『僕らのしぼう動機』は難しい
Twitterに書こうと思ったけれど、Twitterは流れやすくて見返し辛いからここで悩みを整理することにした。
僕らのしぼう動機は難しい。
他の
『君との距離』
『なんだか素敵な悪役会議』
はそこまで悩まないけれど、この漫画だけ異様に頭を悩ませる。異様に頭を使う。ズバ抜けて制作の難易度が高い。
自分が主に悩んでいるポイントは以下の4つ。
①健常者視点が抜けやすい
②ギャグが分かりづらい
③フィクションと正確性のバランス
④誤解や偏見を助長している可能性についての責任
一つずつ整理していこうかなと思う。
①健常者視点が抜けやすい
これは言い換えれば
"客観性がない"
ってことだと思う。
自分は精神疾患者だから、どうしても精神疾患の知識がある前提で漫画を描いてしまう。描いてる人が精神疾患者だから
「私はこれ知ってるよ。双極はこういう病気だよ。あなたも知ってるでしょ?」
みたいにどうしてもなりがちだ。
だから健常者だった時の気持ち(精神疾患の知識が一切なかった時の気持ち)が分からない。思い出せない。その時の視点がもう無い。
例え話をするならば職場のベテランが、職場のルールや流れを一切知らない新人さんに仕事内容を教えるような感じ。
何も知らない初心の頃を忘れているから、新人視点が抜けがちになる。
自分の漫画を読んでいる人は精神疾患者ばかりじゃない。むしろ少数だと思う。
読者の中には双極性障害や不安障害、パニック障害、発達障害について1mmも知らない人だって沢山いる。(なんなら同じ双極でも人によって症状は違うから
「この症状は自分には無いなぁ。分からないなぁ」
って人も当たり前にいる)
これはすごく悩む。
すごくすごく悩む。
どうしたらいいか悩んだ結果、
「裏あとがきで精神疾患のことを全く知らない人が分かるように解説を書く」
ことにした。
もう本当に、精神疾患のせの字も知らない人が読んでいる、ということを念頭に置いて書けば、健常者は置いてけぼりにならないんじゃないかと思う。
※本編の内容を健常者が分かるように作り変える案もあった。解説役を入れるとか説明的な構成にするとか。
けどそれだとテンポが悪くなるし、そっちに意識を向けると当事者向けの濃度が薄まる(解像度が下がる)ような気がしてやめた。
狙いたいところにピンポイントに狙えてなくて、結果中途半端になる……みたいな。(これ伝わってるかな?!泣)
個人的には難易度がかなり高いが、意識すれば上手くいくと思う。投稿前のチェックリストに入れて見返せば忘れないんじゃないかな。(なんなら健常者に読んでもらって意見を仰ぐのもアリ)
②ギャグが分かりづらい
これはシンプルです。
面白いと思ってた回が
後から読み返すと
クソ寒い時がある(^∇^)
これは若干言い訳になるけれど、自分は躁フィルターというものがある。
言い換えれば深夜テンション。
深夜テンションって基本的に何見ても楽しい。
通常の時では面白いと感じないモノでも、深夜だと面白く感じてしまう。ある種の錯覚。
これたまったもんじゃねぇよ
(#゚Д゚)ゴルァ!!
自分の場合は双極があるから、昼夜問わずにこの深夜テンション(躁フィルター)が来る。とても困ります(^∇^)
これは一旦寝かして後日判断すれば良い。(個人的にこの躁フィルター、ギャグ漫画描く時はかなり邪魔になるww
これ双極特有の悩みなのかな?
それとも全・創作者共通のあるある?)
それ以外のシラフの時に描いた話は、都度振り返ってどこが面白くないか分析して、少しずつ成長していけばいい…かな…?
ただ、それとは別の悩みがある。
自分はちょっと捻った、落語みたいな、小噺みたいなジョークが好きだ。
けれどイマイチ上手くいってないような気がする。
というよりどこまでセリフを足してどこまでセリフを省いていいのか迷う時がある。
あまりにも説明的すぎると冗長でカッコ悪いし、かといって省きすぎ・飛ばしすぎると足りてなくて伝わらない。
推敲の塩梅が難しい。
そして自分の漫画の反応は主にコメント欄で分かる。
けれどどこの、どのシーンが面白かったか細かく書き込む人は稀だと思う。(てか私も他人の漫画の感想描く時そこまでいちいち書き込まないw)
だから
「これあるあるネタだと思うんだけど、ちゃんとあるあるになってるかな…?共感してもらえてるのかな…?」
「このネタのオチウケてんのかな…滑ってんのかな…そもそも伝わってるのかな…」
というのは他人の言及がない限り、分からない。
(漫才なら目の前に観客がいて笑いが起きれば成功、起きなければ失敗って一発で分かりやすそうなんだけどな…。それはそれでしんどいけど…w)
※ただ面白くなかったから誰も触れてない、という可能性も充分にある(^∇^)
これはもう、解決方法はシンプル。
誰かに
「ねぇこのネタ分かる?意味伝わってる?」
「意味は伝わってるのか!なら面白い?」
ってダイレクトに聞けばいいかな、と思う。
むちゃくちゃ恥ずかしいし
勇気いるけど(泣)
③フィクションと正確性のバランス
これも…………悩む…(ずっと悩んでる)
結構正確性に欠けるところ、あると思う…。
例えば双子は
双子(下)→双子(上)
つまり
鬱状態→躁状態
に切り替わる描写があるけれど、私の場合、鬱から躁に急に変わることって無いような気がする。
あと躁状態から鬱状態に落ちる時があるけれど、漫画で描かれているほど急に切り替わらないような気がする。
他にも双子が派手な格好をする回があるけれど、あれはギャグ的な面白さを狙ってあんな格好にしているだけで、本当にあんな格好をする人は稀だと思う。てかいないだろ。(ちょいと盛りすぎた)
そして何より双子は双極性障害(Ⅰ型)で、多重人格(解離性同一性障害)ではない。
けど多重人格(解離性同一性障害)みたいな描き方をしている。
これは単純に
「双極って……なんか多重人格に似てない……?
躁状態や鬱状態の記憶ない時あるし、躁の尻拭いする時は他人の尻拭いしてる感じするし…自分の中に3人の人間がいる感じがする…」
と感じたからこういう描き方になった。
あとこれは当事者にとっては大変失礼な話なのだが、昔から漫画に出てくる多重人格キャラが好きだからそういう描き方をしている部分もある。
(これはなぁ……泣
フィクション的な好みを優先したけど、私のせいで病気を間違えて認識されたら良くないんじゃないかと思い今でも悩んで答えが出ない…)
ちょっと話が逸れました。
話を戻すと、病気の情報の正確性に対しては
「あくまでこの漫画は病気の存在を知ってもらう、興味を持ってもらうきっかけ程度に捉えてもらい、正確な情報は本なりサイトをみるなりして得て欲しい。漫画の内容を100%鵜呑みにするのは危険」
と表記することにした。
……少し逃げの姿勢かなぁ。
④誤解や偏見を助長している可能性についての責任
もしかしたらこれが1番頭を悩ませてる問題かもしれない。
例えば双子(上)は躁状態でよくイライラしてキレてるけど別に全ての双極患者があんな風にキレる訳じゃ無い。
あとこれは後で描く話だけれど、性的逸脱行為、具体例をあげるなら知らない人とワンナイトしたり、そんなキャラじゃないのに急に異性をナンパする行為も誰でも起きるわけじゃない。
ただでさえ精神疾患は偏見や誤解が多い世界で、それで苦しんでいる人が沢山いる。
もし自分がそれに加担しているのだとしたらそれはとても申し訳ない。
「え?!
ここまで悩むなら公開するのやめれば良くね?!
安泰な漫画を描く技量がないならば、公開するのを控えるべきでは?!」
とも考えたけど、それはちょっと違うかなと。大体どこまで技量を持てば描いて良いのかのラインもよく分からないし。
そしてこういう漫画を自分は読みたい。
「こういう漫画があったらいいのに…読みたいのにな…」
を叶えるために描いているから、それはなるべく避けたい。
これをどう対処すればいいか悩んだ結果、脚注を本編内に入れることにした。
(例:第10回の双子小ストーリーのキレるシーン)
これはこれで体裁が悪い。
フィクションの世界に浸っていたのに急に現実世界に戻されたような、興醒めするようなことをしているのではないかと不安になる。
どうしようかなぁどうしようかなぁ(稲川淳二風)とかなり悩んだけれど、他の人に迷惑をかけるリスクを考えたらこれが最善かな、と判断にしてこの形にした。苦肉の策。
とりあえずはこれで様子を見てみる。
ダメならまたテコ入れする。
以上が悩んでいる内容だ。
基本的に、躁津双子で悩むことが多い。
本当にこの漫画は難しい。
難しい。
正解が分からない。
てか内容が暗いから
書いてるこっちまで陰気くさく
なる(^∇^)
(なら描くのやめちまえwww)
調子の良い時に描けば良いとも思ったけど、ぶっちゃけ調子良い時に描いても描いてくうちにだんだん鬱になる\(^o^)/
まぁとりあえず自分が色々考えて悩んだ記録を形にして残したいな、と思いこんな長ったらしい記事を書いてみました。
本当長くなりましたが常に振り返って反省点を見つけて、次に活かせるように頑張りたいです。
考えすぎて死なない程度に(^∇^)
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