があります。

昨日、鍾南山医師が国際会議を開催されていて、そこで世界中のデータを集めて恐るべき報告をされました。

私、これはですね大学の研究者を全部動員しないとだめだと思います。

それはウィルスが進化している。

ウィルスの変異のスピードが速くなってる。

それが、悪い方向に進化している。

実は色んな薬の投与が試みられたりしまして、抗生剤の時もよく言われるんですが、そうすると変異のスピードが速くなります。

それで、中国型と違う、ヨーロッパ、アメリカ型というのが非常に増えている。

それでこの第二の波が来ますと、ようするにPCR検査という簡易検査では終わらないで、シークエンスという、一つづつ遺伝子配列をよんでいく。ウィルスを細かく分析する事が、出来ないといけない。

日本はこのPCR検査の能力もすごくありますし、シークエンスの能力もすごくあります。

さらに情報科学のサイエンティストもいっぱいいます。

こういう人たちがみんな、閉鎖されていってオンラインしか出来ない。

リアルの実験とか研究が出来ないというと、これは本当に日本が死んでしまいます。

そこへ向けての国をあげた体制を作る。

その為に鍾南山医師の様なリーダーを選んで早く変えないとこれは、どうしようもない事になってしまう。”

升味さん ”先生の話を伺っていますと、日本は二週も三週も遅れてしまっている様に思います。”

金子先生 ”ダイヤモンドプリンセス号、一斉休校の失敗、そして、非常事態宣言も失敗するでしょう。
そこをしっかりと批判をして、やらなきゃいけない事を特定する事ですよ。
今日みたいに。訴えたい事の動機ですよ。緊急であるという事。”

升味さん ”状況は本当に日々変わってきていて、ますます私たちに迫ってきている危機というのは強くなってる。

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とにかく、一刻も早く今までの感染対策の大本の所から、どうも歩き出した道が間違っていた様に思いますので、これは大きく変えていって、何の為に緊急事態宣言を出したかというと、国難なのだから、日本の総力をあげてこれに立ち向かう様な体制を作る。

ですから、先生のおっしゃる様に大学を閉鎖して、この変異していくコロナウィルスの研究も出来ないという事ではなく、みんながある知識と資源を使って、闘う武器を作っていける状況をなんとしてもとにかく安倍さんもそれから、東京都知事もぜひともこの点を考えて、新しい専門家をリーダーとした対策をとって頂きたいと思います。”


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