見出し画像

マンドリン用語辞典 ―20余年前の個人サイトから―

“気まぐれRhythm“のアーカイブに、用語辞典のページが残っていました。
20年以上前の一学生の戯れですが、ここに記録しておきます。

いま読み返すと、どうなのかと思う記述もありますが、資料価値を優先し、当時のまま掲載します。

ア行 

A線

マンドリンでは2番目に音が高い弦。
左手を押さえずに弾くとAつまりラの音なためA線(アー線)と呼ばれる。
ドイツ語読み3種のうちの一角。
とはいえエー線と呼んでも、通じるのなら問題はない。
チューニングで基準となる弦である。 

足台

楽器を構えやすくするために足を乗せる台。
これを使わない場合は脚を組むことで対応される。
上げる足は個人の趣味に任せられるが、ギターで右脚を上げる人はまず見かけない。
ただし、古いものだと演奏中、高らかな破壊音とともに足台がつぶれる場合がある。
要注意。 

曲の初めの部分のこと。
多くの場合、冒頭部分には練習番号が付けられていないために、
何らかの言葉を当てはめる必要に駆られたものと思われる。
合奏などで「頭から行くよ~」などというように使われる。 

accel.

accelerando(アチェレランド)の略で「だんだん速く」の意。
読み方は「アクセル」ではない。 

アンサンブル

本来は「合奏」の意だが、指揮者を立てない小規模編成を表すことが多い。
個人個人の技術が露見してしまうため、結構冷や冷やものだったりすることも。

E線

マンドリンでは1番高い音の弦。
他3弦はドイツ語読みなのにも関わらず、E線だけは英語で発音されることが多い。
「エー」ではAと混同される恐れがあるため、それを避けるようにとの配慮だろう。 

井上さん

伝説の人。 

歌う

主にメロディパートで用いられる演奏表現。
「歌うように朗々と弾く」というのがその大意。
必ずしも弾き語りを強要するものではないが、
別に歌っても構わないと言えば構わない。 

英雄

行進したり葬送されたり結構忙しい人。 

音取り

文字をそのまま解釈するとなかなか謎だが、要は運指を確認する作業。
これをせずには先に進まない。地道に頑張りましょう。

 カ行

 楽譜

これがなくては始まらない。
その分量はパートによって大きく異なる。
基本的にセロ、ベースは少なく、ギターは多い。 

風邪ひき弦

いわゆる不良弦。
某ギター弦では、1箱に1本(良い弦が)あれば良いとされる。 

合奏

みんなで合わせて弾くこと。
もちろん、ただ音を合わせればよいだけのものではない。
某団曰く、「弦と弦、心と心のハーモニー」。 

グリッサンド

弦上で指を滑らせる奏法。
単調な練習に疲れた人は何気なくよくやっているが、実際の曲ではあまり用いられない。
やりすぎると嫌味なせいもあるだろう。
ただし、指がついていかない速弾きのところでごまかすために使う人は多い。 

G線

マンドリンでは最低音弦。
この弦はやはり「ゲー線」と読む。
一番太いため一番弾きにくいが、マンドリンのそれはまだ可愛いものである。
1stだと、滅多に触れることはない。 

弦交換

弦が切れたときに換えるのは当然。
しかし弦は消耗品のため、1~2ヶ月ごとに換えることが望ましい。
とはいえ弦は結構高価なため、なかなかそうもいかないのも事実。
ついでに、不良弦をつかまされたときは嫌になる。
噂によると、中古の弦を鍋で煮ると、短期間だけながら、新弦のような音が戻るらしい(未確認)。 

弦伸ばし

新しく張った直後の弦は、弦が伸びるためどんどん音が下がる。
それでは演奏に差し支えるため、人為的に伸ばして被害を最小限に食い止める作業。
心身共に大きく疲労するが、張り方次第では大いに改善されうる。 

個人練

ちゃんと弾けないところを中心に、個人個人で練習すること。
しかし、ついつい好きなフレーズばかり練習し、
弾ける弾けないの差がますます広がってしまうことも。 

コンマス

コンサートマスターの略。
多くの場合、1stマンドリンのパートリーダーがなるが、決まりではない。
指揮者と並ぶ、曲作りの面での偉いさん。 

コンミス

女性のコンサートマスター。もちろんこっちも偉いさん。 

サ行 

3弦

3番目に音が高い弦。
ギターではナイロン弦の中で一番太い。
歴戦の猛者でも、この弦を切る人はそうそういないと思われる。 

序曲

曲名として頻繁に見受けられる。
しかし、歌劇の序曲だったり、タイトルがただ「序曲」だけだったりと、
それだけでは誰の曲なのかさっぱり分からない。 

スケール

「規模」だったり「定規」だったり、はたまた「鱗」だったりといろんな意味のあるが、
この世界でのスケールとは基本的に運指練習のための基礎練のこと。 

スコア

楽譜のこと。多くの場合、指揮者用の総譜を指す。
練習が進むにつれ書き込みだらけになるため、部外者は見ても判読不可能。 

ソロ

その名の通り一人で弾くこと。
責任重大だが、弾きこなせると格好いい。
やりたがる人と、絶対に嫌という人の2通りに分かれる。 

タ行 

叩く

指揮者がタクトを振らずに譜面台などを叩いて拍を取ること。
多くの場合、奏者が弾けていないときに用いられる。 

打点

1.指揮者がタクトを振り、拍を刻む点。
2.打者が走者をホームインさせてあげた得点の数。 

チューナー

チューニングをするための機械。
値段にはピンからキリまであるが付加機能の差。
デジタルの場合、質には大差ない。 

チューニング

調弦のこと。
できる限り合っているのが理想だが、すぐに変動するため、なかなか難しい。
とはいえ、チューニングが合っていないと、演奏後かなりの批判を浴びることになる。 

突っ込む

1.「飛び込む」と同義。本来入るべき箇所からフライングして弾いてしまうこと。
2.関西圏での礼儀作法。 

定演

定期演奏会の略。
多くの場合、その楽団にとって最も重要なステージである。 

D線

マンドリンの第3弦。
おそらく弦名のドイツ語読みを始めさせた最初の弦だと思われる。 

トップ

パートリーダーと同義。そのパートで一番上手い人がなる。
「トップ席」と言われる場所に座り、そのパートの中心的役割を担う。
ちなみに2番目に上手い人はサブトップといわれ、トップの隣に座る。 

飛び込む

「突っ込む」の1と同義。緊張感を壊すこと請け合いである。 

トリル

ヴァイオリン属との違いを痛感する奏法。 

トレモロ

撥弦楽器であるマンドリンは音の持続性に欠けるため、長音はトレモロで奏される。
小刻みに連続して弾弦するため、腕は疲れる。 

緞帳

演奏会場で、舞台と客席とを仕切る分厚い幕。
演奏後に下ろされる場合、指揮者は頭をぶつけないよう、細心の注意が必要となる。 

ナ行 

中野二郎

日本マンドリン界の大巨匠。
その楽譜は見慣れるとすぐに判断がつく。 

ハ行 

パートリーダー

トップと同義。 

パー練

パート練習の略。
パートごとに弾けていないところ中心に行われる。
ただしベースの場合、パー練と個人練に差がない場合がなきにしも。 

走る

本来のテンポより勝手に速くなってしまう現象。
走りそうなところでは指揮者をちゃんと見ないといけない。
余談だが、箏曲部の人には「走る」という言葉は通じなかった。 

速弾き

その名の通り速く弾くフレーズ。
自信がある人にとっては実力を誇示するいい場である。 

pp

ピアニシモ。「ごく弱く」の意。
弾き真似をしろという指示ではない。 

p

ピアノ。「弱く」の意。
ただ「弱く」とだけ言われても、人によって取り方が違うため難しい。 

piumosso

ピウモッソ。「ただちに速く」の意。
「限界まで速く」ではない。 

ピック

小さいくせしてやたらと高いもの。
楽器店で買おうとすると、まず間違いなく「これは○○円のなんですけどいいですか?」と確かめられる。
とはいえそれは鼈甲製での話であり、セルロイドなら問題はない。 

ピッツ

ピッツィカート。指で弦を弾く奏法。
「pizz」と指示されるが、手書きの楽譜では「p.122」と見えることがある。 

一人弾き

楽団によっては、演奏会の直前に実力の確認と度胸付けのために催される儀式。
合奏中に突然始まることもある。
あがり症の人にとっては凄まじい圧力である。 

f

フォルテ。「強く」の意。
「好きなだけ出せ」と似た意味。 

ff

フォルテシモ。「ごく強く」の意。
「出せるだけ出せ」と似た意味。
ただしfff以上が鎮座されている曲だと、それに向けての余力も残さなくてはならない。 

舞踊風

番号を言わなくても、自然と「2番」だと認識される曲。 

振る

指揮者がタクトを振って練習すること。
このためにはある程度奏者が弾ける必要があるが、
指揮者が正確にテンポを刻めなくてはお話にならないことは言うまでもない。 

ブレス

曲の入りやフレーズの変わり目など、必ず合わせなければならないところで使われる。
風邪ひき中は注意が必要。 

変拍子

リズム取りが辛い部分。 

マ行 

My楽器

1.やっぱり1台は欲しいもの。
2.その値段に挫折するもの。 

mp

メゾピアノ。「やや弱く」の意。
mfとほとんど区別がつかないもの。 

mf

メゾフォルテ。「やや強く」の意。
mpとの差別化が困難なもの。 

メトロノーム

1.正確なテンポをつかむために有用なもの。
2.奏者の実力を冷徹に計ってくれる恐怖の器械。 

メロディ

1.伴奏をずっとしていると、一度は誘惑にかられるもの。
2.伴奏をずっとしていたら、ついに誘惑にかられたもの。 

もたれる

正規のテンポより、勝手に徐々に遅くなる現象。「走る」の逆。 

ヤ行 

ヤスリ

ピックから爪まで、あらゆるものの形を整えてくれる道具。
ただし削りすぎに注意。 

ベースを弾くための道具。
擦弦楽器を弾かない人にとっては信じられないような高額商品である。 

「夢! うつつ!」

全然「夢うつつ」となりそうじゃないタイトルな曲。 

ラ行 

6弦

ギターの最低音弦。
太いから切れにくいと思いきや、意外と切れて驚くことになる。 

リュート

1.吟遊詩人に似合うもの。
2.弦が10本あることに驚かされるもの。 

ワ行 

和音

ギター譜で乱舞しているもの。
まれに人間工学上不可能な組合せが見受けられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?