日記:春雨日記

どうしても頭が回らないというときがあって、それはちょうど今日の帰り道だった。いつもは電車の中で起動するゲームも、歩きながら聞く音楽も、頭に入ってくれそうになかった。疲労のせいなのか、それとも別の何かなのかはわからないけれど、とりあえず長引くことはないと経験から理解していたので、ただ何もせず家路を急いだ。

食事と入浴を終えるといつの間にか元に戻っていた。そういうときもある。


特筆すべきこともなく日々を過ごしているので、これといって日記に書くこともないのだが、それでも「何もない日だった」ということをその日の気分に任せて書いていると、大抵はそのあとに続く言葉が出てくるので勢いに任せてキーボードを叩く。最近はそういうふうに日記を書いてきたのだけれど、今日は何も書くことが見つからない。いつものような後ろ向きな思考すら出てこない。思考回路が焼き付いたように動かなくて、ただでさえ中身のない日記がほとんど無に近づいていく。でもそれが自分という人間の本質なのだと思う。どうにかして取り繕って生きているだけで、結局は何もない人間。

駄目だ、本当に何も出てこない。300日以上飽きもせず日記を書いてきたけれど、ここまで書くことが思いつかないのも珍しいかもしれない。この頃続く寒さにすら何も言葉が出てこない。天気の話題を失ったら、世間話に何を話せばよいのか。日常会話を天気デッキのみで戦う私のような人間は、僅かな話題を探すためにその日の天気予報を調べたりすることもある(逆に話題を探す以外の理由では滅多に調べない)ので、天気の話ができなくなってしまったらかなり致命的だ。話をするのが苦手なので、それ以外の話題では無難な言葉を選べない。下手に踏み込むと相手の地雷に当たってしまいそうで、その加減が自分にはできないから大人しく天気デッキを使っている。

もう言葉が出てこない。駄目だ。思考が一定以上深くならない。仕方がないので今日のところはこの辺りで諦めて寝ることにする。


アレクサに天気を聞いて寝よう。

アレクサ、明日の天気は?

断続的に雨らしいです。春雨というのでしょうか。


あ、そういえば今日の昼、春雨食べたな。

トッピングを自由に選ぶことができて、その重さを測って料金を支払う方式だった。セルフレジだったのだけれど、入店時にこの店舗の利用がはじめてであることを告げると、店員さんがお店の方式について丁寧に説明してくれて会計まで付き添ってくれた。有り難かったけれども人手という意味ではあまり削減になっていなくて申し訳ないな、と思った。

辛さを選ぶことができたのだけれど、辛いものがあまり得意ではないので臆して全く辛くないレベルを選んでしまった。きっとこのお店を訪れる人は辛いものを求めて来るだろうから、自分の注文が店員さんに「何しにきたんだコイツ」と思われていないか不安だった。自意識過剰って言うんですよそういうの。

めちゃめちゃ美味しかったです。


書くことあってよかった。

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