第1回公認心理師試験 問題1と解説

問題1

サイコロジカル・ファーストエイドを活用できる場面として、最も適切なものを1つ選べ。

① インテーク面接
② 予定手術前の面接
③ 心理検査の実施場面
④ 事故現場での被害者の救援
⑤ スクールカウンセリングの定期面接

解説1

サイコロジカル・ファーストエイド(心理的応急処置)とは、災害・紛争・犯罪などに巻き込まれた人々に対して、心理的な保護を行い、これ以上の心理的な被害を防いだり、様々な援助のためのコミュニケーションを促進したりすることを目的とした働きかけのことである。現実的な状況を踏まえた連携が重視されている。

兵庫県こころのケアセンター(http://www.j-hits.org/psychological/)によると、核となる介入は、以下の8つである。
1. サバイバーに近づき、活動を始める
被災者の求めに応じ、共感的な態度で手を差し伸べる。
2. 安全と安心感
安全を確保し、被災者が休めるようにする。
3. 安定化
混乱を沈め、見通しが持てるようにする。
4. 情報を集める:ニーズと心配事
今必要としていること、困っていることを把握する。それを踏まえ、PFAを組み立てる。
5. 実際的な援助
現実的な支援を行う。
6. 周囲の人々との関わりを促進する
関わりを促進し、関係が長続きするように援助する。
7. 対処の方法に関する情報
ストレス反応と対処の方法について伝える。
8. 他の支援事業を紹介する
必要なサービスを紹介し、引き継ぐ。

①〜⑤のうち、サイコロジカル・ファーストエイドに関するテーマは、具体的には、災害・紛争・犯罪などに関する選択肢は、④のみなので、正解は④となる。

なお、ファーストエイド(first aid)のエイドは、バンドエイドのエイドと考えると覚えやすいかもしれない。本当はP&Gの商標だけど。

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