ドラえもんの話

ドラえもんの声優交代について、私の世代では否定派が多い。あれから15年以上経った今でも「声が…」という人は少なくない印象だ。一方で私は最初から水田わさびのドラえもんはめちゃくちゃ好きである。

もちろん私は圧倒的に大山のぶ代世代である。まして子どもの頃はアニメか教育テレビしか見ていなかった私だ。あの声を聞けばこれぞ私たちのドラえもんだぁという気持ちになるし、のぶドラがくれる安心感に勝るものはない。

だが水田わさびのドラえもんは可愛い。作画もF先生の絵に似ていてよく動く。声優の交代と同時にアニメーションがリニューアルされたことにより、私たちのドラえもんは完全に終わったが、新しいドラえもんはそれはそれで好きなのだ。

最近たまたまテレビのドラえもんを見る機会があり、衝撃を受けた。水田わさびがドラえもんの絵描き歌やぼくドラえもんをカバーしている。声優交代当時は旧声優派への忖度で「はい、タケコプター」も言わせてもらえなかったわさドラが、今や「あったまテッカテ〜カ」を歌っているのだ。
大山のぶ代は「ファンにドラえもんのうた歌ってくださいとリクエストされることが多いけど「はい、タケコプター」しか言えるところがないし、私が歌ってるのはあたまテカテカの方なんです」みたいな話をしていたことがある。その「ザ・のぶドラ代表曲」みたいなあの曲をわさドラが歌うということは、水田わさびが時を経てあの曲が似合うドラえもんに辿り着いたということだ。これはとても感慨深い。いいんだ、もう。許されたんだ。そんな気持ちになった。本人でもないのに。交代後はめちゃくちゃバッシングされていたのをリアルタイムで見てきたので、折れずに続けるって素晴らしいことだなと思ったりもした。

劇場版ドラえもんは声優が変わってからも何本か見ているけど、何かと演出がわざとらしくなってしまった。私はドラ泣きという言葉が正直あまり好きではない。泣かせようとしてくれなくても泣けるのがドラえもんなのだ。雲の王国でタンクに突っ込むドラえもん、ブリキの迷宮でジャンクになってものび太くんのことを考えてるドラえもん。子どもの頃に見たけど強烈に心に残っている。
泣かせ演出は声優交代前からややわざとらしくなっていたのだが、そのわざとらしい演出にやられてボロボロに泣いてしまったのが不思議風使いとのび太の恐竜2006である。これがしかし毎回やられるともういい、という気持ちになってしまう。ここが泣きどころと言わんばかりに鼻水垂らして泣き叫ぶのび太の顔はちょっともう見飽きた。飽きるほど見てんのかよって話なんだけど、結構見てるから言っている。

ストーリーに関しても、やはりオリジナルよりF原作が好きだ。過剰演出は気になりつつもリメイクは悪くないので今後を楽しみにしている。

ドラえもん新作が出るよってニュースを見たので、わさドラの躍進に感動したって話をちょっとだけするつもりが結構しっかり書けてしまった。なんだよ、ドラえもん大好きじゃねぇか。大好きだよドラえもん。竜の騎士とか大好きです。

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