日記:はじまりは怖い

昨日の就寝時間はそれなりに遅かったはずなのだけれど、しかし今日はそんなに眠くなかった。まだ週のはじめだから体力が残っているだけという話なのかもしれないが、しかしそういう意味では最も体力がないのは月曜日だったりする。土日で夜へと少しずつずれ込んでいく生活リズムを、週が明けると共に無理矢理引き戻すので、いつも月曜日は体が重い。休日を休んだことによって気力は回復しているのかもしれないが、それは平日に直面することの落差によって大部分を削がれてしまっている。それでも、朝がそこまで早くなくてよいので一命をとりとめているところは大きい(朝が苦手なので)。

朝が苦手だし、月曜日が苦手だし、年始が苦手だ。要するに、何かがはじまるということが耐えられない。どの季節もそれなりに好きだが、強いて嫌いな季節を挙げるとすれば春だ(はじまりの季節なので)。はじまりの季節は希望の季節で、多くの人が期待に胸を躍らせる。だが自分はそこに同調することができない。踏み出したとしても失敗する公算の方が高い。

別に自分が期待を持たないわけではない。むしろ期待は多い方だ。あれもしたい、これもしたい、と願望だけが思い募る。同時に、それが潰えたときのことも想像して憂鬱になる。期待だけが膨らんで、それを叶える力もなくて、結局は不釣り合いな夢ばかり見ている自分のアンバランスさが原因なのだけれど、春は、そんな不安がいつもよりも多く訪れる。だから春はあまり好きではない。桜は綺麗だがすぐ散ってしまって悲しくなる。この世の儚さを思い知る季節。


そんなふうに日陰者を気取ってはみたものの、新しくはじまることに対する不安は誰しも抱えているものだろうし、自分だけが特別暗い人間だということもないのだと思う。これはきっとなんでもない不安で、取るに足らない心配で、だからこそどうにかして取りなさねばならない問題なのだという気もする。



今日も『ワールドトリガー』を読み返していた。自分の理解が浅いせいもあるのだが、再読したことで気付く視点がとても多い。初読時は主人公たちの視点を追いかけるのが精一杯だったりするのだが、読み返すとほかの陣営の視点もあわせて俯瞰できるようになり、そしてそれらの思惑や言動が緻密に組み合わさって破綻していないことに改めて驚かされる。味方には味方の、敵には敵のバックボーンがあり、それぞれの立ち場があるということを、メインのストーリーラインを損なわないように多量に盛り込んでくる。だからこそ初読時には追いきれず見逃してしまうが、読み返すごとにそこに描かれている人生の重みが積みあがって感じられる。人物にも世界にも組織にも人間関係にも矛盾がないように心を配るのはかなり大変なのではないかなと愚考する。

そういえば同じ作者の『賢い犬リリエンタール』をずっと昔に読んで、かなり好きだったという記憶がある。同じ時期に読んでいた『詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。』や『逢魔ヶ刻動物園』、『ダブルアーツ』とかも好きだった。なので、こういった作品の作者の方がさらに面白い作品を世に送り出していて、それが本当に嬉しいのだけれど、しかし『ハイキュー!!』も『僕のヒーローアカデミア』も『ニセコイ』も読めていない。いろいろ読みたい。

単にその頃に触れたジャンプという存在が好きだっただけなのかもしれないけれど……。

『PSYREN -サイレン-』が一番好き……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?