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キム・ガラムというK-POPの逸材が失われてしまったことについて


7月20日にHYBEとSOURCE MUSICがルセラフィムのキム・ガラムの専属契約を解除することを発表した。

活動休止の時点で、今後復帰することは困難だと思ってはいたものの、個人的にはやはりショックが大きかった。

ルセラフィムというグループの今後に関してはそれほど心配はしていない。
ガラムの活動休止後の5人体制でのパフォーマンスは、6人の時と比べても遜色は無かったし、むしろバランスが良くなったようにすら感じられた。

ルセラフィムは5人になったことで、より多くの人に分かりやすく伝えられるグループになったといえるのかもしれない。


僕はデビュー前にガラムを初めてティザーの写真や動画で見た時に、これまでにあまり見たことのないタイプの凄い逸材が出てきたという衝撃を受けた。


ガラムの情報が更新されるたびにこんな風に大騒ぎをしていたのが、やや気恥ずかしいものの、今も思いはこの時と変わっていない。


僕はルセラフィムに関して、デビュー前は当然のように咲良とチェウォンを中心にしたグループになると思っていた。
しかしガラムの存在感を目の当たりにしてその期待はいい意味で裏切られた。

さらにデビューイベントにおけるカズハのティザーだけでは分からなかったパフォーマンスの輝きを見て、将来的にはガラムとカズハがルセラフィムの両輪になるのでは、とすら感じた。

すでに完成形といっていいカズハに比べれば、ガラムはまだ発展途上の段階にあることを感じただけに、ガラムが経験を積みスキルを上げ、あのビジュアルが更に磨き抜かれていけば、ガラムとカズハはKPOPガールズグループの最強の両輪になり、ルセラフィムはこれまでに見たことのない強力なグループになるはずという期待を抱いた。


しかしその夢は水疱に帰してしまった。


ガラムはある意味で劇薬のような存在だったのかもしれない。

メンバーとのやり取りなどを見ても、やや危うさを感じる側面もあった。
一般的なアイドルとは異質なパーソナリティを有しているようにも見えたし、あるいは身近なスタッフなどは不安に感じていた面もあったのかもしれない。
しかし他のアイドルとは違うからこそ、その輝きがより一層引き立っているように思えたし、ガラムを見てしまったらアイドルグループに加入させるのは当然の選択だったのだろう。



ガラムの疑惑が浮上した時に、僕は懸念から下記のようなツイートをしていた。

しかしそのままデビューする流れになり多少の不安はあったものの、業界最大手の事務所の判断なのだから何らかの勝算はあってのことなのだろうと思っていた。

結果論ではあるがこのような事態になってしまった以上、HYBE・SOURCE MUSICのガラムのデビュー活動を強行したことは誤りだったと言わざるを得ない。
デビューの活動を最初から辞退して、騒動が沈静化したところで検証をしていけば、この状況は防げたのではないかという思いが湧いてくる。

もっと時間が経ってから今回の疑惑が出てきたり、あるいは他の問題を引き起こすことによって今以上にグループにダメージを与える事を避けられたという見方もあるのかもしれないが…


今回の結末には色んな面でモヤモヤした感情が残った。

キャンセルカルチャーはアメリカで発展し、今やそれが世界中に伝わっている。
アメリカ社会にはキリスト教の重要な価値観である“赦し”の感覚のせいなのか、キャンセルされた人間にもセカンドチャンスが与えられるケースが多い(その一方で、ハーヴェイ・ワインスタインやR・ケリーのように、カルチャーの世界で超一流の仕事をしてきた人間であっても、女性の人権を蹂躙するような犯罪行為を数多くしていたことが認定された場合は、その存在すら抹消されるような厳しい側面もある)。

韓国におけるキャンセルカルチャーは本場のアメリカ以上に激烈なものになっている。
疑惑が上がったら徹底的に糾弾して、相手が社会的に抹殺されるまで追い込んでゆく。その追い込み方は論理より、その時の感情が優先されているようにしか見えない(日本におけるキャンセルカルチャーも、一時的な感情の吹き上がりによって対象を徹底的に追いつめていくという点でよく似ていると思う)。

今回のガラムの騒動も成功してる人間に対する妬んで引きずりおろすという、ここ最近しばしば見受けられる流れが今回も繰り返されたという印象しかない。

こういう擁護めいた事を言えば、被害者に対する視点が欠けているという指摘もあるのかもしれない。

しかし本人が説明することすら許されないような空気感の中では、まともな検証や議論など出来るはずもなく、この状況では被害者に対する視点を持ちようがない。

ここまで炎上してしまった以上、会社としてもアイドルとして活動させることはもう出来ないし、本人的にもこの状況に居続けることはもう耐えられないということで必然的に契約解除という結果になったのだろう。

16歳の少女が13歳の頃にやった行為、しかも疑惑の段階であるにも関わらず、それを徹底的に追いこみ本人の夢や仕事を奪うことが本当に社会正義と言えるのだろうか?
僕には魔女狩り裁判のような薄気味悪いものだとしか思えなかった。

事実をしっかり検証した上で、それに対する本人の態度を見てセカンドチャンスを与えるべきかどうなのか、冷静に議論していく必要があるはずである。
一時的な感情の吹き上がりでSNSを使い徹底的に対象を糾弾し追い詰め、仕事を奪い社会的に抹殺するという行為を繰り返していけば、間違いなく社会は荒廃していく。というかすでにそういう状況になってしまっているのかもしれない。


今回の件は個人的には大きな損失だったが、強いてプラスな点を挙げるのなら、わずかな期間ではあったもののガラムがアイドルとして活動する姿を見ることが出来たことだ。状況によってはそれを見ることすら叶わなかった可能性もある。


僕にとって6人グループとしてのルセラフィムの最も幸福な光景はM COUNTDOWNでの「Blue Flame」のパフォーマンスだ。

ガラムのアイドルとしての圧倒的な資質の片鱗が見えるし、ルセラフィムが最強の6人グループになる予感が充満している。

キム・ガラムという美しい少女の今後の人生が幸多からんことを祈る。


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