マガジンのカバー画像

白波の狭間で

4
エピローグを始め、11話完結予定のお話です
運営しているクリエイター

#初作品

白波の狭間で  プロローグ

白波の狭間で プロローグ

左腕に冷たいものが当たった。
目が覚めるととても寒く、全身が痛い。
見渡すとそこはザーザーと力強くも弱々しく潮がうごめく砂浜だ。
さすがに冷たいと朧気ながらに起き上がるとしょっぱい液体が口に入る。
それは海水なのか涙なのかは定かではない。さらに血にまみれ、切り刻まれたかのようにボロボロのTシャツがべったりと肌に張り付いていたがそれには不快感もせず、ただ爽快感というのだろうか。悲壮感とでも言うのだろ

もっとみる