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普段はあまり話さない下半身のおはなし

こんにちは。
ナースの独り言です。

今回はあまり普段話さない、下半身関係のお話です。
下世話なお話です。しかも昔の話です。
不快に感じる気がする方は、どうか回れ右でお願いします。
正直に思ったように書いてますので、責任取れません。
読みたい方のみだけどうぞ!!


手術前に必要な処置

今は、脱毛クリームやバリカンでの脱毛になっているようですが、20年以上前、私が看護師なりたての頃は、貝印のカミソリでの剃毛(毛を剃ること)が当たり前に行われていました。

手術をする患者さんには、前日に「臍処置」と「剃毛」がなされていました。

「臍処置」とは、へそのごまをとる処置です。

オイルでごまをふやかして、綿棒で取るのですが、生まれて一度もごまをとったことがないという強者がたまにいて、ものすごい大きくてグロテスクなミイラのような3cm大くらいのごまを取ったこともありました。


毛一本残すことが許されなかった昔のオペ前の剃毛

「剃毛(ていもう)」とは毛を剃ることです。
へそ下から大腿(太もも)までの「全剃毛」の指示がほとんどで、
その間の毛は一本たりとも許されません(笑)

剃り残しがあるときは、オペ(手術)出しした後に、オペ室の看護師から「誰が剃ったんだ??」とクレームの電話が入ります。

(病棟に戻ってやり直しってことにはならず、オペ室の看護師が処置してくれます)

前日に剃毛した看護師と、オペ出しした看護師が同一人物であるとは限らないので、非常に理不尽に思いながらも、運が悪かったと諦めて、その時に担当した看護師が、前日の看護師に代わりひたすら謝ります(笑)

一応、剃毛チェック・・・きちんと毛が剃られているかを、剃毛後にリーダーに確認してもらうこともありました。(オペ室の看護師さんって怖いですのよ←あ、あくまでも独り言調べですよw)


こんなに苦労してまで毛を剃る理由

手術後の感染防止、そして尿道留置カテーテルが抜けないように、テープで太ももにがっちり固定されたりするためでした。(毛が生えたままテープで固定すると、テープを剥がす時が非常に地獄なので)

頑張って丁寧に剃ろうとしても、カミソリ負けしたり、皮膚を傷つけてしまうことも多く、ちょっと出血させてしまうこともざら。貝印のカミソリってよく切れるんですよね。知ってますか?
安全カミソリと違って、ものすごくよく切れるから処置に使われていたんでしょうが、切れ味がいい分、皮膚も切れます・・・。

「こういう細かい傷は、感染の原因にはならないのかな?」

という疑問は当時いつも感じていました。(無駄な業務は減らしたかった)

今は、カミソリでの剃毛は感染リスクがかえって上がるため、やってはいけないとされています。ですよね・・・皮膚なんて常在菌の宝庫ですから。

そして今は、剃毛して24時間以上立つと、感染のリスクが上がるとのことで、
手術直前の剃毛が推奨されているようですね。

随分前に大学病院を退職している私の当時の常識は、おそらく今の現場には何の役にも立ちません(笑)

もう体も頭も心も大学病院には再就職できないな・・・・


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