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「現場レベルで求められるIT技術をより身近に」デザイン×マーケティングでIT技術者・企業をサポート!【PEACE NET代表:山本満夫】

New Way Jointは、IT技術者を育てる、かつ山梨県のデジタル化をサポートすることを目的に立ち上げたNPO法人です。2023年11月時点で、立ち上げて4年目を迎える組織であり、新型コロウイルスの感染拡大の終息を迎えつつある今、再出発の準備を進めている最中です。
New Way Jointでは、IT業界の第一線で活躍する講師陣を招いた現場レベルで求められているスキルを学べる講義を提供しています。
今回は、理事の一人である山本満夫(ヤマモトミツオ)さんに、New Way Jointの魅力や今後の展望などについて伺った内容をお伝えします。

「若手のIT技術者のスキルを伸ばしたい」という思いがNew Way Jointの始まり

岩間:山本さん、本日はよろしくお願いいたします!改めて、自己紹介をお願いできますでしょうか?

山本:New Way Jointで監事という役職をさせてもらっております、山本満夫(ヤマモトミツオ)です。山梨県で「PEACE NET」という会社の代表もしております。
主に、ホームページの制作や広告制作、高校や専門学校、職業訓練校でITの講師をつとめています。
「広告制作×経営戦略」をモットーにした、コンサルティングからアフターフォローまでを一気通貫で引き受けられる点が当社の強みです。専門家として、お客様の集客・売上アップのお手伝いをさせていただいております。

岩間:山本さんと僕が出会ったときって、New Way Jointがまだ発足していないときでしたよね?

山本:たしか、甲府市にあるファミレスで「ITに対して何かできることはないか?」とお話ししたのがきっかけでした。
岩間先生も自分も40代後半ということで、いつまでも現場でプレーヤーとして動くよりもマネージャーとしてIT技術者を育てたいって思いがありました。

岩間:とても懐かしいです(笑)

山本:もともと、ほかの先生が講師として勉強会をやっていましたが、面白く講義をして終わるみたいな…。
そのときに、個々でIT技術者の育成を進めるよりも何か一つの組織を作りたいと思ったんですよね。
「組織として形にするためには?」を考えたときに、岩間先生の行動力が必要だと感じて相談した次第です。
あと、自分自身が職業訓練や専門学校の講師をするなかで、限られた授業で即戦力になる人材を排出することや就職先を見つけることに難しさを感じていました。
そのあとのフォローを含めて考えたときに、若手のIT技術者、特に未経験者のスキルを伸ばすことが必要と思い、New Way Jointを始めるにいたりました。

山梨県内におけるIT技術者を取り巻く環境を変えたい

岩間:IT業界って「どう入っていいか」とか「何を求められているのか」などが未経験だとわからないですもんね。山梨県で見ると、ITにまつわる課題も大きいと感じています。

山本:やっぱり、首都圏と比べると山梨県はITやWeb領域で遅れをとっているなと思います。新しい技術や刺激を求める若い学生さんは、東京都に出ていく傾向にありますよね。
New Way Jointの活動を通じて、山梨県に何かしらの形で貢献したいという思いもあります。

山梨県の人口は平成7年を境に減少傾向にある

岩間:山梨県と東京都は近いから、若い人たちが流れていく傾向にありますよね。あとは、選べる業界・職種の豊富さという部分も関係していると感じています。

山本:Web業界に関していうと、山梨県で未経験で働ける環境が少ないように感じます。そのため、東京都へ出て経験を積むことを選ぶ方が多いです。

岩間:専門学校などでスキルを学んでいても、未経験だと働けないことがあるんですか?

山本:知り合いの同業者へ声をかけても、「未経験は厳しい」「実務経験が最低◯年はあってほしい」というように言われることがほとんどでした。言葉を選ばずいうなら、門前払いです。

岩間:IT技術者が必要とされているからこそ、育てて企業へつなげることを実現したいですよね。「New Way Joint」の由来は、「IT技術者を新しい道につなげてあげたい」という思いからでしたし。

山本:おっしゃる通りです。職業訓練で講師をやっていたので、「誰かいい人いませんか?」と声がかかることは多くあります。しかし、紹介すると「実務は厳しいかな…」となるケースが珍しくなくて…。
そこで思うのが、専門学校や職業訓練で学ぶスキルと実務で求められるスキルにギャップがあることです。

専門学校・職業訓練卒業レベルだと、実務で求められるレベルに達していないケースがある

山本:少し厳しいことをいうと、実際にIT業界で働くとなると、専門学校・職業訓練卒業レベルよりも、もう一段落上のスキルが求められるんですよね。
そうなったときに、岩間先生をはじめ、ほかの理事の方が業界で働いているからこそ実務で求められるスキルを提供する場が必要だと思うんです。

現場で通用する「デザイン×マーケティング」を広く学んでほしい

岩間:改めて、New Way Jointで山本さんが講義している領域について教えていただけますか?

山本:自分が教えられる領域でいうと、デザインやWeb領域です。

具体的には

  • イラストレーターやフォトショップなどのデザイン関連のソフトの使い方

  • 業界で求められるデザインのルール

  • ホームページ制作やマーケティング支援

  • マーケティングの考え方

  • HTMLやCSS、WordPressの構築の仕方

などですね。

あとは、広報活動のような部分を教えることも可能です。簡単にまとめると、Web集客にまつわる部分を幅広くレクチャーできるといった具合です。

岩間:特に、これからはマーケティングは絶対に学ぶ必要がある領域ですよね。山本さんの講義のようにマーケティングとWeb×システムを一緒に学べる機械って少ないからこそ魅力的だと思います。

山本:自分の場合、広告代理店での経験があるため、「広告で効果を出すためには?」という部分に着目します。その際に、会社の特徴や強み、周囲の状況を知っておかなければ、作りっぱなしで成果が出ないことがあるんです。
マーケティングの観点では、「自社のサイトを見てもらうためにはどういった戦略をとるべきなのか?」といった部分が欠かせません。そこを教えてくれる人はなかなかいないため、せっかくであればNew Way Jointの活動を通じて学んでほしいですね。
サイトを作るのであれば、集客にコミットできるものをお客様に提供してほしい思いが強いので。

最終的には独立できるレベルのITスキルを身につけてほしい

岩間:New Way Jointでは、どのような思いで講義をしているのでしょうか?

山本:「実務レベルで求められるスキルが身につくように」という思いで講義をしています。IT業界の企業では、自分で考えて成果物を作れる人材を求めています。
例えば、イラストレーターやフォトショップの操作を学ぶのであれば、YouTubeや書籍を見るだけで十分かもしれません。しかし、実務レベルとなると「わからない」「できない」という方が一気に増えてしまうんですよね。
起業まではしなくていいものの、独り立ちできるレベルのスキルを持つIT技術者を一人でも多く増やすことが使命だと思っています。

岩間:IT業界に20年以上携わる僕から見ても、IT技術者が独り立ちできるスキルを身につけることは最終的に目指してほしい部分です。

山本:だからそこ、これからIT技術者としてスキルを伸ばしたい方には、学習意欲を持ってほしいですね。いわれたことをやるだけでなく、帰宅後に学んだことを復習するといったように。
現在、2〜3人のスタッフを抱えていますが、「こういったものを作りました」「山本さんから見てどうでしょうか?」といったように積極的に学んでくれています。学習意欲が高いメンバーは、総じて努力した結果が成果物に結びついている印象です。

岩間:ITについて積極的に学ぶ人が増えて、業界だけでなく山梨県を盛り上げたいですよね。

山本:特に、リスキリングやDXの話になると、「山梨県は遅れている」といわれることが多くあります。その原因について調べると、山梨県内にIT技術者が不足している、IT技術者がいたとしても、企業が求めるレベルに達していないといった問題もあります。
近年は、パソコンの機能が上がったり、優れたアプリケーションが出たりしていますが、結局のところ活用できる人がいなければ何も意味がないので。
「山梨県がITに強くなるためには?」という部分を考えると、パソコンやアプリケーションなどを使いこなせる人を増やすことが欠かせないと思います。

岩間:これからNew Way Jointで進める「山梨シリコンバレープロジェクト」では、山梨県内にもITに強い人材がいることを広く認知してもらいたいですね。

山本:私自身、山梨県のとある企業でDX推進を行っていますが、最終的には「東京都にある大手のシステムを導入しませんか?」という売り込みになるケースがほとんどです。
もちろん、システムそのものはすごく優秀ではあるものの、山梨県の中小企業に合っているものかと問われると、オーバースペックなところが否めません。
そう考えると、山梨県の企業にあったシステムを開発できるIT技術者がいれば、よりリスキリングやDXが進むと思うんですよね。山梨県発でシステムのコンパができても面白いのではと思っています。

岩間:現状、山梨県の企業が東京都のシステム会社へ依頼して、山梨県で活動する僕たちのようなIT技術者へ仕事がくるといった変わった流れがありますもんね。

山梨県内での直接的な受発注は少ない傾向にある

「第一線で活躍するプロからわかりやすく学べる」ことがNew Way Jointの強み

岩間:New Way Jointの強み・特徴はどこにあると思われますか?

山本:New Way Jointを立ち上げた理事のメンバー全員が、実務経験を長年積んでいる、かつ業界について知っていることです。それに加えて、専門学校や職業訓練で講師をした経験を持っている点も挙げられると思います。
ソフトの使い方をただわかりやすく教えることで終わるのではなく、実践的な活用の仕方や現場で求められているスキルをレクチャーできる組織ってなかなかないですしね。
その点、New Way Jointの講師陣でいうと、「教える技術+現場で培ってきた知識・経験」があると感じています。第一線で活躍している講師陣から学べる機会は、首都圏を探しても少ないのではないでしょうか。

岩間:IT業界でいえることで、難しい用語を使うと受け入れてもらえなくなりますもんね。わかりやすい言葉で伝えていける点は、たしかにNew Way Jointの強みといえそうです。お客様にとっては、わかりやすくITを学べることが魅力になりそうですね。

山本:極端な話、専門用語を噛み砕いて説明できるからこそ、「これからITに力を入れたいんです」という方でも勉強しやすいのではないかと感じています。
あとは、ITが難しいと思われる業界だからこそ、積極的に学べる環境づくりにも力を入れています。

AIやロボットが登場しても教育現場で求められることは変わらない

岩間:近年は「生成AIの登場により教育現場にも変化が訪れるのでは?」と言われています。そのあたりはいかがでしょうか?

山本:結論、教育面はこれからも人がやっていくべきだと思いますし、AIやロボットにできないことの一つが人材育成ではないかと考えています。
11月5日にNew Way Jointで開催した第一回目のAI講座でも感じましたが、生成AIの登場により新しい産業革命(第四次産業革命)が起こったことは事実です。
AIやロボットにプロンプトを入力するだけで、制作したい成果物がわずかな時間で作れますし。

岩間:生成AIの登場で、業界に激震が走ったことを今でも覚えています。

山本:しかし、教育という部分に目を向けると、受講生の学習ペースやレベルに合わせて人がやっていかなければなりません。
AIやロボットに教育を任せてしまうと、受講生によってスキルの習熟度にばらつきが生じてしまうでしょう。また、その人が持つクリエイティブな発想が失われてしまうことも否めません。

岩間:改めて、我々講師陣の教え方や受講生との接し方が、より重要になってきそうですね。AIやロボットには難しい人にしかできない価値を生み出しながら、人材育成を進めていきましょう。

New Way Jointの宣伝部長としてもっと活動を広めることが私の役目

岩間:現在、新型コロナウイルスが終息しつつある状況で、New Way Jointは再出発しようと動き出しているところです。山本さんがNew Way Jointでやっていきたいこと、今後の展望などはありますでしょうか?

山本:リスタートをするなかで、自分たちの活動をより広げていきたいという思いが一番です。
自分が実務作業をすることはもちろんありますが、メンバーを増やしつつ、宣伝部長として広報活動を進めていきたいと考えています。
どちらかといえば、自分が外向きのタイプなので、New Way Jointの活動を広く知ってもらう部分に注力するほうが得意なのかなと思っているところです。

岩間:広報活動は本当にすごく助かります!まずは知ってもらうことが重要だと感じているので。今回のイベントもNew Way Jointについて知ってもらうことが大きな目的ですし。仕組みとして自信を持って面白い組織と強くいえますし、ゆくゆくは山梨県を盛り上げていきたいですよね。

山本:おっしゃる通りです。そもそもITについて触れる機会が少ないからこそ、山梨県のいたる場所で「何が必要なのかわからない」「どのようなことができるのか知らない」といった状況になっていると思います。
別の活動にはなりますが、地域の小学校でペッパーくんを使ったプログラミングの授業をした際に、「来年もぜひやってください」という声がありました。
ITに関して「何ができるのか」「どのようなことを学べばよいのか」という需要は、山梨県内に間違いなくあると感じています。

岩間:改めて、学生にも知ってもらいたいですよね。そこは、今後注力する分野としてまたお話しできると嬉しいです!

何か始めたいと思うなら、一歩踏み出すしかない

岩間:最後になりますが、New Way Jointに関わるか迷っている方へ何かメッセージをいただけますでしょうか?

山本:「気になっている」「迷っている」というのであれば、まずは私たちと話をするだけでも何か見えることがあるのではないかなと思っています。
普段講義をする際に、生徒さんには「何もやらなければ何も始まらない。何か始めれば必ず結果は出る」と伝えています。結局、行動しなければ何も起こらないので。
New Way Jointに入る・入らないは別として、まずは、私たちと話をすることで一つの結果が出ると思います。何もしないよりもやったもん勝ち、動いたもん勝ちではありませんが、まずは、行動するきっかけをNew Way Jointで見つけてもらえると嬉しいです。

岩間:そうですね。一歩踏み込んでもらうことが一番早いなと僕も思います。本日はありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。

山本:こちらこそ、ありがとうございました!ぜひとも。