バリスタン・セルミーの語る狂王エイリスとタイウィン・ラニスターの関係
まずは「竜との舞踏」中巻よりバリスタン・セルミーとデナーリス・ターガリエンの会話を抜粋。
「太子エイリスは……お若いころ、キャスタリーの磐城のとある女性に恋をなさいました。タイウィン・ラニスターの従姉妹です。この従姉妹とタイウィンが結婚したとき、お父上はその披露宴で御酒を過ごされ、臣下に対する主君の初夜権が廃されたのはいかにも残念だ、と放言されたといわれております。もちろん、酒席での冗句以上のものではありませんが、タイウィン・ラニスターは、けっしてこのようなことばを忘れる男ではなく……ましてや、床入りのさい、お父上がなされた専横のふるまいは……」
さて、ドラマ版第6章において最大のファンセオリー「R+L=J」、即ちレイガ―・ターガリエンとリアナ・スタークの息子がジョン・スノウであると明かされたわけだが、もうひとり隠れたターガリエンが存在するともいわれている。いまのところ原作のみで登場する殺されたはずのレイガ―の息子エイゴン・ターガリエン以外では、ティリオン・ラニスターである可能性が高い。
勘の良い人は「種は強し」を思い出すだろう。故ジョン・アリンの遺した言葉で、ロバート・バラシオン王の落とし子はすべて彼の特徴を持っているのに、ジョフリーらサーセイ王妃とのこどもたちは全てラニスター家の特徴を持っていたことを怪しんだのである。
ラニスター家はほぼ全ての親類が金髪金目である。しかし「種は強し」であるならば、なぜ純血のラニスターたるティリオンだけが不出来なのか。もしくは、お産で妻を亡くしたとはいえなぜティリオンをあそこまで憎むのか。
この点に対するファンセオリーとして、ティリオンはエイリス・ターガリエンがジョアンナ・ラニスターを強姦して生まれた落とし子である、といわれているのだが、なるほど上記の話を聞けば納得できる。もちろん、タイウィン・ラニスターの狡猾で饒舌な特徴を強く受け継いでいるのはティリオンである、という反論もできるが……なににせよ、デナーリスのもつドラゴンは三頭いる。なればヴィセーリオンとレイガルに乗るのは誰になるのか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?