モノカキ

どうしてわざわざ小説なんて書きたいと思ったんですか?いえ、責めてるわけでも煽っているわけでもなくて、むしろ凄いなって思うんですよ。私なんかは本読みなので、本が好きって気持ちは人並み以上にあるんですけど、やっぱりどこまでも読者で作者ではないんですよね。それに創造主よりも被造物が好きっていうか、神よりも人間ラブなんですよ。だから、小説を書こうって気には特になれなくて、そう思える人っていうのはどこかで自分にも出来そうだって感じるからやるんですよね?でも、小説を書くってとっても大変じゃないですか?構想を練って、既存の作品と被らないようにして、読者を飽きさせない工夫も必要で、とんでもない量の文字を書かないといけない。今どき、文字を読むのにお金を払うってのも腰が引けるのに、自分の書いた文章にお金を払わせるなんて私なんかは手が震えちゃうんですよ。人に尊敬されたいとか感動を与えたいとか動機はなんとなくわかるんですけど、それでもなんで小説なのかなって考えると、そんな大層な理由がなくてもやりたいんですよね?そこまで苦しんで得られるか分からない満足に手を伸ばす、ほとんどギャンブルだと思ってしまいますよ。いえいえ、再三言うように、寧ろ尊敬しているんですよ?それでも小説を選んだ以上、そうするだけの理由を作者には持っていてほしいっていうのが一読者である私のエゴかなって。あとは面白ければ何でもいい。そういう意味では私なんかは最も厳しい読者かもしれませんね。

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