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病院間における診察力の格差ってあるよね

こんにちは、Sonnyです。

最近の医療は、医療費の増大によりセルフケアの重要性が叫ばれています。医療従事者としても、その考え方には大いに賛成であり健康や身体構造の一般的な知識が浸透し、行動に移す人が増えれば医療費を押し下げることができるかもしれません。

一方で、医学的な処置や手術を必要とする場合があるもの事実で、特に整形外科の分野では、手術をすることで回復し、社会復帰したり経済活動を再開できるようなることが多いです。

日本では国民皆保険制度により、医療が身近にあります。困ったことがあった時にすぐに医療にアクセスができる一方で、一般的な企業や産業のような競争原理が機能せず、価値提供の意識が薄まっていることも事実だと感じています。

つまり、病院だからといって診療力のようなものが高いレベルで均一化されている、というのは幻想に近いということです。今回は、このような感じた事例をピックアップして記事にしてみます。

この記事をきっかけに、インフォームドコンセントの重要性や「どの病院を受診するか」が重要であることを(一般的に十分に認識されていることですが)改めて考えていただければと思います。


♦︎医療従事者だから気がつけた症状と診断の不一致

まずは、ぼくの親族に起こった出来事です。ある日、親族がラインが届きました。「腰が痛くて病院に行ったんだけど」という文面から始まったそのラインの内容をまとめると、以下の内容になります。

  • 腰と脛の横に痛みを感じて自宅近くの整形外科クリニックを受診した

  • レントゲンを撮って診察の結果、「ヘルニアはない」と言われた

  • 1週間後、まだ痛かったら次週受診することと言われた(鎮痛剤を処方)

この内容、ヘルニアという病態や画像診断の基礎的な知識がある人なら違和感を感じるんです。ぼくは理学療法士という仕事をしているので立場上診断をつけることができませんが、それでも違和感を感じるには十分な内容です。

ヘルニアというのは一般的によく聞く病態ですが、簡単にいえば、腰の背骨の間にある椎間板の中身が飛び出して神経にぶつかることです。椎間板というのか温泉まんじゅうのような構造をしており、そのあんこが外に飛び出すようなイメージです。

この連絡を受け、改めて症状を聞くとなんとも怪しい感(症状もそのクリニックも)じがしたので、一度、ぼく自身も信頼している腰の専門医に受診させたところ、巨大なヘルニアが見つかり、さらに麻痺(神経がダメージを受けて強い筋力低下が起こること)も見つかり、しっかり手術適当であることがわかりました。

最初にクリニックの医師も当然に持っている知識なはずですが、どうゆう意図があるかはわかりませんが、正確に診断することをしなかったことが明白でした。

♦︎スキルのアップデートがないことや収益の悪化が及ぼす問題

医療業界では、10年も経過すると大きく技術が進みます。10年あれば過去はベストだと言われていたものがすっかりそのポジションを失い、全くベストではないものになってしまうんです。

この技術や道具の変化を自らに取り入れていく医師は患者が満足する手術を実施することができますが、一方で、その変化を取り入れることなく過去のスキルのまま手術を行なっている医師がいます。

今の新しいスキルの方が痛みは少ないし、治療経過で禁止事項は減る傾向にあり、患者さんご本人の負担が圧倒的に少ないです。これは10年前に手術した方と現在また同じ怪我をしてしまいまだ手術した方の多くがその感想を抱いていることを見るととても実感するところです。

ただ、スキル自体がアップデートしていないだけ手術のスキルが高ければ、現在のベストなものよりも制限が多いかったり経過に時間がかかったりすることはあれど、生活に支障がなくなる状態になることが可能です。

一方で、驚くことに、例えば収益を得ることのため、自身の専門分野外の手術をしてしまうような事例がありました。そのために手術後の調子が悪くセカンドオピニオン的にぼくに勤務する病院の医師の診察を受けたんです。結果的にその後適切な手術を当院で受けて改善しました。

♦︎骨折ある?ない?の判断(高齢者の背骨の骨折)

高齢者の骨折の中でもかなり多い、圧迫骨折。テレビなどでは「いつの間にか骨折」とも知られるものです。骨粗鬆症を起点として転倒による衝撃が原因であることが多いですが、特に思い当たる原因がなくても骨折する場合あります。

診断をする側としても、転倒などの原因があればあたりをつけやすいですが、特に原因がない場合は実が診断をつけることができず見過ごされることが意外と多いのが実情です。

レントゲンだけでは診断をつけることができず、MRIやCTが必要になる場合もあります。またレントゲンといっても座っている姿勢と寝ている姿勢で写り方が変わる場合もあり診断の手掛かりになることもあります。

このような診断に慣れていない場合、患者さん本人はすごく痛がっているのに「特に問題ない」と言われて特に何の処置もなく帰宅させられることもあります。この時に適切な安静度などを設定することができれば徐々に改善していくにも関わらず、安静が保たれずにさらに悪化して、結果手術せざるを得ない状況にまで進展してしまうこともしばしば。

このように、どの医師が見るかで大きく結果が変わってしまう場合もあります。

♦︎まとめ

これらのように、適切な判断・診察を受けるためにはセカンドオピニオンが重要になる場合も少なくありません。

この記事を読んで頂けた方、またはその身近の方にとってこの内容が参考になれば幸いです。

それでは。

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