日記:再訪する読書

遅くなってしまったので短めに……。

以前、早めに日記を書いて早めに寝ようと思い立っていたはずなのに、それを実行に移せたのは数回しかない。最近までは月姫を進めるために睡眠を犠牲にしていた側面があり、そして今日は月末までに読みたい本を読んでいたため……ではなく、本を読もうとしたら通話が始まってしまったことが原因である。通話は楽しかったけれど……。

読んでおきたい本というのは昨日も触れた『喜嶋先生の静かな世界』で、これがかなり面白い。ここまで先のページが気になる本は久々という気がする。モノローグというか作中で語られる視点の温度感が、ちょうど自分が欲していたものにぴったりと嵌っている感覚がある。昔も森博嗣作品は1冊読んだことがあったのだけれど、その時は確かに面白かったものの心の芯に響いてくる感覚はなかった。時間が経って、ちょうどよい時に手に取ることができたのかもしれない。読み終わったら他の森博嗣作品にも触れてみたい。

この本は知人から教えてもらったもので、だからこそ自分一人では手にすることのできなかった幸運だなと思う。人との出会いは一期一会だけれど、それは本にも言えることだ。インターネット上に存在する個人による作品や記事も含めれば、きっと言葉との出会いは星の数ほどあって、自分の求めるものに出会えることはそれこそ奇跡と読んでもいいのかもしれない。今の自分を形作っているような本との出会いだって、なにか一つ運命が変わっていれば存在しなかったのかもしれない。現状そうなっていないイフを口にするのは意味がないのかもしれないけれど、そんなことを考えるとやはり「これが読みたかった!!」という本に出会えたときの喜びはかけがえのないものに思えてくる。

しかしこの出会いも、運を天に任せるしかないのかというとそうでもなく、自分の欲求に近いものを引き寄せるための方法はたくさんある。書に明るい知人を頼るのはその一つである。読んだ本の量が増えてくれば段々と傾向が掴めてきて、自分で同じようなカテゴリに分類されている本の中でも評価の高い作品の情報は手に入りやすくなるのだけれど、それではどうしても自分の視点が大きいので偏ったものになりがちである。だからそういう時には新しい領域を開拓する冒険が必要で、そのときに外部の力を頼るというのは適している気がする。特に、今回の自分のような「過去に一度読んだけどその時はよくわからなかった」といったケースでは、自分に任せると選択肢から外してしまうことが多いので、外から与えられることの意義が特に大きいものである。それを手にすることができた幸運というのは、やはり得難いものだと思う。

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