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神奈川フィル みなとみらい第363回定期

2020年9月5日(土) 14:00- みなとみらいホール

8月22日から2週間後、9月の定期演奏会。今日の指揮は2022年度から神奈川フィルの音楽監督への就任が発表された沼尻竜典さん。発表後の初登場で期待感は大。演目はオール・ロシア・プログラム。ストラヴィンスキー/若い象のためのサーカス・ポルカ、ショスタコーヴィチ/交響曲 第9番、グラズノフ/アルト・サクソフォーンと弦楽のための協奏曲、ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1919年版)。

サーカスポルカは最初は吹奏楽のために書かれた。その後、作曲者自身により編曲。リズミカルな曲で、吹奏楽らしく軍隊っぽい。曲の最後の方で、シューベルトの軍隊行進曲が顔をのぞかせる。ウォーミングアップにしては、楽しさ満点。

ショスタコーヴィチ 交響曲第9番は30分弱のある意味小さ目な交響曲。第1楽章はスネアドラムがリズミカルで行進曲っぽく進む。第2楽章冒頭、クラリネットが息の長いメロディを奏で、弦楽器が呼応する。ゆっくりとした流れについウトウト(笑) 第3楽章は一転して忙しい。ショスタコーヴィチらしさが溢れていて楽しめる。そのまま第4楽章へ。コラール風な荘厳な響きとファゴットの刻む旋律が厳かな気分を。切れ目なく第5楽章。力強く進む音楽。スターリン時代のソビエト連邦そのまま。ちょっとあっけなく終わるところも時代を映しているのか?

休憩後はグラズノフのアルト・サクソフォンと弦楽のための協奏曲。上野耕平さんのアルト・サクソフォンが恐ろしく艶めかしく初めて聴く音でびっくり!弦楽合奏+管楽器1本なのに、そんな感じを微塵も感じさせない音だ。神奈川フィルの弦も美しく、ちょっと聴きこんでみたくなった。カーテンコールが聴衆の満足度を示していた。

ラストは、組曲「火の鳥」。何も考えずに聴く。管楽器の力強さ、弦楽器の艶など、CDでは絶対に体感出来ない演奏。沼尻さんの指揮、どこかゲッツェルさんにも似ている気がする。力強い部分でも棒は流していることもあるし(笑)。2022年から3年間が楽しみになってきた。

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