好きを適切に語ることについて

芸人さんの多くは、ものすごくエゴサをすると聞く。特に、若手芸人さんは、エゴサをしていると公言されているケースが多いと思う。

なぜ、芸人さんはエゴサをするのだろうか?

もし「自分が褒めて欲しいように褒めてくれる言葉」だけを求めてエゴサをしているのだとしたら、ファンとしては、好きな芸人さんが、幸せを感じるような言葉だけを選んで発していたいと思う。

そのためには、その人のことを、もっとよく知らないといけないだろう。
客としてできることは、その人が表現したものを誠実に受け止めて、正しく読解することくらいだけれども。

表現されたものを、ひたすら、丁寧に読んで見て聞く。
そこに表れた、その人を、まるごと受け止めようと精一杯に試みる。

そうすると、私の中から「好き」が溢れてくる。
その「好き」を自分の言葉で拾い上げてみる。
もし、私の言葉選びが適切であれば、それが、その人に届いた時に、私と私が好きな人の幸福が、ちょっぴり増えるんじゃないだろうか、と夢想する。

でも、実際は、「好き」も、見当違いであれば、大好きな人を傷つけてしまう。
その正解は、大好きな人の中にしかないから、自分では、言葉選びの適切さを判断できない。

「好き」を言葉にして表に出した場合、大好きな人に嫌われることもある、という覚悟をもたないといけない。

そして、嫌われたくないのなら、以下の三つの言葉しか使わないのが、たぶん、正解に最も近い。

「好きです」
「楽しかったです」
「面白かったです」

それでもやっぱり。
私は、自分の「好き」を、自分の言葉で拾い上げてみることに、夢を見ていたい。