日記:酒を飲んでもひとり
家で滅多に酒は飲まないけれど、今日はなんだか飲みたくなった。身体は疲れていたし、酒が入りそうにはなかったけれど、大人とはそういう週末にこそ酒を飲むものだと思ったから。これは完全に思い込みです。
飲酒の習慣がないので家にアルコール類があるかどうかはわからなかったけれど、ウイスキーの瓶があった。
ウイスキーの飲み方を知らない。ハイボールがウイスキーのソーダ割りであることをいまいち理解していない。ハイボールはハイボールで、そういうものとして認識してしまっている。ハイボール、ビールよりはちょっと健康に気を使っていそうなイメージ。そもそも酒が身体に悪いのかもしれないけれど。そんな味音痴な自分が高級なウイスキーを飲んでもきっとわからないだろうな。酒の感想なんて「飲みやすいですね」「フルーティですね」しか言ったことがない。分解能が低すぎる。
ウイスキーの飲み方にもいろいろあるんだなあ。
とりあえず適当なグラスにウイスキーを注いでみる。氷を入れたほうがいい気がするので入れてみる。これはロックという飲み方なのだろう。
飲む。
感想→濃ッッ
どうやらロックで飲むには強すぎるみたいだ。炭酸水が欲しい。しかし都合よく備蓄されているわけもなく、最寄りの自動販売機で買ってきた。普通の炭酸水がなくて、少しレモンの味が入った炭酸水だ。これで割ったウイスキーは、果たしてハイボールと呼べるのだろうか。レモンハイボール……?そんなものがあるのだろうか。
レモンをちょっと絞るような作り方もあるみたいだ。なるほどなあ。言われてみれば、ハイボールにレモンが付いてくることもあったような気がする。しかし殆ど意識に上らないのであまり覚えていない。
そんなこんなで作ったハイボールを飲む。ウイスキーの味が強すぎて、炭酸水のレモンは全くわからない。ウイスキー、入れすぎたな。上の作り方によると、1:4で作るのがいいらしいけれど、半々くらいで入れてしまった。少しずつ飲んでは炭酸水を注ぐ。踏みつけてしまってボロボロになった駄菓子のポテトスナックの粉をつまみながら飲んでいく。「大豆田とわ子と三人の元夫」の6話を見ていた。うわ〜〜〜。
自分は一人で酒を飲む楽しみをあまり知らないようである。大抵の場合自分は、誰かと話しながら飲むことに楽しみを見出しているようだと気がついた。「一緒に飲もうよ」とは、「一緒に話をしようよ」と大体イコールなのだ。でも「ちょっと話そうよ」と切り出すとなんだか重い話が始まってしまう雰囲気がある。「飲み行かない?」だといくらか切り出しやすい。そうやって酒は人と人とを結びつける潤滑油の役目を果たしてきたのかもしれない。誰かと話がしたい、という欲求を前提にすると、酒とは建前にして手段でしかない。「お酒おいしいね」と言いつつ、それは「これから話をするぞ」という前振りでしかない。いや、飲みすぎとかはダメだし、無理に飲ませるとかもダメだけど。そうじゃなくて、友達同士で話すときに、酒があることで盛り上がることってあるのだと思う。
こういうとお酒そのものについて否定的みたいだけれどそんなことはなくて、美味しいお酒はそれだけで話を弾ませてくれるものだと思う。まず「お酒がおいしい」という共通言語ができるわけだから。……こういう言い方でもなんだか手段としてしか見ていないような……。美味しいお酒好きです。味があまりわからないだけで……。確か山梨の方で飲んだハイボールが美味しかったな。いろんな屋台が出ていて、そこで飲んだやつ。フルーティで飲みやすかったような。それがなんだったのか忘れてしまったので意味がないのだけれど。
で、それを認めた上で、自分は誰かと飲むことに重きを置いているのだなあと思った。晩酌の楽しみはまだ自分には早かったようだった。酒を飲み、誰かとそれを分かち合うこと。それが自分の好きだったもので、前者だけでは獲得できないものもあるということを、今更ながら自覚した。
お酒を飲んだので眠くなってきた。寝よう。
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