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(読み切り)僕の親友は不法滞在32 ~失踪するベトナム人~


このようなニュースがあった。

無題

2021年6月13日「朝日新聞」の記事。
外国人の実習制度を監督する認可法人がこの度、失踪者が多数いるベトナムの送り出し機関5社からの受け入れを停止するとベトナム政府に通知した。

この5機関は460社ある送り出し機関の5つであり、他の機関よりも失踪者が3倍以上であるためらしい。

失踪者数は2019年約9000人、うちベトナム人失踪者は約6000人。
実習生は41万人、ベトナム人は21万人。以前は中国人が圧倒的多数だったが、今はベトナム人が逆転して、半分もベトナム人となっている。そして、失踪者はベトナム人は失踪者の7割がベトナム人ということだ。

つまり、実習生といえばベトナム人、失踪者といえばベトナム人ということになる。

どうしてこれだけベトナム人は失踪するのか?

これは根本的なことが問題だ。

まず日本側。日本政府は「移民政策はとらない!」と日本国民には発言している。しかし経済界には「移民労働者を増やしますよ。実習生という名の移民労働者をね。」という二枚舌を使っている。経済界は人手不足の解消策として外国人労働者を増やしたく政府に圧力をかけている。
 これがまずいのは「移民保護法」のようなものが作れないってこと。あくまでも技能の実習の生徒を低賃金で技能を教えてやってるんだというスタンスになりがちになる。技能実習生というのは名ばかりで、実際は出稼ぎ労働者だというのは誰でも知っているのに。
そしてこの実習制度は雇い主が陰に隠れて、実習生に対して何をやっても分からない所が大問題だ。
 実習生に暴力をふるっても、賃金を支払わなくても、酷使をしても、休みがゼロでも、何をやってもお咎めを受けることは少ないということ。
 実習生は日本語がペラペラじゃなくやってくるので、自分の意見が言えないし、訴えるべきところに訴えることができない。
 というか、訴えるべき所がない。実質、警察も労基署も外国人技能実習機構も実習生を救うことはしない。あるいは百歩譲って救いにくい。
 だからこそ移民保護法のような法制度が必要なのです。雇用主への的確な監視と罰則(ペナルティ)、実習生への援助と救済。特に今必要なのは勝手なことする雇用主へのペナルティが与えづらいこと。これまた日本の性善説に立って悪い奴が蔓延る温床となっている。

そしてベトナム人側にも問題がある。
一獲千金を夢見て日本にやって来ることだ。

実は僕の親友Hの姪が性懲りもなく来日してきている。
僕は絶対逃げるなと口を酸っぱくいい続けた。
九州の港町のスーパーで働くことになって働いていた。
しかし、当初言われていたのと違い、8時間労働みっちりしたいのに、数時間で終わることが多いと嘆いていた。給料はちゃんとくれていたが(当たり前だが)、これでは考えていた収入と違うと言って、失踪してしまった。

ベトナム人はすべて安易なのだ。日本に行ったらカネが入る。行ってみたら違ってたから、失踪して違う職に就こうと。すべて安易。
そして不法滞在になってまともな職に就けず、全く貯金できず失敗する。
中には犯罪、特に窃盗に手を染めるベトナム人は少なくない。これまた安易に窃盗し始める。

彼女は仕事はあると言っていたが、今、連絡は取っていない。

なんだろう。ベトナム人はみんな安易だ。どうしてこんなにも日本はカネになると思ってやってくるのだろうか?不思議だ。日本では雇用主が酷くて奴隷の扱いを受ける人がたくさんいると問題になっているのに。

まあ、奴隷の扱いを受けたら失踪すればいいのか?それまた安易だね。

とにかく、この制度自体間違っている。そしてその間違った制度に安易にやってくるのも間違っている。悪循環がピークに達している。


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