自転車をこぐ時、隣にはいつも猫がいた。
私が自転車に乗れるようになったのは、小学生の頃でも中学生の頃でもない。成人して母とオランダに行った時のことである。
オランダは自転車大国なんて呼ばれるほど、自転車が交通手段として最も多く使われている。私たちが主に滞在していたのはフローニンゲン(Groningen)よりもさらに北のワルッフム(Warffum)という、入国審査官にすら「どこそれ?」と聞き返された田舎だが、そんな田舎でさえ自動車用・歩行者用と並んで自転車用の道が用意されているぐらいである。
そのような自転車大国