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切り抜き小説

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小説の一部を切り抜いてみれば、想像力がムラムラします。
神出鬼没的不定期で更新中の『胃の中に蛙』が、まさかの有料コンテンツでスタートします。といいつつ、無…
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2023年6月の記事一覧

page21 人情噺

男が蕎麦を手繰ると一匹の江戸っ子が釣れていた。まだ子どもの江戸っ子だった。男は不憫に思い…

ナナバン
1年前

page20 生き残るための犠牲

太古の昔、地球には大型連休がいた。彼らは様々な種に進化を遂げ、支配者として君臨した。なか…

ナナバン
1年前

page19 生態調査

白地に黒い縦縞の入った服を着て、男たちは棒で球を叩き、地面を走り回る。周囲には大勢の人々…

ナナバン
1年前

page18 ドア・トゥ・ドア

満員電車が辛いと彼は言った。だったら車で通勤するかいと彼は聞かれた。車の運転は苦手なんで…

ナナバン
1年前

page17 サングラスは投げられない

高速道路を走っていた。後ろから赤い回転灯の光が見えた。光は徐々に近づいてこちらの後ろに付…

ナナバン
1年前

page16 猿の話

山から猿が下りてきた。そのとき初めて、自分の住む町の山に猿が居ることを知った。猿はコンビ…

ナナバン
1年前

page15 knock knock.

子どもの頃、砂場を掘ることに夢中だった。どこまでもどこまでも掘って、砂場の底を見たいと思った。砂場には底が存在すると、蛙さんは信じていた。ある年の夏休みに、絶対に底を見てやろうと毎日砂場へ通った。来る日も来る日も掘った。扉が出てきた。試しにノックしてみると、ブラジル人が出てきた。