歌詞用の詩5: 夏のぬかるむ

ビルの隙間で 
子供たちが
透きとおっていく
すきなけはい

冷蔵庫で 
いくらたちが
みを垂らす
すきなにおい

耳をくすぐる 
藪蚊やぶか辻惑つじまどいは
眠りの浅い僕らだった

排水溝で 
黒光りが
汗をぬぐう
すきなけはい

枕元で 
太陽たちが
よだれを煮る
すきなにおい

息も継がぬ 
薮蝉やぶせみ謳歌おうか
眠りの浅い僕らがいた

とろけるほどの 
夏のくぼみで
うっとりしていた
君と、僕を、見分けられない

とろけるほどの 
夏のぬかるみで
うっとりしていた
君とはいつも一緒だったね

眠りの浅い僕らがいた

波の向こうで 
KとKたちが
昇天する 
すきなけはい

真朝まあさの穴で 
真朝の腹が
食べ残した 
すきなにおい

カレンダーも 
気怠けだるそうにふわふわ
それは
眠りの浅い僕らだ

眠りの浅い僕らがいた
眠りの浅い僕らはいた
眠りの浅い僕らわいた


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