第22話 山梨⑩ 炉端焼き〜別れの挨拶

昼食会場までは、
大型バスと自家用車で
それぞれ移動した。

私は自家用車で参加していたので、
ナビを頼りに運転した。

昼食会場は、
炉端焼きのお店だった。

私は初めての体験だった。

野菜、肉、海鮮など、
様々な具材を炉端で焼いて食べる。

各テーブルに、
大きな鍋でほうとうも用意されており、
鍋の近くに座っていた方が、
私の分もお椀によそってくれた。

私の目の前は少し火が弱く、
焼くのに時間がかかってしまったが、
なんとか完食。

楽しかった時間はあっという間に過ぎ、
解散の時が近づいていた。

まずはバスで帰る人たちが、
メンバーと別れの挨拶をし、
順番にバスに乗り込んだ。

みんな、窓から手を振り、
バスは新宿へと出発して行った。

そして私たち、現地集合組みも、
順番に並んで、
メンバーに挨拶をさせてもらえた。

最初はけんちゃんだった。

けんちゃんはまた、
最後に私の名前を呼んでくれた。
かたい握手をしてくれた。

そしてまなんちゃん。
「次はライブでね！」
と約束。

次はあいちゃん。
いっぱいお話しできて嬉しかった。
必ずドラム姿を観に行くからね。

最後はだいちゃん。

正直、だいちゃんは、
ラジオで毎週
静岡県に来てくれているので、
会おうと思えば、毎週会える。

もちろん、行くのも行かないのも、
自分次第だけれど。

ただひとつ、確かなことは、

だいちゃんが別れ際に、
「また会いましょう！」
と言って、握手をしてくれたことが、
その後の私のファン活動の原点となっている。

私はその時確信したのだ。

私は必ずまた会いに行く。

だいちゃんに、会いに行く。
ニコルズに、会いに行く。

私はこの旅行で、
ニコルズのことが大好きになった。

この別れの挨拶の時、
私はメンバー全員に、
「これからはライブに行きます！」
と宣言した。

その後は、静岡県内にニコルズが来る日は、
(例外もあるが) ほぼ必ず、
会いに行くようになった。

【山梨編・完】

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