見出し画像

#069セイント・モードと信仰

ところで,A24という映画やTV番組の製作出資配給会社はご存知ですか?
脳内報酬系のA10神経とはおそらく関係がありません。

A10神経は,ドーパミンが関与する神経系であり,
シンジくんとエヴァンゲリオンのシンクロとも噂される神経ですが,
今回の話題とは関係がありません。

さてさて,A24と言えばこれまでにnoteに記してきた
ヘレディタリーの製作配給やミッドサマーの配給をしてきた会社です。
A24配給の新作(2019年にイギリスで公開?)映画が
日本でもデジタル配信が始まりました。

その名もセイント・モードです。

この物語は,看護師の主人公が在宅ケアに従事する中で,
自身の信仰と現実の間で揺れ動く様が描かれています。

ヘレディタリーやミッドサマーと比較する意味もないのですが,
あえて共通点をあげるとすれば客観と主観といったところでしょうか。
3作品は主観の使い方がとても秀逸です。
客観世界と主観世界の双方にどれほどの意味があるのかについて,
皮肉を交えながらガツンと投げかけてきます。

特に今回のセイント・モードのラストは圧巻です。
もちろんラストを見れば良いというわけではなく,
そこまでの経過を踏まえたラストであることは間違いありませんが,
うわってなるかんじです。

信仰について軽々しく論じることはできませんが,
主観世界としての信仰については救いの一面を持っていることは
疑いのようない事実だと思います。

現代世界についてたかだか数十年の話であって,
パンデミックによって大きく世界の様相が変わりましたが,
それも長い歴史でみれば1つの出来事でしかなく,
人類は長い歴史のさまざまな出来事のなかで信仰と共にありました。
その中で,長い歴史の一時点を切り抜いた客観で
信仰を評価することにどれほどの意味があるのかは難しいところです。

そんなことをあれこれと考えさせられるのが,
セイント・モードを試聴しての感想です。

相変わらずモヤッとを残してくれるA24ですが,
今後に期待です。

ノンフィクションとフィクションのボーダーラインっ!
(20211008作成記事)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?