超難問を解く(その1)

問題

川合秀実さんの数独研究のページで最も難しいと紹介されている問題を解いてみます(SE11.7)。
 ⇒ 川合秀実の数独研究に関するドキュメント #01

画像1

解き方(概要)

解き方の概要は次の通りです。記号の意味はあとで説明します。

-68DF5 → 47DF5 89E46 → 矛盾
∴[68]DF5

-47DF5 → 68DF5 [24]H5
 2H5 → 矛盾
 4H5 → 矛盾 (+-1C9 → 1A3)利用
∴[47]DF5

[47][68]DF5

-47E46 → 89E46 [24]E8
 2E8 → 矛盾
 4E8 → 矛盾
∴[47]E46

-89E46 → 47E46 -47DF5 矛盾(既出)
∴[89]E46

[47][89]E46

-39GJ8 → 24GJ8
 → 矛盾 (+-1C4 → 1J3)(+-2D9 → 2H3)利用
∴[39]GJ8

-24GJ8 → 24H79
 → 矛盾 (+-1C1 → 6F9)(+-4C8 → 4J3)利用
∴[24]GJ8

[24][39]GJ8
[24][39]H79


2E8 → 矛盾 (+-2A5 → 4G1)利用
4E8 → 解ける (+-2J3 → 2C9)利用
8E8 → 矛盾 (+-8D2 → 58H46)利用
9E8 → 矛盾

説明

では 順に説明します。

-68DF5 → 47DF5 89E46 → 矛盾
∴[68]DF5


 DF5に 68がどちらも入らない とすると 矛盾が起きます。
  この場合 47DF5 89E46 で
  このあと 基本手筋で解いていくと 矛盾が起きることがわかります。
 それで DF5のどちらかに 68どちらか が入る とわかります。

 記号の意味
  DF5: セルD5 と セルF5 を結合した領域
  47DF5: DF5に47が入る
  -68DF5: DF5に68が入らない
  [68]DF5: 6または8が DF5に入る

-47DF5 → 68DF5 [24]H5
 2H5 → 矛盾
 4H5 → 矛盾 (+-1C9 → 1A3)利用
∴[47]DF5

 DF5に 47がどちらも入らない とすると 矛盾が起きます。
  この場合 68DF5 [24]H5 となりますが、
  2H5のときは 基本手筋だけで 矛盾が起きることがわかります。
  4H5のときは DFCで 1A3 がわかります(詳細は後述します)。
  あとは 基本手筋で 矛盾が起きることがわかります。
 それで DF5どちらかに 47のどちらか が入る とわかります。

 DFC
  あるセルに ある数字が 入るか入らないか の2択で推論します。
  DFCは Digit Forcing Chains の略です。

 今の場合は 68DF5 なので 1B5 になり
  4H5 から 4GJ8 14A7.C9 2AC8 2H79
  24G1.J3 1GJ3 14C19
  また [89]E2 [89]E8 89E28 7E6
  [12]E1 124CEG1 -14A1 -14A2 14A37
 すると
  1C9なら 1A3、-1C9でも 1F9 1A3 で
  必ず 1A3 とわかります。
 このように
  1C9 と -1C9 から 1A3 を確定する ような推論を
  DFC と呼びます。

 記号の意味
  A7.C9: セルA7 と セルC9 を結合した領域
  +-1C9: 1がC9に入るか入らないか の2択
  +-1C9 → 1A3
        1C9 または -1C9 どちらの場合も 1A3 になる

[47][68]DF5

 DF5には 47のどちらか と 68のどちらか が入る とわかります。

-47E46 → 89E46 [24]E8
 2E8 → 矛盾
 4E8 → 矛盾
∴[47]E46


 E46に 47がどちらも入らない とすると 矛盾が起きます。
  この場合 89E46 [24]E8 となりますが、
  2E8のときも 4E8のときも、
  基本手筋で 矛盾が起きることが わかります。
 それで E46どちらかに 47のどちらか が入る とわかります。

-89E46 → 47E46 -47DF5 矛盾(既出)
∴[89]E46


 E46に 89がどちらも入らない とすると 矛盾が起きます。
  この場合 47E46 -47DF5 となりますが、
  これは矛盾が起きます(説明は前述しています)。
 それで E46どちらかに 89のどちらか が入る とわかります。

[47][89]E46

 E46には 47のどちらか と 89のどちらか が入る とわかります。

-39GJ8 → 24GJ8
 → 矛盾 (+-1C4 → 1J3)(+-2D9 → 2H3)利用
∴[39]GJ8


 GJ8に 39がどちらも入らないとすると 矛盾が起きます。
  この場合 24GJ8 となりますが、
  [89]E8 で [89]E46 なので 1E2 5J2
  24A7.C9 1B79 で [68]B5
  [68]DF5 なので [24]H5 58H46
  6H1 167G456
  +-1C4 から 1J3
   (1C4なら 1G5 1J3,
    -1C4 なら 1C1 1J3)
  +-2D9 から 2H3
   (2D9なら 2H3,
    -2D9なら 2C9 4D9 4H5 4G1 2H3)
  あとは 基本手筋で 矛盾が起きることがわかります。
 それで GJ8どちらかに 39のどちらか が入る とわかります。

-24GJ8 → 24H79
 → 矛盾 (+-1C1 → 6F9)(+-4C8 → 4J3)利用
∴[24]GJ8


 GJ8に 24がどちらも入らない とすると 矛盾が起きます。
  この場合 24H79 24G1.J3 1GJ2 [89]E2
  となりますが、
  [89]E46 なので [24]E8
  [68]H5 [68]DF5 1B5
  [24]E8 なので 1[24]A7.C9 39B78 58DF8
  +-1C1 から 6F9
   (1C1なら 1F3 6F9,
    -1C1なら 1C9 6F9)
  +-4C8 から 4J3
   (4C8なら 4E4 4J3,
    -4C8なら 4C1 4J3)
  あとは 基本手筋で 矛盾が起きることがわかります。
 それで GJ8どちらかに 24のどちらか が入る とわかります。

[24][39]GJ8
[24][39]H79


 GJ8には 24のどちらか と 39のどちらか が入る とわかります。
 H79には 24のどちらか と 39のどちらか が入る とわかります。

2E8 → 矛盾 (+-2A5 → 4G1)利用

 2E8のとき 矛盾が起きます。
  4GJ8 で 24A7.C9 1B79 [68]B5
  [68]DF5 2H79 で 4H5 24G1.J3
  +-2A5 から 4G1
  (2A5なら 2C9 9H9 4J8 4G1,
   -2A5なら 2G5 4G1)
  あとは 基本手筋で 矛盾が起きることがわかります。

4E8 → 解ける (+-2J3 → 2C9)利用

 4E8のとき 矛盾なく 最後まで解けます。
  2GJ8 で 24A7.C9 1B79 [68]B5
  [68]DF5 4H79 で 2H5 24G1.J3
  +-2J3 から 2C9
  (2J3なら 9J8 4H9 2C9,
   -2J3なら 2D3 2C9)
  あとは 基本手筋で 最後まで解けます。

8E8 → 矛盾 (+-8D2 → 58H46)利用

 8E8のとき 矛盾が起きます。
  [89]E46 で 1E2 5J2
  +-8D2 から 58H46
  (8D2なら 8F5 58H46,
   -8D2なら 8A2 8H6 5H4)
  9J46 [24]J8 3J8
  あとは 基本手筋で 矛盾が起きることがわかります。

9E8 → 矛盾

 9E8のとき 矛盾が起きます。
  [89]E46 で 1E2 5J2
  [24]J8 で 3J8
  あとは 基本手筋で 矛盾が起きることがわかります。

まとめ

画像2

この問題は、
AA BB CC DD を中心に ☆☆○◎□□■■に特徴的な構造があり、
◎の候補を調べ ると 解くことができます。

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