見出し画像

松下幸之助も信仰した伝説の龍神

古来より日本人は自然に対して、神格化をする傾向がありました。太陽や海、水や雷などの自然だけに留まらず、人物の一人を神格化することもあります。

付喪神(つくもがみ)という神様もいるように、長年使う道具にも神々を見出しました。そうした無数の神々を「八百万の神々」として崇める風習がありました。

そんな神々の中で、龍に関係する龍神様の「善女龍王(ぜんにょりゅうほう)」のお話をご紹介いたします。

日本を代表する実業家であった松下幸之助氏の邸宅にはこの神様が祭られているそうです。

善女龍王


天長元年(824)の春の事。

長い間雨が降らずひでりが続いて庶民が苦しんでいました。
そのため時の天皇が、その神泉苑にて雨乞いをせよと、西寺の「守敏」と東寺の「空海」に祈雨の習法を命じました。

まず、西寺の守敏が7日間雨乞いをしました。
ほんの少し雨が降っただけでした。
次に空海が7日間の雨乞いをします。
しかしまったく雨が降りません。

おかしいと空海が法力で調べると、なんと、守敏の仕業で全国すべての龍神が水瓶に閉じ込められていました。
しかし唯一、「善女龍王」だけは守敏の呪力から逃れて、天倖(北インド)の無熱池いることが分かりました。

そこで空海は、さらに2日間の延長を願い出て、善女竜玉を神泉苑に呼び寄せました。

そして、祈雨の修法を行ったところ、長さ9尺(約2.7メートル)ばかりの金色の龍が姿を現し、たちまち雨が降り始めました。

しかも、その雨は3日3晩日本中に降り続いたのです。

善女龍王のご利益は「五穀豊穣」で、物質的に豊かな暮らしの実現を支援してくださるそうです。

どうぞ、実りある豊かな一年をお過ごしください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?