身体としての夢

夢のなかでは、景物は身体であり、身体は景物に映し出される…無論それは、見えざる身体、拡張しあるいは収縮する、場合によっては凍結することもある身体、無意識によって把握された原初の身体のことだが…ある日みた夢のなかでは、見なれたはずのアスファルト道が、どういうわけか泥濘のような状態になっていた。いや、泥濘というよりモグラが地下を掘って進んだ跡の、ふかふかした土のようだった。踏み込むと土は陥没し、浅い地下空間に足が捕らわれる。歩きにくいことこの上ない。ぼくはなかなか前に進むことができない。その地下空間を覗き込むと、どういうわけかブロッコリーのような野菜が規則的に並んでいるのが見える。足元の地下に菜園が?ぼくは本能的にそれらの野菜を踏まないようにして歩いた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?