断片小説 炙った烏賊を下さい
「楽しすぎてさっき考えたセリフ忘れちゃった。ナウでモガでモボのヤングな台詞だったのよー」
「炙った烏賊を」
女は無口になった
20分後
「俺の背中の孔雀の話をこないだ聞いてたな。どうして鳥さん目がないの?って」
「マスター、炙った烏賊を!」
10分後
「本当の宙返り見たいでしょ♪いいよ。いまからやるよ。トリプルアクセルからの織田信…」
「炙った烏賊を」
15分後
「焼き鳥になっちゃったのかな。それとも、羽ばたいちゃうのが怖いのかな」
「もう、羽ばたいたんだよ。今は、居ない