#NulNote 出塁率4割の壁を超えるには?

また1ヶ月空きました。
シーズン始まったらもう少し頑張りたいと思います(願望)。

さて今回はこちらの記事からインスパイアされてみました。

東北楽天ゴールデンイーグルス・岡島豪郎選手は新背番号4番で、出塁率4割を目指す!(土井麻由実) - Y!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/doimayumi/20170201-00067210/

取材力・文章力に定評のある土井麻由実さんによる楽天・岡島豪郎選手へのインタビュー記事です。
この記事の中で岡島は、背番号が4に変更になったこともあり、今年は出塁率4割を目指したいと抱負を語っています。

この「出塁率4割」ですが、岡島自身も言っていましたが「打率なら3割・出塁率なら4割」と言うのは打者の目標としては非常にスタンダードなラインだと思います。これがクリア出来れば一流という考え方が一般的ではないかと思います。

と言うことで、私の手持ちで遡れる2005年以降で出塁率4割を記録した選手一覧をまとめてみました。

※出塁数=安打+四球+死球
※四死球比率…出塁数における四死球の比率

この12年でセ・パ合わせて52人が出塁率4割を記録しています。
そして、この52人の主要な項目の平均値が以下になります。

やはり平均打率は3割を大きく超えており、出塁率-打率を示すIsoDも平均1に近い値となっています。
当然の話ですが打率だけで出塁率4割を目指すのはかなりハードルが高い話になりますので、四死球も選び全体の出塁数を底上げすることが出塁率4割の条件となることは間違いないでしょう。
犠打・犠飛数は打者タイプによって変わってくるので一概には言い辛いですが、概ね1年フルに出場した場合、出塁率の分母となる打数+四死球+犠飛の合計は大体500~550程度になると思います。その4割ということですから出塁数は200~220程度が目安になってくると思われます。

個別に数値を見ていくと、2005年以降で四死球比率が最も高かったのは2007年Dタイロン・ウッズの49.2%。この年のウッズは打率.270に終わっていますが出塁率.418を記録しています。安打数126・四死球122と安打数に迫る四死球を選ぶことでIsoD.148を稼ぎ出し出塁率4割を達成しています(セ2位)。
スラッガータイプに良くあるパターンであり、出塁率4割は達成できなかったものの、2013~14年のEジョーンズ(13年比率50.8% 14年56.8%)や往年の主砲デストラーデも打率は.270を超えたことはないのですが毎年4割近くの出塁率を記録していました。(90年打率.263/出塁率.359 91年.268/.404 92年.266/.396)

逆に四死球比率が最も低かったのは現在はソフトバンクの主砲である2008年YB内川聖一の15.6%。この年の内川は右打者最高打率である.378を記録していますが実は出塁率は.416止まりIsoDはわずか.038でした。
内訳をみると安打数189に対し四死球はわずか35。内川のその後の成績を見ても四死球は概ね40~50程度、IsoDも.050前後となっており、選ぶよりも積極的に打ちに行くタイプであることが見て取れます。
同様に安打数日本新記録を作った2015年L秋山翔吾安打数216に対し四死球は64打率.359に対し出塁率.419 IsoD.060 四死球比率22.9%となっています。
安打数で稼ぐタイプは巧打者に多く、スーパースター・イチローは典型的なこのタイプであり、NPBに所属し規定打席に到達した1994~2000年の平均IsoDは.070程度であり1を超えたシーズンは1度もありませんが、この間出塁率は全て4割をマークしています。これはこの間の平均打率(.359)が驚異的な高さであったことが要因と言えるでしょう。

さて、では上記を踏まえて岡島豪郎選手のこれまでの成績から出塁率4割にするための鍵を軽く探ってみたいと思います。

四死球比率は概ね30%前後、IsoDも.075程度と言うことで非常にバランスの取れている出塁数のように見えます。レギュラーを獲得した2014年は四死球比率が28.4%でしたが、ここ2年は出場数が減ったものの30%以上を記録しています。この四死球比率を維持しつつ安打数=打率を上げることが出来れば出塁率4割も見えてきそうです。岡島選手が目指す方向性としてはヒッティング時のヒット確率を上げていくというところになりそうですね。

最後に2005年以降の出塁率4割記録回数ランキングを貼って終わりたいと思います。

糸井嘉男が貫禄のトップランクイン。山田哲人・柳田悠岐のトリプル3コンビが追随する形となっていますね。今年は何人の出塁率4割打者が生まれるでしょうか? 注目していきましょう。

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