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「雨曝しの三竦み」ライブレポート

この記事は2024年6月1日に行われたVRロックバンド3組の対バンライブイベント「雨曝しの三竦み」のライブレポートです。

①BLUE RACCOON

本ライブのオープニングアクトは2023年結成の4人組オルタナティブロックバンドBLUE RACCOON。もう1年以上の活動期間となる本バンドだが、今回のライブで1カ所変わった点があった。それはVo/Gtのオズワルド氏がフルトラでの演奏になり、メンバーの半数にライブ中の動きがついたこと。
優劣をつけがたいが、VRで演奏して臨場感を出すか、デスクトップモードで演奏してより音に集中するかの話があり、ここでオズワルド氏は前者のスタイルを試みたということが見て取れる。
ライブ後にオズワルド氏が「やっぱVRで演奏した方が観客が見てる感じがするね」と話しているのも耳にしたので、出演者側から見ても臨場感があるようだった。

この臨場感とクオリティの話では、かつてComet*DustsのKooTA氏が楽曲ごとに全身のアニメーションを作って、デスクトップモードで演奏しながらも動きのある演奏形態をとっていた話もある。観客側からみた臨場感はアニメーションのクオリティも高く、VR演奏と同じかそれ以上あったと感じるが、今のKooTA氏はVRを被って演奏するスタイルとなっているため、出演者側からもライブの臨場感を感じたいという思いはあるようだ。

とはいえ、VRを被りながら楽器を演奏する難易度は高く、MIDI信号からアニメーションを再生する演奏ギミックも定着しつつあるので、デスクトップ演奏に対して動きが物足りないと思うことは少なくなっている(と思うのだがどうだろうか)。
(ちなみにこの辺りの話は別にVRChatで演奏するならとかそういう話ではなく、それぞれに一長一短があるので、私としてはどちらでもいいかなと思っている)

話をライブ本編に戻すと、今回のライブは新曲も披露され、オリジナル曲5曲(?)とCover1曲のセトリとなっていた。サタデーナイトサテライトは中毒性も高くイントロから盛り上がれる一曲。いつものジャガイモ揚げ機の音が聞こえたので「ポテトフライ」が始まるのかと思ったら、同じメロディーラインの新曲の初披露を挟んでの「ポテトフライ」だったところはBLUE RACCOONのライブによく行っている身からすると意外性を突かれた。Coverで演奏されたのはVRChatのシンガーソングライターてれかす氏の「ぶいちゃでいちゃいちゃ」、オズワルド氏いわく個人的なアンセムだそうで、ライブの度に演奏されている。また、ライブの前日にYouTubeに公開された「雲底」もBLUE RACCOONのロックのちょっとした渋さみたいなのを感じて個人的には好きである。オズワルド氏のMCの独特の言い回しとかも割と好きで、センスのあるかっこよさだなと思っている。今回もいいライブだった。

②PHANTOM

2組目は今VRChatで最も勢いがあるといっても過言ではないロックバンドPHANTOM。今月は6月14日にもVRライブの予定があり、8月にはReal Vketの出展と2回目のリアルライブも控えている。
PHANTOMの楽曲の特徴は2000年代ぐらいの邦ロックがにじみ出ており、特にライブで映える印象がある。個人的にはau(KDDI)の音楽配信サービスLISMOのCMソングで使われているようなイメージを持っているが、PHANTOMの結成は2021年、令和最新のVRバンドである。
今回のセトリはオリジナル曲を5曲、安定のPHANTOMという感じだった。最近はライブのトリで出演することも多く、ラストかアンコールでデビュー曲のしらはえを演奏するという流れが多かったが、今回のライブでは後ろにLAUTRIVも控えているためセトリ1曲目に持ってきていたのが、少し異なっていた。
途中のMCでは今回のライブがLAUTRIV現体制最後ということに触れ、卒業メンバーがいるVRバンド先輩としての一言を添えて別れの歌「さつき」へへと繋げていた。この辺りの粋なかっこよさもまたPHANTOMの魅力だと思う。

③LAUTRIV

トリは今回が現体制最後のライブとなるLAUTRIV。というのも、Gtの緋弦かづさ氏が個人活動への専念するため今回のライブを最後に脱退となったからである。
それに伴ってアイリス以外の緋弦かづさの制作楽曲のライブ演奏も今回が最後となっており、会場にはLAUTRIVの現体制最後のライブを見ようと多くの観客で満たされていた。

ライブ本編の開始前にVoゆめ心中氏のSteamVRが数分で落ちるトラブルが発生しどうなることかと思ったが、ゆめ心中氏のLive2Dをスクリーンに映す、驚くべき発想でのライブ出演となった(おそらくこの出演方式ができるのは他には不眠症女くらいのものである)。

今回のライブは今後演奏されなくなる楽曲を中心に演奏され、アンコールに初オリジナル曲の「存在のメロディ」を持ってくるセトリとなっていた。
この「存在のメロディ」が初演奏されたのは2023年7月22日のLAUTRIV FEST Vol.1、LAUTRIVの初ライブの一番最初に演奏された楽曲であった。

そしてこのLAUTRIV FEST Vol.1の会場は今回の「雨曝しの三竦み」と同じBAR ACHORD。つまり最初と最後が同じシチュエーションで繋がる、文脈的にとてもエモい演出だった。

LAUTRIV FEST Vol.1 LAUTRIVの初ライブの時に私が書き残したメモ
セトリに加えてMC内容も残っている。

LAUTRIVのライブといえば水飲みタイムに緋弦かづさが行う水の雑学紹介も楽しみの一つとなっていたが、今回のライブでそれも見納めということで、最後にふさわしく地球規模での水雑学となっていた。

緋弦かづさ氏の今後の活動としてはSax.初吹音さき氏とのインストユニット「NAGISA lab.」の本格化などを予定しており、機会があればLAUTRIVとの対バン等もしてみたいとのことだった。LAUTRIVからは脱退するもののVR音楽活動は引き続き行っていくようだ。

LAUTRIVも、まだまだ続けていくぞ!という意気込みが感じられ、第2シーズンに向けて動いていくような華々しいライブの締めくくりとなっていた。なお、翌日にはX(旧Twitter)にて新アー写の発表も行われていた。

集合写真

ライブ後にはVRChatのライブらしく集合写真の撮影があったり、個人的にツーショットを撮ったり、ライブの感想を言ったりしていた。ライブ後に人が少なったタイミングでゆめ心中氏がVRChatに再ログインするチャレンジをしていたが、またしても5分程度で落ちていたので超急ぎで4人の写真を撮っていた。

固まったゆめ心中氏を囲んでの写真撮影

LAUTRIVの4人体制でのVRライブは1年にも満たない期間だったが、私はVRCでのライブは全通しているのでちょっとだけ思い入れが強く、3人組になっても続いて追いかけていけたらな~とは思っていたりする。今後は緋弦かづさとLAUTRIVそれぞれの道を歩くことになると思うが、私はどっちも好きなので引き続き応援したい。以下は適当に撮った写真たちを貼り付ける欄。

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