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カオス理論と晴れた空ーHYBRID PHONON 2566ー

カオス運動における二重振り子。
予測ができないものとのこと。心持ちに似ているな、などとぼんやり見つめていると、子供達の声が耳に入ってくる。

科学館で見たその光景。何故科学館で物思いに耽っているかというと。

何があっても、どんなにつらくても、9月までは生き延びようと、そう思った。7月に一気に2つ、平静を保つ方法を無くしてしまった。その絶望感たるや。

科学館にいた理由、それは平沢進氏のライブに参戦するためである。


眠たい。それもそうだ。毎日夢を見る。操れない夢。
そして、苦しくて目が覚める。朝が来ると、“参加すべき“場へ行かなければならない。苦しい心持ちを引き摺ってでも、とりあえず取り残されないよう辿り着く。

それでも、この日を迎えるために、もがいてきたにもかかわらず、天候不順の知らせ。辿り着かなかったどうしてくれるんだ。こちらはやっと生き延びてここ迄きたっていうのに。
とにかくどんな天候になるかわからなかったので、わずかな睡眠を寸断し、取り敢えず家をでた。

このタイミングなら何とか向かうことができる。そう思い飛び乗った。

一度乗ってしまえば、知らぬ街を歩くなんてお手のもの。
宿に辿り着き、一時休憩。

さて、体力も回復したことだし、徒歩圏内の会場へ。

大阪にあるこのホールは何年ぶりだろうか。
それにしても、世界的三文芝居明けのライブ。皆々の顔が心なしか晴れやかで。
幸いにも3公演分、全て参戦する権利を得た。これがなければここ迄辿り着くことはできなかったと心底思う。

長い長いエスカレーターで運ばれ、会場へ。

さて、本題のセットリスト、DAY1。

1.BIIIG EYE
2.おやすみDOG
3.時間等曲率漏館へようこそ
4.BEACON
5.ロケット
6.CODE-COSTARICA
7.ビストロン
8.素めよ我はTVなり
9.1778-1985
10.LANDING
11.FGG
12.賢者のプロペラ
13.白く巨大で
14.гипноза
15.Monsters A Go Go
16.消えるTOPIA
17.Another Day
[en]
18.TIMELINEの終わり

冒頭からのシャウト。今回のコンセプトとして、P-MODEL・平沢進ソロ・核P-MODELの楽曲が混在する、と銘打っている。
いくつか初めてきちんと聞いた曲も存在したのだが、浴びる音と、その伸びやかな声、美しい演出、どれもこの世のものとは思えない。最近心が動かず、色褪せたこの世界線が、この時間だけは本当に色づいたものとなった。
特に賢者のプロペラは生で聞いたのは初めて。なんと美しい。

そして、最後の疾走感あふれるAnother Day。
これまでの晴れないこの気持ちが、すっとどこかへ行くような。

この日は余韻に浸りながら、徒歩で宿へ。


そして、2日目。宿から徒歩圏内に会場があるので、目一杯寝て、ぼんやり周辺を散歩して、そしてまた寝て。十二分に休んでからいざ。

セットリスト DAY2

1.Alarm
2.パラ・ユニフス
3.гипноза
4.ロケット
5.CODE-COSTARICA
6.TIMELINEの終わり
7.ビストロン
8.崇めよ我はTVなり
9.Zombi
10.LANDING
11.Wi-SiWi
12.Lotus
13.白く巨大で
14.時間等曲率漏斗館へようこそ
15.Monster A Go Go
16.BEACON
17.Another Day
[en]
18.HUMAN-LE

冒頭のシャウトから、明らかに昨日と曲が違う。そんなことって・・・とほぼ絶句のような状態で聞き入る。
「CODE-COSTARICA」の郷愁漂う雰囲気や、「崇めよ我はTVなり」の粋な演出、そして荘厳さ、両日ともに演奏された「白く巨大で」は、こう、全てが昇華していくような、そんな雰囲気で。
また、「Lotus」は本当に、胸が締め付けられる思いだった。何だろう、純粋にこんなに感動できるなんて。


この世の理など全て超越したような、そんな存在から放たれる音楽は、心が洗われるような。
時折こうして背中を押されて、私の現実は一体何であるか、まだわからないことが多い。だけれども、こうして晴れた空もそこにあり、きっとどこかに、胸がすくような、そんなところがどこかに。

規則性もなく、自身でも計り知ることのできない、それは、どこへ向かうのかもよくわからないままだけれども、きっとその先に何か、待っているのだと。

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