日記:本の山がうごめく

部屋に大量の本が積み重なっている。読んだ本も読んでいない本も折り重なって、ひとつの地形を成している。その山は新期造山帯もかくやというペースで成長を続けている。部屋という海が埋め尽くされる日も近い。

自分が無限の空間を持ち合わせていたら良かったのだけれどそうではないので、どうにかして処遇を考えなければならない。とりあえず、読んだ本でしばらくは手を伸ばさないかなというものに対しては一度手放してしまって、再読したくなったら電子で購入するという手をとるのはどうかと考えている。


電子書籍は良い。書籍という存在の物理的な枷を解き放ってくれる。空間に縛られずどこでも好きな本を読むことができるというのは、かなり有難い。

紙の本は良い。物理的な情報が単なる文字の連なりではない、芳醇な意味を持った読書体験をもたらしてくれる。表紙をめくったときの感動だったり、ページの進みで物語の現在地点を把握する感覚だったり、画面をスワイプしていくことでは(今のところ)得られない良さがある。


しかし、紙の本が空間を逼迫しているという現状と、電子書籍に対する抵抗が殆どなくなっていることを踏まえると、現在の本棚を少しずつヴァーチャルなものへとシフトしていくのがよさそうな気がしている。そうして確保した空間で、自分はいよいよ「リングフィットアドベンチャー」に取り組みたい。未だにクリアの兆しが見えていない。


そうやって本の整理の計画を立てたところで、部屋の隅に目をやると視界に飛び込んできたのは大量に重なったCDの塔であった。いや……歌詞カードをめくりながらアルバムを通して聞く体験の楽しみがさ……(振出しに戻る)




ショートショートnoteを久々にやった。相も変わらず制限時間は無視してしまっている。自分にはあの制限時間は無理だ……。

ランダムに与えられた単語から物語を紡ぐという意味では即興小説トレーニングとかと同じなのだけれど、こちらはもともとが組み合わされることを想定していない単語のつながりを与えられるので、よりシュールなテーマを得ることができそうな気がする。複数のカードからタイトルを選ぶことができるのも面白くて、この選別があることで自分に書けそうなお題を設定することができるのである。

選んだ言葉を頼りに自分の頭の中を泳いでいく。その中で最初に掴んだ表象を頼りに断片をかき集めて繋げていく。その集積が偶さか物語の形をとったときの喜びは癖になる。我流で読みづらい文章も多いのだけれど、これは楽しいですね……。



上で本の話をしておきながらなんだけれど、読書の時間をとることができていない。今読んでいる本があと少しで読み終わるのだけれど、うまく集中力が長続きしない。無理に読もうとしても思考が明後日の方向に逃げていってしまう。今日のショートショートnoteもその逃避から生まれたものだ。

日記を書くようになってアウトプットの時間が増えた分、インプットの取り組みは減ってしまっているように思う。何気なくYouTubeで同じような動画ばかり見てしまう時間を、読書だったりに費やすようにしたい。


今日も今日とて計画ばかり立てている。実行されない計画にどれほどの価値があるのか?無意味とまでは言わないが、何より口で言うだけ言って何もしないのはかなり情けない。本当は無言で実行してみせるのが一番良いのだけれど、それができない自分はなんとか先に言葉を紡いで、あとから身体がついてきてくれるのを期待する。そして怠惰なる私の身体は見事に静止摩擦力を発揮する。自分は動き出しにとにかく時間が掛かることは知っているつもりだったけれど、その甘えはなかなか抜けてくれない。

特に外出することもないから、日記に思弁的な内容ばかり書いていたのが良くないのかもしれない。思想を掘り進めていくタイプの記述を連ねるのは良いのだけれど、何もしていなくて何も書くことがないことを言い訳に希望的観測を託した空虚な計画を語ることが常套化してしまっているきらいがある。慎まなければならない。日記とは、今日会ったことについて記すものである。その基本に今一度立ち返らねば。……できるだろうか。自分には困難な道のりにも思えるけれど、ひとつの計画として取り組んでいきたい。

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