ありがとう

羽ばたく想いが光るあの空へ
通り過ぎた春を 連れ去った

あの日
あなたは小さな私を抱きしめてくれて
大きな暖かさに わたし
思わず埋もれてしまった

やがて日々が過ぎ、大人になってしまっても
忘れないだろう

埋もれながらそっと出した手の先に触れた
さらさらと流れる時間と冷たさを
艶やかな新緑の伸びてゆく先に
初夏の匂いが満ちて、胸を染めた事を

大きな私は微笑みながら今も待っている