布団を干してる人

15年ほど前　半年に一度東京へ行っていた。
仕事の研修だったのでシフトによっては日帰りだったり前泊、運が良ければ後泊。

泊まるのはいつも品川プリンスホテル。
閑散期なのでホテルが空いてるとツインの部屋にしてくれた。

東京に住んでる祖母や兄夫婦に会って食事したり
上京した友達に会ったり出来るのも嬉しかった。
品プリの下のテラス席でお酒とピザを頼んだりしたくらいで
あんまり冒険はしなかったのが悔やまれる。
変な真面目さが邪魔をして、観光じゃないんだからと自分を縛っていた。
もったいないとしか言いようがない。

一度だけ仕事も兼ねて代官山や丸ビル、渋谷東急、川崎ラゾーナに見学に行ったくらい。

いつも朝イチの便の飛行機に乗って行っていた。
飛行機から降りて最初に乗るモノレールが大好きだった。
空を飛ぶ鳥の目線のような高さ。
カーブが特に好きで。
ぐるーっと曲がる一瞬、近隣のマンションにかなり近づく。
朝日の当たるベランダで布団を干すひとが見える。

自分にとっては非日常だけど
このマンションに暮らす人たちはこれが日常。

東京…って、一番感じる風景がそれだった。

今年お葬式で東京に行ったけど
移動はすべて兄の車に乗せてもらえたので
アレを味わえなかったのが少しだけ、ほんの少しだけ残念。

いつかいつかと言ってるといつまでも行けないんだな、行かないんだな。と残念なことに気付いた。

会いたいやりたいは無茶でももがいてでもやらなくちゃ無理なのかもな。

いろんな人のこの頃をみてて、改めて思った。

まずは貯金。話はそれからだ。

でも、文章で…という気持ちはかなりもう諦めてきてます。実際。
頑張らなかった自分だからこそわかる。
だから、地道にコツコツ。頑張る。
頑張ります。