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TSP 2nd映画講座

DJユニットTop Secret Philia'sスピンオフ企画映画講座の第2弾

今回の映画は
ガイ・リッチー監督
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ  Lock, Stock and Two Smoking Barrels』

前回同様DJ智智(C)によるDJ智智(T)への映画講座です。
Cは何度も観ており、Tは初見。
以下、視聴後のC(🦓)とT(🐘)によるやり取り。
※ネタバレあり 注意※


🦓:第2回いかがでしたか?監督のガイ・リッチーはご存知でした?
🐘:まったく存じ上げませんでした、と思てたんですが、
『シャーロックホームズ』をテレビで見てましたね。
その印象と被るポイントがあったのでそれは後で話そうかな。
まず初めに、この映画を観て、かっこいいと思った人が2人いたので、
それを発表しよう。
🦓:お、いいですね~、誰かな。
🐘:1人目は、ビッグ・クリス。
子どもと一緒に取り立てをするという予想外の登場で、見た目に反し言葉遣いには厳しい、というキャラクターがいいアクセントになっていました。
🦓:お~。ヴィニージョーンズっていう役者でして、お薦めしようと思っていたので、真っ先に挙げてもらえてうれしいですね~。
🐘:2人目は、JD。
いい表情をする人だな~、と思っていたら、最後のクレジットでまさかのスティングだったと知って驚きました。
🦓:そうなんです。わたしはちょっと前に『さらば青春の光』でスティングの演技観ていたんですが、そのころの大根役者とはまるで別人笑。
年を経て貫禄がでたのでしょうかね。言葉ではなく目で語るかんじがかっこいいですよね。
🐘:この2人は、ある意味ストリーとは大きな関わりはなく、外部から見ている人という感じですが、どちらも存在感があり、特にこの2人が対峙するシーンがものすごく好きですね。
🦓:対峙するシーンはたしか2度あって、1度目はクリスが雇い主ハリーの脅しを伝えに来る時。2度目はハリーも他のマフィアも皆死んでしまった後ですが、店に入ってきたクリスとJDが目を合わせて「いわなくてもわかってるぜ」的な雰囲気で、仕草だけでやりとりするのがなんとも渋いです。気が合いそうな2人ですね。
🐘:どちらも余計なことしない”漢(おとこ)”って感じがします。

🐘:じゃあ、本編について。
最初、登場人物が多くて、グループの把握とどの対象を追いかけたらいいのかと戸惑ってしまいましたが、ふと、この映画は、人物を追いかけるべきものではないと気づきました。
🦓:ほ~
🐘:私の見立てでは、この映画の主人公は、あくまでも2丁の散弾銃です。
🦓:ほ~ほ~ほ~(ニヤ)
🐘:2丁の散弾銃をめぐるドタバタコメディ、そう思ってからは、ずっとニヤニヤして観ておりました。
🦓:どうしてそう思えたんですか?
🐘:それが実は、1st講座の時にもちょっと話の出た歌舞伎なのです。
この映画の構造が歌舞伎とそっくりだと思ったんです。
🦓:なんと、またしても歌舞伎!まさか歌舞伎と共通点があるなんて。
🐘:歌舞伎にはほぼお決まりの展開として、家に伝わる宝(ほとんどの場合刀)を紛失する、というのがあります。
🦓:ほぇ~
🐘:宝がなくなると、お家取り潰しとなるため、若造の跡取り(だいたいろくでもないだらしのないやつ)がイヤイヤながら宝を探しに出るんですが、その宝を狙う、地位目当ての悪党グループと金目当ての悪党グループ、そして何も知らない第三者の間を、当のお宝が行ったり来たりする、というドタバタ劇です。
🦓:ほんとそっくりですな!ドタバタ劇は世界をまたぐコメディのテーマの1つなんですね。エディたちが一獲千金を企んで隣のアパートに立て込むあたりから、Tがニヤついているのは感じ取っていましたが、そういうことだったんですね笑
🐘:実はそれだけにとどまらず、この歌舞伎の構造は、かのドリフのコメディにも多用されていて、ドリフを見慣れた人が初めて歌舞伎を観ると、ドリフかと思った、という人もいるくらいです。
ここで豆知識を一つ。ドリフのコントの大道具は、歌舞伎の大道具の会社と同じところが作っていたんです。
🦓:へー・・・。
🐘:Cは世代的にドリフもあまり見ていないか・・。
🦓:はい・・ほとんど見ていませんね。志村けんのバカ殿はやってましたけどね。でも、歌舞伎もこんなドタバタ劇なら小難しいこと考えずに楽しめそうです笑。なんとなく敷居の高さを感じていたので。
🐘:そうなんですよ。
話がそれちゃいましたね、散弾銃が主役ってところに引き戻すと、最後にクリスが銃のカタログを渡すのも、主役としての散弾銃を象徴する感じに思えましたね。
🦓:うん、うん。
🐘:そんでクリスの「おもしろかったぜ」というようなセリフ。
このセリフは、外部からこのドタバタ劇を観ていた人=観客のセリフともとらえられるかな~、と思ったりもしましたね。
🦓:おー、良い解釈ですね!!すとんと入ってきました。
ドタバタを外から見ていたのも事実ですが、結局一番おいしいところを持っていったのもクリスのような気がします。
でも最後、わざわざバッグの中にカタログだけ残して、ショットガンの価値に気づかせて、もう一山エディたちのドタバタ劇を観せてくれようとするあたり、クリスのサービス精神には感激しましたね笑
🐘:そういう意味でもおいしいところ持ってっていますね。
あと、音楽の使い方もよかったですね。”イギリス”って感じがします。
カッコいい使い方で映像とマッチするから、違和感なく聴こえるので、そのまま聴き流してしまいがちでしたが。
🦓:『シャーロックホームズ』と印象が被るって言ったのはどんなところ?
🐘:あ~、それは私的にはちょっとマイナスポイントなんだけど、変なスローモーションが多用されている気がするところですね。
そこスローモーションにすんの⁉みたいな笑
🦓:しょっぱなからありましたね笑
🐘:あともうひとつマイナスポイントをあげるとすると、内面描写や人物の背景描写がイマイチなところかな。少しはそういう描写があったほうが、感情移入もできるんですけどね。まあ、主役が散弾銃の映画にそれを求めるのはナンセンスですね。
🦓:主演4人が何者なのかすらよくわからないですもんね。
🐘:そうそう。
あとうまいなあと思ったのは、最初は散弾銃の件をさりげなく見せている点。本題とは関係ない風を装っていて、後から存在感が増してくるようにしているところですね。
登場人物の多さも散弾銃を紛らすためとすら思えてきますね。
🦓:わたし的には、いまやアクションスターになったベーコン役のジェイソンステイサムも忘れないでほしいと思います笑
🐘:私の中では、ベーコン=イニエスタとして、心に長く残るでしょう。
第2回は、ドラマ構成の面白さが際立った作品でしたね。
🦓:次回もご期待ください。

おわり

今回の映画
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
Lock, Stock and Two Smoking Barrels
監督 ガイ・リッチー
脚本 ガイ・リッチー
製作 マシュー・ヴォーン
出演者 ニック・モラン
ジェイソン・ステイサム
ジェイソン・フレミング
デクスター・フレッチャー  ほか
音楽 デヴィッド・A・ヒューズ(英語版)
ジョン・マーフィ
撮影 ティム・モーリス=ジョーンズ
編集 ニーヴン・ハウィー
公開 イギリス 1998年8月28日
日本 1999年8月7日

#映画 #ガイ・リッチー #LockStockandTwoSmokingBarrels

presented by numa's


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