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神の武具を装備せよ!【エフェソの信徒への手紙6:10-20】【やさしい聖書のお話】

8月になりました

日本ではこの8月に、平和について考える機会が多くなりますね。

ここで問題です。今の上皇陛下がまだ皇太子だった頃に、「日本には、けっして忘れてはならない4つの日があります」とおっしゃったことがあります。それは
毎年6月23日
毎年8月6日
毎年8月9日
毎年8月15日
の4つの日なのだけど、それぞれ何の日か知ってますか?
正解はこの投稿の最後に。

武装せよ!

平和の話をした直後に物騒な話と思うかもしれませんが、今日の聖書の個所は「武装せよ」という話です。

最後に言う。主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい。悪魔の策略に対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。

エフェソの信徒への手紙6:10-11(新共同訳)

主の偉大な力によって強くなれ!
神の武具を身につけろ!
どんな武具かというと、

立って、真理を帯として腰に締め、
正義を胸当てとして着け、
平和の福音を告げる準備を履物としなさい。
なおその上に、信仰を盾として取りなさい。それによって、悪い者の放つ火の矢をことごとく消すことができるのです。
また、救いを兜としてかぶり、
霊の剣、すなわち神の言葉を取りなさい。

エフェソの信徒への手紙6:14-17(新共同訳)

イメージとしてはこんな感じ↓

ローマ兵の装備

この写真だと、帯、胸当てはわかりませんが、履き物、盾、かぶと、剣はイメージしやすいかと。

防具

真理を帯として腰に巻け。
帯というのはベルトですね。

正義を胸当てとして着けろ。
胸当てというのは、「胴鎧(どうよろい)」の中心的なパーツで、つまり「よろいを装着せよ!」ということです。
↓は古代ギリシャの胸当てで、男性兵士の胸から腹の筋肉をかたどっています。こうした芸術的なよろいが多くあったようです。

刀剣ワールド」より、古代ギリシャの胸当て

次に「平和の福音を告げる準備」を履物としろ。

そしてこれらの上に「信仰」を盾とせよ。
↓は古代ローマの大盾を装備した密集隊形。これなら確かに「悪い者の放つ火の矢をことごとく消すことができる」でしょう。

ローマ軍の盾を前と上にかまえた部隊

さらに、救いの兜。
一般の兵士は上で紹介したローマ兵のイメージですが、百人隊長用のかぶとはこんな感じ↓

ローマの百人隊長のかぶと

武器

ここまでは防具、攻撃されることを想定してどんな準備をしなければならないかだけど、聖書は「守っていれば戦いというものは勝手に自然に終わってしまう」という考え方はしません。
平和について書かれているところでも、平和を求めて追いかけろとか、平和は作り出すもので積極的に行動しなければならないものなのです。

そしてぼくらの武器は、「霊のつるぎ」という名の、神の言葉です。攻撃しなければ勝つことはできません。

ローマの剣「グラディウス」は、刃渡り50㎝ほど

ローマで剣といえばグラディウス。日本刀と比べるとけっこう短いかわりにぶ厚いです。 

戦う相手は

これらの武装は何のためかというと、「支配と権威、暗闇の世界の支配者、天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。」とあります。

「支配と権威」ということで、この個所から「日本の政府の支配と戦え」なんていうトンデモな引用の仕方をするクリスチャンもいます。でも「血肉を相手にするものではなく」と書いてあるとおり、ここで聖書が言っているのは人間相手の戦いのことではないんですね。

人間どうし、人間の国どうしの戦いなら、戦わないという方法もあります。「戦うよりも黙って殺されるほうがいい」ということを選ぶこともできるし、そうするべきだと教えている人たちもる。
ただ、今日の聖書が言ってるのは、人間との戦いじゃなくて、悪魔との戦い。これは「死んだら終了」なんていう気楽な戦いじゃないんだ。勝って永遠の命に入るか、負けて永遠の炎に投げ込まれるかという厳しい戦いなんだよ。

「絶対に負けられない戦い」じゃなくて
「絶対に勝たなければならない戦い」なんだ。
そして確実に勝てる防具や武器が、ぼくたちにはあるんだ。
今日の個所であげられている防具や武器は、まとめて言えば「神である主の力で戦う」ということだね。
イスラエルは「主が戦われる」と信じた戦争は勝った。自力で、人間の力で戦ったときには、とてもひどい負け方をした。
ぼくたちの戦いも同じ。信仰、主に信頼して完全に従う心によって、敵のすべての攻撃を無効化できる。そして神の言葉という剣で、敵にとどめを刺すことができる。
人間の力によってではなく主の力によって勝つのが、暗闇の世界の支配者である霊とぼくたちが戦って勝つためのたったひとつの方法だと聖書はいってるんだ。

持ってるだけでは

ところで武器や防具は、持っているだけでは何の役にも立ちません。装備しないと。

ドラゴンクエスト2より

真理や正義、持ってるけど使いません。
福音、知ってるけど伝えてません。
イエス様への信仰はあるけど、普段の生活は別です。
神の言葉の聖書、持ってるけど日曜日に教会で読むだけ。

それじゃあ、持ってるだけで装備してないのと同じ!

悪の諸霊との戦いは、聖書や十字架を持っていればいいなんていうことじゃないんだ。
教会に行っていればいい、「礼拝に出席」すればいいということじゃなくて「礼拝する」のが大事。
クリスチャンを名乗っていればいいんじゃなくて、クリスチャンとして生きるのが大事。

十字架を出すだけで悪魔が逃げるわけじゃないんだ。十字架の主イエス様を信じる信仰によって、神である主が悪魔を滅ぼすんだ。

映画「エクソシスト」より。十字架というモノに力があるのではなく、十字架の主イエスを信じる信仰によって戦う。

日本が忘れてはならない4つの日

最初の問題の答えです。

6月23日は「沖縄慰霊の日」です。大戦末期、アメリカ軍による沖縄への攻撃に日本軍が戦えなくなった日で、沖縄が戦場になったことを忘れないための日。

8月6日は「広島原爆忌」です。アメリカ軍が広島を原爆で攻撃し、たくさんの人が殺されたことを忘れないための日。

8月9日は「長崎原爆忌」です。アメリカ軍が長崎を原爆で攻撃し、たくさんの人が殺されたことを忘れないための日。人類の歴史で長崎が「最後に核兵器が使われた日」であり続けるように祈る日。

8月15日は「終戦の日」です。昭和天皇がラジオで日本人と日本軍に「この戦争を終わりにしましょう」と呼びかけた日です。
(実際に戦争が終わったのは、そのあと日本が降伏した9月2日です。ぼくが子供の頃は、8月15日が「終戦の日」、9月2日が「敗戦の日」で、日本が戦った国々でも9月2日が「対日戦勝記念日」となっています)

動画版はこちら

この内容は、2022年8月7日の教会学校動画の原稿を加筆・再構成したものです。
キリスト教の信仰に不案内な方、聖書にあまりなじみがない方には、説明不足なところが多々あるかと思いますが、ご了承ください。

動画は千葉バプテスト教会の活動の一環として作成していますが、このページと動画の内容は担当者個人の責任によるもので、どんな意味でも千葉バプテスト教会、日本バプテスト連盟、キリスト教を代表したり代弁したりするものではありません。

動画版は↓のリンクからごらんいただくことができます。


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