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初穂祭と復活祭と聖霊降臨祭【ローマ8:18-30】【やさしい聖書のお話】

2023年5月28日(日)の教会学校でのお話をもとに。

初穂祭と復活

旧約聖書の中で神様はイスラエルに、「こういうお祭りをしなさい」ということをときどき指示していまいす。

過ぎ越しの祭りは、主がイスラエルをエジプトから救い出したことを記念するためのもの。

過ぎ越しの祭りのあと七日間は除酵祭です。
除酵祭は「酵母を除く祭り」ということで、パンをふっくらとふくらませない、カチカチのかたいパンの祭りです。イスラエルがエジプトを出ていくとき、急がなければいけなかったのでパンをふくらませる余裕がなかったことを記念します。

過ぎ越し祭~除酵祭の八日間の中で迎える安息日の、次の日が初穂の祭りです。この日から大麦の収穫が始まるという日です。

そしてイエス様は、弟子たちと一緒に過ぎ越しの祭りの食事をしたあと、安息日の前日の金曜日に十字架で死んで葬られ、安息日の次の日に復活しました。

つまり、イエス様が復活したのは、初穂の祭りの日だったんです。
このことは、とても大切な意味があります。

過ぎ越し祭に続く除酵祭の中で、安息日の翌日が初穂祭。
イエス様は過ぎ越しの食事(最後の晩餐)のあと、準備の日(安息日前日)に十字架で死んで葬られ、安息日の翌日(日曜日)の朝に復活した。

キリストという初穂

初穂の祭りというのは、畑の最初の収穫を神様にささげる祭りです。
それと同時にイスラエルの農業にとって、最初の収穫である大麦が実がたっぷり入ってるなら、小麦などそのあとに続く収穫も豊作になることがわかる。もし初穂がスカスカだと、その後の収穫もやばいぞという、初穂の様子でその年一年の収穫の予想がついてしまうんですね。

健康なオオムギの穂
病気(堅黒穂病)のオオムギ。
島根県のサイトより

聖書にはこういうことも書いてあります。

キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました。

コリント一15:20(新共同訳)

旧約の時代の人たちは、罪がゆるされるために羊などの命を神様にささげていました。
ところが神様である救い主イエス様が自分の命を十字架で神様にささげるという、究極のささげものになったんです。イエス様が初穂のささげものになった。
そのイエス様が死から復活した。

初穂が豊かなら、そのあとに続く収穫も豊かです。
イエス様が初穂だというなら、これほど実がギッシリぷりぷりに入ってる穂はありません。そして、大麦の初穂が豊かならその後の収穫が豊かになるように、最高の初穂であるイエス様の復活のあとには、イエス様に救われた人たちが大豊作になるんです。

そしてパウロは、イエス様に救われた私たちも初穂になるんだよと言っています。イエス様が復活したことに続いてぼくたちが豊かな収穫になるように、ぼくたちが救われたことに続いてすべての神様に創造されたものが再び神様のものになるからです(ローマ8:21-24前半)。
アダムが神さまにそむいたために、神様が創造したこの世界に「死ぬ」が入ってきました。人間だけでなくすべての命が必ず死ぬものになってしまった。でも復活の初穂であるイエス様のあとに続いてぼくたちが、ぼくたちに続いて神様に創造されたものが、神様に取り戻されるんです。

七週祭または五旬祭

ところで、過ぎ越し祭が始まって、安息日の次が大麦の最初の収穫をささげる初穂の祭りだと言ったけど、この初穂の祭りの七週間後が七週の祭りです。新約聖書では五旬祭と呼んでいます。
この場合の「旬」は「10日間」という意味。たとえば「今月の上旬」というと、月のはじめの10日間ですね。
だから「五旬祭」というのは「50日の祭り」ということ。ギリシア語ではペンテコステといいます。

初穂の祭りの朝に復活したイエス様が、40日のあいだ弟子たちを教えたあと、生きたまま弟子たちの目の前で天に昇っていきました。そのあと七週祭、そして五旬祭の日に何があったか。

五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。

使徒言行録2:1-4(新共同訳)

これがペンテコステのできごとです。ペンテコステというのはギリシャ語で五旬祭のことです。
このあと弟子たちは外に飛び出して、イエス様のことを猛烈に伝え始めました。それを聞いた人たちは、この日たった一日で、3000人もイエス様を信じてクリスチャンになったんです。

初穂の祭りにイエス様が復活した。
初穂がふっくら豊かに実が詰まっているなら、その後の収穫も豊かになるはず。実際に七週祭(五旬祭)の日に、大勢の人がイエス様を信じて神様のものになった、つまり神様に収穫されたんです。
それで教会では、イエス様が復活したイースターから七週後、50日目に、聖霊がくだったこのできごとを記念します。今年は今日が、イースターから七週後、50日目の五旬祭、ペンテコステの日です。

「初穂であるイエス様」を信じたぼくたちも、神様に収穫された、神様のものです。
そしてぼくたちが初穂となって、ぼくたちのあとからたくさんの人がイエス様を信じて救われます。

ぼくたちは、実がギッシリの穂だろうか。それともスカスカの穂だろうか。
日本には、まだイエス様を信じていない人が1億人以上います。神様が1億人を待っている。この1億人が神さまのものとなるための初穂がぼくたちなんです。
もしぼくたちがギッシリの穂なら、ぼくたちのあとからイエス様を信じる人たちは大豊作になります。まずぼくたちがイエス様にしっかりつながって、豊かに実を結びましょう。

動画版のご案内

このnoteの内容は、2023年5月28日の教会学校動画の原稿を加筆・再構成したものです。
動画版は毎回6分ほどの内容です。下記のリンクからごらんいただくことができます。
キリスト教の信仰に不案内な方、聖書にあまりなじみがない方には、説明不足なところが多々あるかと思いますが、ご了承ください。
動画は千葉バプテスト教会の活動の一環として作成していますが、内容は担当者個人の責任によるもので、どんな意味でも千葉バプテスト教会、日本バプテスト連盟、キリスト教を代表したり代弁したりするものではありません。このnoteの内容は完全に個人のものです。


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