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amazarashi Live Tour 2023 「永遠市」 4公演回ったライブレポ

希望と挫折を繰り返して進む人生そのものを歌い、未来へ歩み出す覚悟を示したアルバム、そしてライブツアー「永遠市」。大阪・名古屋・東京2公演とツアーを回った記憶を、セットリスト順楽曲ごとに備忘録的に記したいと思います。(口上の言い回しなど細かいところはうろ覚えですが...)

開演前

大阪〜追加公演まで特に開演前演出等はなし。毎公演なんだかんだ開演時間を5分程度過ぎて始まっていました。開演時間になってBGMが止んだタイミングで、観客がみんな「来るか...?」的な雰囲気になってるのに普通に次のBGMが始まったのが面白かった。焦らされたせいで手汗がやばかったです。手も震えてた。でもこの緊張感もライブでしか味わえない貴重なものなんだなって思うと、それもいい思い出ですね。開演前の紗幕ですが、大阪と名古屋は写真撮らないでくださいーって感じだった気がする。違ってたらごめんなさい。ガーデンシアターの時はあんまり聞いてなかったけど、追加公演のときはアナウンスで「開場中の写真撮影は可能」と明言されていたので1枚撮っておきました。

追加公演 開演前

追加公演の座席がいちばん良かったなー。以下が各公演の僕の座席なんですが

大阪  11/1   :1階席めちゃ奥端
名古屋 11/3   :3階席最前列端
東京  11/25 :4階バルコニーど真ん中最前
追加  12/11 :1階席中央

4階バルコニー!!?!?!!???!?!???!?!??

上すぎるだろ。こちとら会員先行やぞ。まぁ真ん中で割と見やすかったんでそこはいいんですけど。
全体的に紗幕やレーザーの演出を俯瞰するように見える席が多かったです。近さによる没入感が欲しいタイプなので、観客の存在を意識させられるような大阪の席とかはちょっと微妙でしたね。
そういえば皆さんファンクラブの抽選やりましたよね?どうでした?僕は4公演も行っておきながら同じ壁紙を4つ貰っただけでした。何してくれてんねん。せめてC賞くらいは欲しかった...。

そんなことを考えながら開演前を過ごしてました。そしたら秋田さんたちが入ってきて、会場が暗転し、拍手の中1曲目が始まります。

M1.俯きヶ丘

不穏なイントロで始まるこの曲。てっきり1曲目は「クレプトマニア」か、大穴で「心層廃棄物」じゃないかなーと思っていたものなので結構ビビりました。でもこうして後から聞くと超1曲目ですねこれ。なんで気づかなかったんだ。

『いつかがまだ いつかであったとき』

びっくりした。無人から大体半年ぶりとは言え、突き刺さるような低音から入られるとさすがにびっくりする。そして紗幕には0.6てるてる君が俯きながら左右にゆらゆら揺れていました。曲が進むごとにてるてる君の揺れが激しくなったかと思えば、サビ前でフェードアウトして...

ドンドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!

始まったな〜!!これだよこれ。このサビの入り方超痺れましたね。大音量の橋谷田さんのドラムが腹に来た。抑え込んでいたものを解き放つようにサビに入り、秋田さんの力強い歌声に合わせててるてる君がこちらに迫ってきます。赤いライトで照らされたてるてる君は、俯いていたその顔を観客に晒し不敵な笑みを浮かべています。さながら秋田さんのスタンドでした。(みんな言ってるねこれ)そして曲の終わりと共にお決まりのセリフを決めて、2曲目に行きます。ちなみにガーデンシアター公演では「永遠市!」と言い忘れてました。

https://x.com/amazarashi_info/status/1730201594644607376?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg


M2.インヒューマンエンパシー

大方の予想通り、序盤にこの曲が来ましたね。秋田さん自身もライナーノーツで「永遠市における始まりの曲」としていました。書き殴ったような文字で歌詞が浮かび、てるてる君がこちらに訴えかけるように紗幕を突き破ろうとする演出は、amazarashiの”攻撃性”が全面に出ていました。最初のうちは頭突きで幕にアタックかましてましたが、いつの間にか手生えてて笑いました。君手あったの???と思う内にその手が有り得ん数に増えていました。しかも血塗れだし。めちゃくちゃ怖かった。初見のときは怖すぎてダメな人いるかもな...って思ったレベルでした。幕を叩く度に血の跡が残っていたのが印象的です。

https://x.com/tephanie_oid/status/1734437533508067467?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg

追加公演のときに思ったんですが、手の数が増えるのは、このライブに来ている観客のことを表してるんじゃないかなーと感じました。そしてその観客の僕らは「相対性人」として、この曲で「インヒューマン」達の怒りや虚しさを表現しつつ、それでも生きる力を描く1曲に仕上がっていました。『インヒューマン インヒューマン 叫べ』は僕ら「相対性人」に訴えかけるような、寄り添うような歌詞に聴こえました。

そしてこの曲は特にレーザーが綺麗だった記憶があります。♪今夜♪の部分では永遠市カラーのグラデーションで彩られたレーザーが暗転した会場全体に広がっていました。ここが特に好きで、ステージ横からスモークを焚き続けていたのもあってか、レーザーに雲のような模様が浮かんでいるようにも見えました。
そしてアウトロからそのまま3曲目へと繋がります。

M3.下を向いて歩こう

インヒューマン→下向歩のアルバム順の流れですが、爽やかな曲調だからこそ後半に来ると思ってて結構びっくりしました。イントロない曲なのでインヒューマンのアウトロからの繋がりが心地よかったですね。『深呼吸したら』で全てを理解した顔になった。そして紗幕の映像も先程とはうってかわり、青森や東京などの風景に歌詞が浮かぶ感じのものでした。「帰ってこいよ」風紗幕ですね。「やっと平和になったな」って感じです。しかもこの映像、ただの風景ではなく、歩きながら足元を撮影してるような映像でした。マンホールや点字ブロックや線路など...また「青森市」と明確に読める部分もありました。どこでそう読んだかはあんまり覚えてないです。そしてサビにかけてはレーザーではなくサーチライト?的な照明が会場全体を上から下に、様々に照らす演出でした。追加公演のときは1階席だったのもあってだいぶ目に直撃しましたねこれ。結構眩しい。間奏のドラムの切れ目にもこのライトがしっかり音ハメされててよかったです。

正直歌唱の細かいところは鮮明ではないですが、追加公演のときは全体的にエモーショナルな歌い方だったと思います。というかある意味素の姿というか。Cメロから『これは映画 じゃなく生活』にかけては、がなりのような、絞り出すような声色になっていました。その着飾らない全力な姿にうるっと来ました。アウトロは音源とは異なり、じゃーんというギターの音で終わりました。この時の秋田さんめっちゃ楽しそうで笑顔になった。
「この曲は昨年体調を崩したときのことを歌にした」とライナーノーツで語られていましたが、病をなんとか乗り越えて、ステージに立ってギターを掻き鳴らす秋田さんの姿には来るものがありました。現実や現状に直結した再起の歌として、『太陽でも照らせはしない 名もないあらすじ』を力強く歌い上げていました。

口上1

『数万kmの距離を超えて、数万文字の言葉を費やして、数万小節の音符を積上げて、今日も音楽がなって、陶酔と耳鳴りの先に過去と未来が交差して、その光に僕らは何を見る。これは映画じゃなく、生活。Live Tour 2023、名シーンだけの人生ではいられない全ての人たちへ。歌いに来ました、amazarashiです。』的な口上でした。細かい部分は違うかも。こういう口上前もありましたよね?「...歌いに来ました、amazarashiです」文脈もしっかり聴けて満足でした。『これは映画 じゃなく生活』ってやっぱり相当大事にしてるフレーズなんだなって思いましたね。そりゃこのアルバムの源流みたいなところなんだからって感じですが。そして「名シーン」と来たら次の曲は...

M4.ディザスター

『始まりは得てして些細だった』落ち着いた歌声で曲が始まりました。よく舌回るなーと思います。そりゃプロなんだからそうなんだけど。でもかなり砕けた言葉で作詞されてるイメージなので、まるで語りかけられるようにスラスラ歌詞が入ってきました。そういう意味で親近感が湧いたというか、観客と彼らとの距離が近かった曲に感じました。ゲームに没頭してた頃のこととライナーノーツで書かれていましたが、そういう辺りにも自分との近さを勝手に感じてたからかもしれません。自分を偽ろうとしない強さとそれを称えるメッセージがしっかりと伝わりました。

この曲の紗幕はタイポグラフィ全開の映像でした。流れるように歌詞が映し出され、力強さを押し出した歌詞などは紗幕全体に大きく映し出されていて、歌唱とのリンクもばっちりでした。やっぱり『(没後評価されて喜ぶ)作家なんているもんか』がデカデカと映されるのは痺れましたね。このフレーズが1番好みなもので。あと『くそくらえ』の力強さには震えました。追加公演のときの話ですが、この日は特に力が入っていたと思います。声量もそうですし声色も...あんまり上手く表現出来ないですが、秋田さんの全力をここで出すってポイントが歌唱に分かりやすく反映されてた気がします。Cメロでは井出さんのギターがめちゃくちゃ冴えてました。毎公演いい音してた。サビでの豊川さんによる♪ディザスター♪の綺麗な伸びや、各所でのハモリが超綺麗でした。豊川さんの歌声をここまでハッキリ長く聴いたのは初めてな気がします。
そしてラスサビではぐるぐる回る歌詞の中心に銃てるてる君(?)がときどき観客に向けてライフルを乱射していました。ステージ外周のライトもそれに合わせて、まるでマズルフラッシュのように光っていました。

https://x.com/amazarashi_info/status/1719739930921066499?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg


M5.14歳

ディザスターまでやったときに、そろそろ過去曲来るんじゃないかなーとうっすら思ってました。僕の個人的な予想だと「永遠」だしリビデとかかなーと。ディザスターが終わり少しの沈黙の後、聞き覚えのあるビートが流れます。

APOLOGIESのときに聴いたぞこれ!?!!!?!?!!!?!?!!!?!?!?!?!!?!?!?

橋谷田さんのドラムの入りに豊川さんのピアノが乗り、14歳のイントロになる...。あの時配信で聴いた音を生で聴ける日が来るとは思いませんでした。紗幕映像も同じものでした。いやー、というか14歳はノーマークだった。

アルバムを初めて聴いたときにも思った事なんですが、今回の『永遠市』はタイムスリップ的なものを感じさせる部分があると思ってます。過去の回想ではあるんですけど、その過去により近いものというか。特にごめオデ〜自由逃の少年期とスワイプ〜超新星の青年期感。そしてディザスターで現実に戻ってくる感じとか。だから14歳という選曲は納得性が高かったです。
そうしてよく聴いてみると今の秋田さんの正直な気持ちが現れてると思います。ガーデンシアターのときのMCでも言っていましたが、純粋に『好きな歌を歌う』フェーズに入ったのかな。その意味でこの選曲ってことだと思いました。

M6.無題

過去曲来ると毎回イントロクイズになるな。この曲は0.005秒くらいでわかりました。最初聴いてるときはなんで無題?って思いましたね正直。

ってかこれスターライトVer. MVじゃねぇか!!!!!!!!!!!!!!!!!

時間差で衝撃来ましたね。間奏のあのシーンはどうすんだろ?って思ってました。結局カットされてたけど。このMV好きなので、大画面でかつ生歌で浴びれるってのは最高でしたね。そしてMVもあると歌詞がしっかり入ってくる。普通に刺さって泣いてました。

そしてさっきの話に戻るんですが、なんでこのツアーで無題なのか。まず、『この世の余所者として』世界との対話を試みたアルバムが『永遠市』でした。周りから理解されないとか、信じてた人が離れてる状況とか、それに対して『変わってくのはいつも風景』と歌い上げるところが『余所者として』の心情の吐露なんじゃないかなって思ってます。こうして見ると、無題の主眼と永遠市の共通項が見えてきません?ライブ中そんなことを考えてたら『信じてたこと 間違ってたかな』というフレーズが聴こえてきて、これがまた効いてくる。秋田さんの表現者としての苦悩と世界との摩擦が、この楽曲を通して伝わってきました。普通に泣いた。やっぱり今回とセトリは既存曲に『永遠市』を代入することで新しい見方ができるってのが多い気がします。このツアーの前と後で、この曲の印象がガラリと変わりました。大阪公演ではその場にいるみんなが初めてだったので、心做しか曲の後には鼻をすする音が多かった気がしました。そしてその中に僕もいた。

口上2

何かが足りないような気がして...のつじつまを合わせるために...(すまんほんとに覚えてない)みたいな口上でした。4回も行ってるのになんで覚えてないんだよって言われたら、まぁ、それはそう。いやなんかさー、『つじつま』って3回くらい言ってたから、「うわこれつじつま来るやん」って思っちゃって口上が頭に入らなかったんだよね。あと普通につじつま好きだから2回目以降はつじつまが楽しみすぎて頭に入らなかったです。内容は「人生の欠落とか、足りないもののつじつまを合わせるために何かを探してる」って感じだったかな。

M7.つじつま合わせに生まれた僕ら(2017)

前の口上の時点でさすがにつじつまでしょって思ってたので意外性はありませんでしたが、いざ曲が始まると「うわ自分これからつじつま生で聴いちゃうんだ」ってのが押し寄せてきて涙腺が終わりますね。そしてメトロノームに合わせて時計の針が進み、歌い出しに入ります。この紗幕どの公演でもちょいズレてたんですけど秋田さんが歌い出すと途端に揃うんですよね。イントロの部分はそもそもズレて作ってあるのかもしれないなとか考えてました。その後も紗幕いっぱいに歌詞が浮かび、歌詞の情景をタイポグラフィで表現するタイプの映像が続きます。この紗幕、どこかで......

https://x.com/amazarashi_info/status/1734205821364703431?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg


これ虚無病の4面紗幕じゃねぇか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

これ気づくの時間差だったな。妙に見覚えあったんですよね。あの伝説的な紗幕をこの目に焼き付けることができるとはな...と勝手に感動してました。いやでもこの紗幕ほんとに綺麗で、場面転換時の繋げ方もタイポグラフィのセンスもめちゃくちゃ完成度高い。ひたすら見とれてました。特に『罪深い君も僕も』のところだった思うんですけど、一人称が3つ現れる部分が好きなんですけど、秋田さんが歌う「僕ら」の中に自分も入ってるんだなってのが実感できるから良いんですよね。

さて、ではなぜ今回のセトリにこの曲が入ったのか。前述しましたが、ディザスター後の過去曲の流れは自分の過去の回想で、タイムスリップ的な表現だと思っています。下向歩で『その方法は過去作にある』と歌ったのがある意味トリガーとして機能してるのかな。今回のツアーにおけるつじつまは、その中でも「自分の生まれた意味や生きる意味について思い悩む青年期」にフォーカスしているのではないでしょうか。昨年のロストボーイズツアーのときのアバンでもありましたが、『...結局この世界とも馴染めない』『その全てが私である』に至るまでの過程を永遠市では追っていると考えると、自身の存在そのものについて思い悩む青年期は、その中でも重要なものを担ってると思います。世界に馴染めない自分の存在は『つじつま合わせ』であると言い聞かせ、また生きるための言い訳にするところが、虚しさに抗おうとするamazarashiらしさであり、居場所がないと歌う場所を得る永遠市との共通項を示していると感じました。

M8.スワイプ

うわ......来たよ.........

誤解を恐れず言うと、マジでこの曲「うわ」すぎる。このタイミングかよ!ってのもありました。つじつまでびしょびしょに泣いてたので。嫌いってわけじゃないです。映画のこともあって、見出した希望もいつか絶望を連れてくるみたいな暗さが苦手なだけです。表現は好きな部分も多いんですが、聴いててしんどくなるんですよねー。もちろんそれだけの曲じゃないのはわかってますよ。特に永遠市におけるこの曲の役割は大きいと思ってます。アルバムで言うとスワイプ〜カシオピアの部分なんですが、明確に「再起」とか「再生産」を感じられて結構好きな流れでした。孤独や疎外感みたいな、世界と馴染めないことに対して自分の意思を決定した場面だと思ってます。セトリとしてこの場所に入った意味は君夏と関わってくると思うので後で書きますね。

紗幕映像はサマソニのやつだと思います。サマソニは行ってないので上げられた写真を見た感じそうかなって思っただけですが。ガーデンシアター公演では最後に豊川さん側のライトが会場を夕日のように斜めに照らして終わっていたのが雰囲気に合ってて超良かったのを覚えてます。追加公演では赤いライトが紗幕を檻のように照らす演出に変わってましたね。あとこの曲は豊川さんとのハモリが心地よかったです。『リライトできないシナリオ』の次の『不景気な地方自治体』は全公演で豊川さんに委ねてましたね。秋田さんが意識して力を込めて歌ってたので、歌詞の力強さがしっかり伝わりました。

M9.君はまだ夏を知らない

助かった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

スワイプの攻撃力に殺されるところだった...。♪7月の風は♪が聴こえた瞬間に君夏の優しさで助けられました。やっぱり優しいアコギのサウンドは心を救いますね。ところでこの曲の紗幕映像ですが、あまりにも出来がよすぎるのでMVになるならこれだろうなって思ってました。というのも、全体的にアニメーション仕立てで、歌詞を子供の絵日記のように出す演出だったり、Cメロの永遠市カラーで彩られた異世界の背景に佇むてるてる君だったり、演出や背景の細部までこだわりを感じてひたすら綺麗でした。思わず息を呑んだ。

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最初から最後まで、安定して優しく、それでいて芯のある歌唱でした。こういう優しめの曲を聴くときによく思うんですが、あえて平坦に歌うことで歌詞の美しさが際立ってますね。♪季節が留まり永遠ならいいな♪の儚さは、紗幕映像の美しさも相まってとんでもない相乗効果を生み出してました。その後のCメロは、アコギの綺麗な音色と秋田さんの歌声、そして最高の紗幕映像の3連最強コンボでした。これってまだ法規制されてなかったんだ。

ところで、スワイプのときに言いかけたセトリの話ですが、これはつじつま〜君夏の流れに意味があると思ってます。つじつまと君夏って、視点は違えど結構伝えたいメッセージが近いと思うんですよね。つじつまは、つじつま合わせに生まれた「僕らが」自分自身のことを歌い、君夏はつじつま合わせに生まれた「僕らに」対して歌ってるというイメージです。過去と現在の対比でもあり、秋田さんの歩いてきた道のりをそのまま代入している部分でもあるみたいな。その中のスワイプは起承転結でいう”転”にあたる部分で、その前後で視点を変え、この2曲を接続する役割があるのかなと感じました。『だって君はまだ夏を知らない たった7つしか』がキーになってると思います。人生に失望しないでという共通のメッセージの中に、それをはっきりと伝えられるまでの道のりをスワイプとして表現しているんだとすれば、この順番に結構納得がいきました。

口上3

『...永遠なんてないという諦め。でもそこにしか生まれない感情を 僕は知っている。』のとこだけ妙に覚えてた。理由は僕が月曜日のオタクだからですね。口上のここの部分で、「あれこれ月曜日じゃね???」の確定演出を頂きましたので大声をあげそうになった。口上全体では人知れない傷とか、さっき書いたようなこととかを言ってた気がする。とりあえず月曜日確定演出アツすぎた。4回も行ってんだから覚えとけよって?はい...すみません.....。いや逆にね、あと何回も行けるしなーって思ってると覚えようと意識せずに聴けるから楽なんですよね。ほんとすんません。

M10.月曜日

はい来た〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あざす
😁😁😁👊👊👊👊😁😁😁😁😁👊👊👊👊😁😁😁👊👊👊😁😁😁👊👊😁👊😁😁😁👊😁👊😁👊😁😁😁👊👊👊😁👊😁😁😁😁👊👊

この曲何から何まで好きすぎてやばい。月曜日生で聴けるだけでもチケ代元とったと言っても過言じゃないと、イントロでそう確信しました。紗幕はMVアレンジの映像で、たぶんみらすべのときと同じだと思います。白色のレーザーやライトが音に合わせて会場を照らしているのがとても綺麗でした。特にガーデンシアターは大きい会場なので、レーザーの演出がダイナミックで良いんですよね。♪普通にも当たり前にも♪の部分は白いレーザーが上向きに放たれてるのがとても綺麗で、4階席からみた東京公演のときなんか真っ白の床ができたんかと思うくらい大きかったです。追加公演の歌唱は非常に安定感がありました。ロングトーンの伸びが綺麗にでててさすがだなと思いました。アウトロではメンバー全員で音を合わせている姿が楽しそうで良かったです。下向歩のときも書きましたが、それが当たり前じゃないんだなって思うとこういう何気ない姿もジーンと来てしまいますね。

月曜日の何がそんなに好きかって、まぁそりゃ全部なんですけど、『永遠なんてないと知って誓ったそれが 愛や友情には遠く及ばないとしても』がマジで響いたからなんですよ。それは諦めでもあるんですけど、その気持ちを肯定して前に進みたいって意思がみえてポジティブになれます。そう思うのは簡単じゃないってわかって歌ってるからいいんですよね。永遠市というアルバムは、「世界との対話を試みるアルバム」と記されていましたが、秋田さんが前に進む気持ちもまた、こういう価値観が根底にあるからこその選曲だと思いました。また水谷と月野の関係性が、永遠市のテーマのひとつである「世界と馴染めない人達」と重なって『僕ら地球外生命かもね』がより重みを増していました。

ぶっちゃけ月曜日はセトリ入りするんじゃないかなって身構えてたんですよね。ここまでテーマに沿った過去曲も中々ないし、何より『永遠』って入ってる楽曲のひとつですしね。でも改めてライブで聴いたことで、より一層この曲が好きになれた気がします。

M11.海洋生命

??????????????????????????????????????
どういうこと????え?海洋生命?????

ここで?とか以前に全く警戒してなかった曲が来て心底びっくりしました。でも今こうして聴くと確かに永遠市との共通項をもつ楽曲だなと思います。だって海洋生命ってもろ『インヒューマン(直球)』じゃないですか。

この曲はとにかくかっこよかった。サビで大暴れする永遠市カラーのレーザーや、この曲でしか聴けない特徴的な歌唱。そして井手上さんも大暴れしてて見所が詰まりまくってた。このレーザーほんとやばくて、♪惑星の壊死 海の生い立ち♪辺りは青とか水色とかのレーザーがぐるぐる会場を照らしてたんだけど、♪悪心の水槽♪のところだけ紫基調のレーザーがチカチカしててすげぇ!!かっけぇ!ってなってた。

Cメロでは落ち着きつつもハイテンポな語りで観客を魅了しつつ加速度をつけたかと思ったら、『乱射する弾丸が射抜いたのは虚無主義!』で爆発させる。その圧倒的な表現力とスピード感で目が眩んだ。正直体感時間が1番短かった曲でした。紗幕映像は一人の人間が宇宙空間を漂ったかと思えば大きな渦に飲み込まれるような...そんな感じの映像でした。見た人には伝わると思う。あとこれ追加公演のときの話なんですけど、「海洋生命来るぞ来るぞ来るぞ........!」って緊張感が高まりすぎてイントロのドラムの音で全身ビクッ!!!!!!!って跳ね上がっちゃって、マジで後ろの人に申し訳ないことしたなぁとなりました。それはそれとして、円盤化したときが1番楽しみな曲です。

M12.超新星

いや海洋生命との温度差よ。風邪ひくどころの騒ぎじゃないよ。でもこの壮大なイントロを前にすると無理やりテンションを合わせざるを得なかった。『超新星』ってタイトルでここまで壮大なイントロでって、マッチング完璧すぎてほんと好きなんですよね。イントロだけで広大な宇宙の景色とその中に眩く輝く星が見える。あとなんかそろそろ終わりに差し掛かってるんだなって感じたのもこの曲でしたね。超新星もまた思ってることを正直に主張するような歌詞ですが、落ち着いたメロディーにそれを乗せることで「覚悟」が見えてくる気がしました。そして大抵そういう覚悟が決まるのは終盤なので、そろそろかなって思ってしまったのを覚えています。

紗幕は文字遊び系のタイポグラフィに、歌詞を象徴するような図形が浮かび上がるようなものでした。サビに入ると白く輝く超新星が大きく映り、会場全体を白く照らしていました。裏で映される壮大な映像の前に、amazarashiの5人のシルエットがハッキリと見える場面があってそこが凄くかっこよかったです。全体的にサウンドに合った壮大な映像が広がり、安定感を感じる一方で、『1小節で世界凍りつかせたい...〜...これは手放せない』の部分は特に力強く歌われていて、底力と人間味を存分に味わいました。ラスサビでは、それまで白く光っていた会場のライトが虹色に変わり、盛り上がりを増していました。ここほんと綺麗だった。

https://x.com/amazarashi_info/status/1732740958138376657?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg

この曲は押印の推進力が凄まじく、その代わりとんでもない滑舌負担があると思うんですが、どの公演でも最後までパワフルに歌いきる姿を見られて良かったです。東京公演ではサビの歌詞間違えて豊川さんとのハモリがズレちゃった場面もありましたが、そういうのを見れるのも僕はライブの醍醐味だと思ってます。

口上4

『あの日から始まった僕らの逃避行はまだ続いている。僕にとっての自由とは、好きなことをできることではなく、しようと思えること。あの日から僕はずっと逃げていた...自由に向かって!』みたいな口上でした。最後の部分はよく覚えています。だってもろ言ってんだもん。次の曲。うおまじか!ってなりましたよね。その話は次でもしますが。でも最初聴いた時は逃避行とか言うから来るのかと思っちゃったよね。

M13.自由に向かって逃げろ

前口上で誰もが確信したこの曲。さすがに確定演出あざすでした。個人的にはアルバムで1番好きな曲なんですけど、月曜日然り僕の好みの曲は口上で匂わされることになってるんですかね??と、そんなことを考える間もなく、口上が終わってすぐにあの爽やかなイントロが流れ始めました。このときからメンバー全員ノリノリでこっちも爆上がりしてました。

『夏は綺麗なソーダ色』っていい表現ですよね。色のないものに色のイメージを当てはめる。しかもソーダ色ってのが色として絶妙に共通認識を得られるようなラインで、しかもキラキラしてるような美しさを秘めてる言葉で。少年期を象徴したかのようなこの曲は、疾走感と不安定さを抱えながらAメロを駆け抜けます。サビでは♪1秒も♪の歌唱に特に力が入っていて、ライブならではの音を聴けたと思います。ステージ外周のライトが、サビに入るタイミングで観客側に向けて戸が開くように動いていたのも印象的でした。全体を通して、『逃げろ』と表現するその危うさも優しさも全部詰め込んだような歌声に聴こえました。自由逃はその危うさや脆さが光る曲だと思ってます。そしてその後に続くCメロも♪夕焼けに誓ったんだ♪に向けてパワーを解放するように歌い、ラスサビまでパワーを落とさず駆け抜けました。どの曲でも言っていますが、こういう細かい表現力がすごいですよね。追加公演は特にそれがハッキリしていたと思います。

紗幕映像を制作された方はXで「川を進んでいく疾走感を表現した」と語られていましたが、まさにその通りの映像になっていました。曲全体の雰囲気を上手に反映した映像に、歌詞が次々と浮かびながら消えていくような作品でした。僕は特にサビの『自由に向かって』で出てくる
_人人人人_
> 自由 <
 ̄Y^Y^Y ̄
の部分が超好きですね。向かいたくなるので。あと『幼い日の化け物屋敷』で出てきたお化けもお化けも可愛かったし、『あの日見下げてた大人だ そんなまさかって泣き叫んだ』の部分で見下げてためが潤んできて泣き出すって演出がほんとにいいなって思いました。これいいとこ上げだしたらキリないですね。ほんとに好きな紗幕映像です。そしてアウトロで秋田さんがもう一度マイクの前に立って...

M14.空に歌えば

アウトロのジャーンってやつが終わらないうちに秋田さんがマイクの前に戻ってきた瞬間にわかった。これ空に歌えば来るわって。そう思った0.5秒後に

『虚実を切り裂いて!!!!!!!!!!!!』

はい来た!!!!!!!!!!!ほら見た事か!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
去年も見たぞこれ!!!!!!!!!!!アウトロから入るやつ!!!!!!!!!!!!!!!しかも空に歌えばで!!!!!!!!!!!
でも自由逃→空に歌えばの流れってほんとに完璧なんですよね。というのも、空に歌えばの主眼は「不確定な未来に対して足掻くこと」に留まっています。それがハッピーエンドをもたらすかはまだ分からないけど、今はただ足掻くんだという曲。だから、やりたいことをやりたいと思えるようになる為の「自由」に向かって進んでいた秋田さんの軌跡と、これからの意思がこの曲の流れに込められているんですよね。ある意味この曲が、このツアーの結論のひとつなんだとも思いました。『後悔も連れ立って』、未来へ進んでいくという意思表示をしっかりと見届け、これからも応援していこうと思えました。

もうこの曲も人生で何回聴いたかわからないですからね。生で聴くのだって結構経験してきたけど、その度新鮮なパワーを貰えてます。それに秋田さん達がこの曲やるときいっつも楽しそうでいいんですよね。今回も自由逃から繋がってるのでその疾走感を保ったまま全員が大暴れしてました。そしてラスサビの足上げ田さんも健在。紗幕に関しては特に言及しませんね。いつものやつです。ロスボツアー見てください。

M15.美しき思い出

空に歌えばから割と間髪入れずにイントロが流れました。パってこの曲だ!ってならなかったので一瞬すげぇ困惑したんですが、直後にとんでもない衝撃が襲ってきました。いや美しき思い出!?ここで??まじで?

『この世界に嘘しかないなら...』と歌い出すと、紗幕にはギターが寂しげにぽつんと置かれた部屋が映し出されていました。追加公演のときはこのAメロの『忘れたいこと 忘れたくないこと』が話し声のような優しい歌声で、いい意味で脱力していたというか、自然体に聴こえました。それが美しき思い出で出るってのがエモいですね。自然と過去を思い浮かべながら歌っているのかもしれません。曲が進むごとに歌詞がその部屋の窓や壁に浮かんでは消え、曲中盤ではあるものが映し出されます。

このポスターどこかで見たことあるな...?

『忘れたいこと 忘れたくないこと』サビのフレーズと共に映し出されたそれは、CHAMELEON LIFE時代のジャケ写そのものでした。(CHAMELEON LIFEとは秋田さんが昔東京でやっていたバンドの名前です。詳しいことは調べたら分かります。)
いや美しき思い出って.....!!!!いや!!!!!もう涙腺終わった。人間って普段こんなに水貯めてるんだってくらい涙出た。多分瞬間的に10kgくらい痩せてたと思う。そしてこの曲で最も好きでかつ、この曲の鍵となっているフレーズ『ありがとう ありがとう 大嫌いだよ 美しき思い出』が来てしまい、身体中シワッシワ。終わった。いやそれはずるいよ秋田さん。未来に進む意志を歌い上げたところでそれは本当にずるい。泣きにおけるレギュレーション違反でしょ普通に。これを許したらこの国は終わる。

『ありがとう』『大嫌いだよ』過去に手を振るようで、そっと抱きしめるようで、この歌詞はほんとに凄いなとつくづく思います。ここにこの曲の全てが詰まっていました。『永遠市』においてもこのフレーズの存在はとても重要だと思っています。去年の病から再び立ち上がることが出来たのは『思い出』があったからじゃないかなと推測してるからです。確か過去に背中を押されたみたいなことをどこかで言ってませんでしたっけ。そんな『ありがとう』と『大嫌いだよ』を繋ぐ気持ちを秋田さんの姿から感じました。

そしてその後はライブアレンジで『忘れたいこと』を繰り返し叫びhiAのシャウトをキメて曲は終わりました。『忘れたいこと』を繰り返すときに紗幕にはさっきの部屋のギターが映し出されていて、秋田さんの過去とのリンクを明確に意識した表現をされていました。秋田さんも絞り出すような力強いシャウトで『美しき思い出』に別れを告げているようにも見えました。

MC

11/1 大阪

『体調崩したときに、「もうダメだ」って自分と、「いやいやまだ行けるでしょ」って自分が2人いて、前者がギリギリ勝ったから今ここに立ててます』みたいなことを言ってました。美しき思い出を聴いた後だったので、そういう過去たちに背中を押されて今立ってるのかなとか、勝手に考えて勝手に感慨深くなってました。
『次の2曲も自分の中では両極端な曲で、そういう2人の自分を表していると思います。大阪、ありがとうございました。』的なコメントで口上に移りました。

11/3 名古屋

『タケと一緒に美しき思い出やったら、ちょっとグッときちゃったじゃん笑』的なMCでした。

え今笑ったよね!?!!!!?!?!?!?

と思っていたらそこに被さるように豊川さんの笑い声も聴こえてきて、情緒が死にました。マジで豊川さんのマイクいい仕事してたな...。正真正銘激レアMCでした。映像に残らないのが惜しいですね。てか普通にその流れで美しき思い出に言及するのやばすぎるって。MCでも泣かされてDV被害者みたいになってました。あと名古屋のMCは他に何か言ってた記憶が無いです。衝撃で覚えてないだけかもしれないけど、あと2曲ってのも言ってなかった気がします。

11/25 東京

『最近よくインタビューとかで「目標はなんですか」と聞かれることが多いんですけど、その時はいつも「一生音楽をやること」と言ってたんですけど、今回はそのスタートラインにたった気がして。
「七号線ロストボーイズ」ってアルバムは、名曲を作ろうって気持ちで作ったんですけど、今回はそういうのから抜け出せた気がして。それでスタートラインに立ったんだなと思いました。ラスト2曲、ありがとうございました。』的なMCでした。目標自体は前からあったみたいだけど、去年のこととか、そこから再起したこととかを経て意思が固くなったみたいで感動してました。秋田さんが立ち上がってくれて良かったなというか...。これからも進み続けるamazarashiが楽しみになるようなMCでした。あとやっぱり七号線ロストボーイズは名盤の自覚あったんだねどころか名盤にするつもりで作ってたんだねって思って笑っちゃった。

12/11 追加公演

『このツアーが終わったら「永遠市」ってアルバムは完成すると思ってて...。あと2曲やったら、完成です。
〜クソ長沈黙〜
「永遠市」ってアルバムは、わいにとって前に進むための意志です。またやりたいことも見つかったので、来年、再来年も、よろしくお願いします。ありがとうございました。』的なMCでした。「永遠市」というタイトルの作品が「終わることで完成する」っていうアンチノミーを見つけてウォーってなってました。日記でもそんなようなことを言ってましたね。あとやりたいことってなんだろう。月曜日で『将来の話はもっと嫌い』って言ってた秋田さんが前向きに未来の話をしてると涙腺にくるな。また大きいイベントやって欲しいな。

口上5

『あの日から変わらない自分と、変わった自分が2人、相対する。』的な口上だった。ごめんもっと長かったんだけど思い出せないや。この部分は大阪のMCで言ってたことだなって思って覚えてた。で、じゃあその両極端な2曲ってなんだろうとか考えてたんですけど、よく見たら秋田さんギター持ってないんですよね。これってもしや...

M16.ごめんねオデッセイ

ギターなしの手持ち無沙田さんが歌い出したこの曲。やっぱりか!って感じでした。紗幕映像には再びてるてる君が出てきて、周りに浮かぶ歌詞をコードで指さしていました。青白い映像に白いライトが重なって『行けども行けども振り積む雪ばかり』の歌詞のように、まるで雪の中を進むような情景が浮かびました。『くそくらえマネタイズ』や『くそったれ奴隷化』などでがなるような歌声を響かせたと思ったら、♪木漏れ日を♪の部分であまりにも綺麗なロングトーンを響かせてきて、手札の多さを改めて実感した1曲でした。押韻の推進力を最大限に生かし、ところどころ裏返ってしまうような歌唱を浴びて、その魂を削りながら進んでいく姿に『永遠市』が完成されていくようなスピード感を感じました。また、ラスサビのロングトーンは会場全体が陽の光のように眩しい白い明かりに包まれて、それを切り裂くように響くパワフルで優しくもある秋田さんの歌声こそ僕たちにとっての『木漏れ日』なんだと強く感じさせる歌唱でした。ちなみに手持ち無沙田さんはCメロで居なくなり、そこからはギターを構えた秋田さんが立っていました。

https://x.com/amazarashi_info/status/1720396768003989814?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg

ところで、『オデッセイ』とは「長い冒険旅行」という意味だそうです。自分が進んできた道程を『オデッセイ』として、挫けそうな思いを正直に吐き出した曲が『ごめんねオデッセイ』のように思えました。『ください ください 木漏れ日を』というフレーズが、この曲を通して「何かに縋りつきたくなる弱さ」から「光を求めてなんとか前に進もうとする強さ」に変わっていくのかなと、聴きながら思っていました。MCで『両極端』と言っていた一方がこれっていうのはかなり納得性が高かったです。

口上6

『数万kmの距離を超えて!数万文字の言葉を費やして!数万小説の音符を積み上げて!今日も音楽がなって!その陶酔の耳鳴りに 僕らは一瞬の夢を見た!』
『埋め合わせようのない欠落も、永遠なんてないという諦めも、全部捨てて逃げだした臆病さも、それに背を向けて前に進む。繰り返しの日々の中で道に迷い、手持ち無沙汰に探ったポケットの中に、今日の言葉たちが一欠片でも残っていますように。』
『夜の隅っこで泣いていたあなたへ。どうか、どうか』

『生き延びて』

今これ書きながら泣いてます。途中怪しいけど確かこんな感じだった。「生き延びて」なんてさぁ...。しかもこの口上は途中からピアノの旋律が流れていて、それが『生き延びて』でアンチノミーのイントロになるんですよ!これがもう刺さりすぎて一気にアンチノミー好きになった。こんなんされたら好きになるわ。
そして過去の口上がここで繋がるのもめちゃくちゃいいんですよね。秋田さんもMCで言ってたけど、『永遠市』がひとつに纏まって完成していくみたいだった。

M16.アンチノミー

前口上で流れていた旋律が繋がり、アンチノミーに収束しました。ドラムの強いサウンドとキーボードの切ないサウンドが流れ、いよいよツアーのエンディングに入ったんだと実感させられます。紗幕の奥にはベールを被った謎の生き物が登場し、その前面には日本語と天使文字で描かれた歌詞が交互に現れます。曲が進むうちにその生き物は機械生命体だと判明し、彼は自我の芽生えに苦しむような素振りを見せます。そしてまた曲が進むと、機械生命体の奥にてるてる君が現れ、彼が機械生命体を人形のように操っていたのだと判明します。必死に抵抗するうちにノイズが増え、機械生命体もまた紗幕を突き破ろうとこちら側に訴えかけてきます。紗幕にヒビは入りますが、次第にその姿もノイズにかき消され見えなくなっていく...。

https://x.com/amazarashi_info/status/1728363301938380967?s=46&t=jk1c_Fn8kL4vZemvRjZWXg

ここで登場したてるてる君はおそらく『俯きヶ丘』や『インヒューマンエンパシー』でも登場したそれと同じだと思いました。最初と最後でここまでしっかり文脈を繋げてきたことって今までありましたっけ?初見の時はめちゃくちゃ感動しました。

バンド演奏アンチノミーを聴いたのはこれが初めてでしたね。正直イントロに入るときには口上で涙腺ボロボロだったから意識をそこまで向けられてなかったけど、でもここで最後やるならこれしかないなって思えました。この曲が発売されて最初に聴いたとき、「NieRに対する主題歌としては凄くいい表現がされてるとは思うけど、amazarashiの歌としてのリンクがわからないな」というのが正直な感想でした。アルバムの永遠市に入ったときも、入ってる意味を掴めずにいました。でもこのツアーで、このセトリでトリとしてこの曲を生で聴いたときに、この曲がamazarashiの楽曲としてどういう意味を持つのかとか、永遠市に入ってきた理由がわかった気がしました。そしてそれが「たとえ世界に拒絶されても、今進む道が間違いかもしれなくても、前に進む意志を持って生きていく」という、これまでのamazarashiからも貰ってきたメッセージであることに気づいて、この曲が好きになった気がします。そしてアウトロのアレンジで『感情は持たないでください』のシャウトを浴び、無事に涙腺をぶっ壊したところで

『Live Tour 2023 永遠市 東京 国際フォーラム』

『ありがとうございました!』

ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

終演後

いやー泣いた泣いたと思いながら写真でも撮ろうと思ったら会場に流れてるんですよ。『まっさら』が。いや、ここで流す!?!?!?!?!?!?????!!?!!!そんなセンスいいことある!?!?!!?!?!?!!!!?!!!?!

『君の目は真っ赤だ 何があった涙』じゃないんだよな。あんたらのせいだからねこれ。
いやでもこの時の自分は、ライブ終わっちゃったなーって喪失感よりも、貰ったものがデカすぎてそれを上回る多幸感で包まれてました。エグいライブだった。

ちなみに国際フォーラム公演だけ終演後に『まっさら』流してくれなかったんですけどなんでですかね。

最後に

ここまで読んでくれたあなた。お疲れ様でした。『永遠市』が完成した瞬間を見届けられたことは自分の一生の誇りになると思います。このライブを通して、秋田さんの生き様やこれからへの意志をしっかりと受け取れました。特に『美しき思い出』がハチャメチャにずるかった。あの演出も円盤で見たら泣くんだろうな。あと最後の口上。あれは死ぬ瞬間にフラッシュバックするやつだな。

きっとまた冬は来る。名シーンだけの人生ではいられないけど、あの日の言葉たちをポケットに詰めて、生き延びたいと思います。

これは映画 じゃなく生活

「下を向いて歩こう」

では、ありがとうございました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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